朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

3月8日―3月14日

2018年3月18日付

8日 米朝、初の首脳会談へ 

トランプ氏、金正恩氏の要請受け入れ

 トランプ米大統領は、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長との首脳会談を5月末までに開くと明らかにした。正恩氏の要請を受け入れたもので、北朝鮮の非核化について話し合う。実現すれば、現職の米大統領と北朝鮮の最高指導者との会談は初めてとなる。
 要請は、北朝鮮で正恩氏と会談した韓国大統領府のチョンウィヨン国家安保室長から伝えられた。正恩氏は非核化に取り組む考えを示し、核実験や弾道ミサイルの試射を差し控えると約束した。
 ただ、具体的な日程や場所のほか、交渉の道筋もはっきりせず、非核化に向けた話し合いが実際に進むかはわからない。

8日 米国抜きの「TPP11」に署名

年内発効の可能性も

 米国を除き、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する11カ国が、チリの首都サンティアゴで新協定「TPP11」に署名した=写真。日本、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの計11カ国。
 過半数の6カ国がじゅん(最終的な確認・同意の手続き)してから60日後に発効する。日本は6月までの通常国会で承認案と関連する法案を成立させたい考え。全参加国が国内手続きを早く終わらせるとしているため、年内にも発効する可能性がある。

環太平洋経済連携協定(TPP)
 太平洋を取り囲む国々が、輸入品の関税をなくしたり、人やお金の出入りをしやすくしたりして、自由な経済圏をつくる取り組み。当初参加を表明していた米国が、昨年1月に離脱した。署名した11カ国の国内総生産(GDP)を合わせると、世界全体の1割を超える。

TPP11に署名した各国代表が手をつないでいる写真
(C)朝日新聞社

8日 音楽教室から著作権料徴収へ

JASRAC 4月から

 日本音楽著作権協会(JASジャスRACラック)は、音楽教室での著作権料を4月1日利用分から徴収する方針を明らかにした。約900事業者に契約を求める文書を送る。両者は徴収をめぐって対立していたが、文化庁長官が7日、徴収を認める決定を出した。

9日 平昌冬季パラリンピックが開幕

49カ国・地域が参加

 障がい者スポーツの国際総合大会、第12回冬季パラリンピック大会が韓国・ピョンチャンで開幕した=写真は入場行進する日本選手団。冬季としては最多となる49カ国・地域から567選手が参加、日本からは38選手がエントリー。6競技80種目で競う。

開会式で入場行進する日本選手団の写真
(C)朝日新聞社

9日 佐川国税庁長官が辞任

森友問題をめぐり責任

 学校法人・もりとも学園(大阪市)に国有地を値引きして売り渡した問題で、売却当時、財務省理財局長だったがわのぶ寿ひさ・国税庁長官=写真=が辞任した。理由について麻生あそうろう財務大臣は、同省の決裁文書を国会に提出したときの担当局長だったことなどを挙げた。

佐川宣寿さんの写真
(C)朝日新聞社

9日 世界農業遺産に静岡と徳島

わき水でわさび栽培、急斜面の畑

 「世界農業遺産」に静岡県の「わさび栽培地域」=写真上=と徳島県の「にし地域」=写真下=が新たに選ばれた。世界の伝統的な農法や文化、生態系を守るために、国連食糧農業機関(FAO)が認定する遺産。国内では計11カ所となった。
 わさび栽培地域は、肥料をできるだけ使わず、わき水の養分でわさびを栽培する。にし阿波地域は、傾斜40度にもなる山間部の急斜面で行う伝統的な農法が特徴。

静岡県のわさび栽培地域の写真

徳島県のにし阿波地域の写真

10日 東京大空襲から73年

追悼の法要に600人参列

 一夜におよそ10万人が亡くなったとされる東京大空襲から73年、東京都れい堂(墨田区)で犠牲者をついとうする法要があった=写真。遺族や都、区の代表者ら約600人が参列し、犠牲者に祈りをささげた。
 いけ都知事は「私たちには戦争の悲惨さを決して風化させることなく次の世代へ語り継ぎ、平和で安全な世界を守る責任がある」と追悼の言葉を述べた。

追悼法要が行われた慰霊堂前の写真
(C)朝日新聞社

10日 高木美帆選手、日本勢初の総合優勝

スピードスケート世界選手権

 オランダ・アムステルダムで開かれたスピードスケートの世界選手権で、たか選手(23)が男女を通じて日本勢初の総合優勝を果たした。女子は500、1500、3000、5000メートルの4種目の総合成績で競った。
 これまでの女子の最高成績は、1990年にはしもとせいさんが出した2位。

10日 トルソワ、女子初4回転2種でV

フィギュアスケート世界ジュニア

 ブルガリア・ソフィアで開催されたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権女子で、13歳のアレクサンドラ・トルソワ選手(ロシア)が初優勝した。
 トルソワ選手は、女子で史上初となるサルコー、トーループの2種類の4回転ジャンプに成功。シニアも含めて世界歴代5位の合計225.52点を挙げた。

11日 東日本大震災から7年、各地で追悼

7万3千人 今も避難生活

 東日本大震災の発生から7年を迎えた。死者は1万5895人、行方不明者は2539人、震災関連死は3647人にのぼる。今も約7万3千人が全国で避難生活を続けている。
 政府主催の追悼式が東京都内で開かれ、あきしののみやご夫妻やしんぞう首相、遺族ら約820人が参列した。各地で犠牲者に祈りが捧げられた=写真は福島県いわき市。

電気灯篭を囲む家族の写真
(C)朝日新聞社

12日 「森友文書」書き換えを認める

政府、財務省理財局が指示と認定

 国の土地を学校法人・森友学園(大阪市)に安く売り渡した問題で、取引に関する決裁文書に書き換えがあったと、財務省が国会に報告した。政府は、昨年2月に売却の問題が明らかになった後、国会答弁に合わせるために財務省理財局の指示で行われたと認めた。
 書き換えられたこうぶんしょは、貸し付けや売却、特例に関するもので、14件あった。削除された部分には、安倍晋三首相の妻あき氏の名前もあった。
 安倍首相は「行政全体の信頼を揺るがしかねない事態。行政の長として責任を痛感している」と謝罪した。麻生太郎財務大臣は辞任はしないとしている。野党は改ざんの経緯を明らかにし、首相と財務大臣の責任を厳しく追及する構え。

公文書
 国会の議事録など会議の記録、公立学校の先生の任命書など、公務員が仕事の上で作成する文書。こうした文書をもとに話し合いが行われ、さまざまな決定がなされる。

13日 民法改正「18歳成人」閣議決定

結婚年齢は男女とも18歳から

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を政府が閣議決定し、国会に提出した。改正案が成立すれば、2022年4月から、18、19歳も一人で携帯電話の契約やお金を借りる契約が結べることになる。成人年齢は1876(明治9)年に決められて以来、約140年間、変わっていない。
 改正案には、結婚できる年齢の変更も盛り込まれている。現在の「男性18歳、女性16歳」を「男女とも18歳」に統一する。

13日 トランプ米大統領、国務長官を解任

考え合わず 後任はCIA長官

 トランプ米大統領が、ティラーソン国務長官をやめさせると自身のツイッターで明らかにした。国務長官は国務省のトップで外交政策を担う。
 国際的なルールや対話を重視するティラーソン氏は、トランプ氏と考え方が合わなかったとされている。後任はポンペオ中央情報局(CIA)長官。

14日 ホーキング博士が死去

宇宙の魅力伝えた「車いすの物理学者」

 「車いすの物理学者」として知られる英国のスティーブン・ホーキング博士が亡くなった。76歳だった。
 宇宙の始まりなどについて先進的な理論を発表し、宇宙研究に大きな影響を与えた。21歳で、筋肉が動きにくくなる難病「きんしゅくせいそくさくこうしょう(ALS)」と診断されていた。

平昌パラリンピック 主な競技結果

10日
女子滑降座位 村岡選手が銀
男子滑降座位 森井選手が銀

 アルペンスキー女子滑降座位でむらおかもも選手(21)が銀メダルを獲得した=写真上。今大会で日本勢第1号のメダルとなった。村岡選手は4歳のときに原因不明の病気で突然足に力が入らなくなる。車いすの生活になった娘を理解しようとした父親と、ともに車いすスポーツに取り組んできた。
 アルペンスキー男子滑降座位のもりたい選手(37)も銀メダルを手にした=写真下。

競技中の村岡桃佳選手の写真
どちらも(C)朝日新聞社

銀メダルを手にした森井大輝選手の写真

11日
女子スーパー大回転座位 村岡選手が銅

 アルペンスキー女子スーパー大回転座位で、村岡桃佳選手が銅メダル。

12日
スノボクロス男子 成田選手が銅

 スノーボードクロス男子障がいで、なりぐり選手(24)=写真=が銅メダルに輝いた。成田選手は19歳のときに、トランポリンの事故で左足のひざから下にまひの障がいを負う。兄・姉ともにスノーボードで五輪に出場している。

競技中の成田緑夢選手の写真
(C)朝日新聞社

13日
女子スーパー複合座位 村岡選手が銅

 アルペンスキー女子スーパー複合座位で、村岡桃佳選手が銅メダルを獲得した。

14日
女子大回転座位 村岡選手が金
男子クロスカントリー立位 新田選手が銀

 アルペンスキー女子大回転座位で村岡桃佳選手が金メダルに輝いた=写真上。今大会で日本勢初の金メダルとなった。クロスカントリースキー男子スプリント・クラシカル立位では、にっよしひろ選手(37)が銀メダルを獲得した=写真下。
 この日で日本のメダル獲得数は7となり、前回のロシア・ソチ大会の6を上回った。

笑顔の村岡桃佳選手の写真
どちらも(C)朝日新聞社

競技中の新田佳浩選手の写真

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る