朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

1月18日―1月24日

2018年1月28日付

18日 イプシロン3号機の軌跡、空に

打ち上げ後に「夜光雲」

 宇宙航空研究開発機構(JAジャXAクサ)は、固体燃料ロケット「イプシロン」3号機を鹿児島県きもつき町のうちうら宇宙空間観測所から打ち上げた。搭載した小型観測衛星「ASNAROアスナロ―2」を分離し、軌道に投入。打ち上げは成功した。
 その後、帯状の雲が赤みや青みを帯びて一筆書きのように漂う様子が観測された=写真。80キロ程度の上空に現れる「こううん」とみられる。

打ち上げ後に現れた夜光雲の写真
(C)朝日新聞社

18日 オウム事件、刑事裁判終結へ

最高裁、高橋被告の上告棄却

 オウム真理教の元信徒・たかはしかつ被告(59)について、最高裁判所が上告を棄却した。高橋被告はこの決定に異議を申し立てたが、認められるのは極めて異例で、無期ちょうえきとした一、二審判決が確定するとみられる。これで地下鉄サリン(1995年)や松本サリン(94年)、弁護士一家殺害(89年)などオウム真理教が起こした事件の刑事裁判がすべて終結する。

オウム真理教事件
 
13人が死亡、6千人以上が負傷した地下鉄サリン事件など、教団による一連の事件の総称。13の事件で計27人の命を奪ったとして罪に問われた元教団代表のまつもとあさはらしょうこう)死刑囚(62)を含む計13人の死刑が確定した。

18日 3雪渓を「氷河」と認定

国内6カ所に

 長野県おおまち市や富山県たてやまカルデラ砂防博物館などは、両県の県境に連なる北アルプスうしろたてやま連峰の鹿しまやりたけ・カクネさとつるぎだけいけたん、立山・のすけの三つのせっけいが、斜面に沿って動く「氷河」と認定されたと発表した。
 国内の氷河は計6カ所になった。

19日 官房機密費、一部開示認める

最高裁、初判断

 内閣官房長官が情報収集などに使う「官房機密費」をめぐり、市民団体が使い道の開示を求めた三つの訴訟の上告審判決が最高裁判所であった。「国の事務のすいこうに支障を及ぼすおそれがあるとは言えない」と一部文書の開示を認め、「全面不開示」とした国の処分を取り消した。
 官房機密費の使い道の開示請求で最高裁が判断を示したのは初めて。

官房機密費
 内閣の事務や仕事を円滑に進めるため、官房長官の考えで自由に使えるとされるお金。正式には内閣官房ほうしょう費という。年間約十数億円が支出されているが、秘密を守ることが大切だとして使い道は公開されていない。

20日 平昌五輪 北朝鮮の参加承認

IOC

 国際オリンピック委員会(IOC)は、北朝鮮のピョンチャン冬季五輪参加を正式に承認した。IOCのバッハ会長は、北朝鮮からはスケートやアイスホッケー、スキーの3競技に選手計22人が参加すると発表した。
 アイスホッケー女子では、五輪初の南北合同チームが結成されることになった。開会式での「統一旗」を掲げた合同入場も認めた。

20日 米政府機関が一部閉鎖

予算期限切れ 自由の女神も入れず

 米国の連邦政府のざんてい予算が期限切れとなり、一部の政府機関が閉鎖された。オバマ政権下の2013年10月以来約4年ぶり。数十万人の連邦職員が自宅待機になり、ニューヨークの自由の女神像も入れなくなるなどの影響が出た。連邦議会の上院・下院は22日、2月8日までのつなぎ予算案を可決し、政府閉鎖は3日目でひとまず解消された。
 米国では昨年10月に新年度が始まったが、予算が成立しておらず、短期のつなぎ予算でしのいできた。しかし上院で19日、トランプ大統領が廃止を決めた不法移民の子どもの救済制度をめぐって与野党が激しく対立し、新たなつなぎ予算案が否決されていた。

21日 卓球、男女とも10代が優勝

全日本選手権 シングルス

 卓球の全日本選手権、男子シングルス決勝で14歳のはりもとともかず選手=写真上=が優勝した。決勝ではリオデジャネイロ五輪銅メダルのみずたにじゅん選手(28)に勝利。シングルスでは男女を通じ初の中学生王者になった。
 女子シングルス決勝ではとう選手(17)が初優勝=写真下。混合ダブルス、女子ダブルスと合わせ、女子で史上最年少での3冠となった。

張本智和選手の写真
どちらも(C)朝日新聞社

伊藤美誠選手の写真

22日 首相、改憲へ強い意欲 

通常国会召集

 第196通常国会が召集された。しんぞう首相は衆参両院での施政方針演説で「働き方改革」の実現を訴えるとともに、北朝鮮問題に関連して防衛力強化の必要性を説いた=写真。これに先立ち、首相は自民党の両院議員総会に出席し、憲法改正について「いよいよ実現する時」と話し、強い意欲を改めて示した。
 政府は、民法を改正し、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる法案も提出する予定だ。
 通常国会は毎年1回、定期的に召集される。会期は150日間で、今回は6月20日まで。

演説する安倍晋三首相の写真
(C)朝日新聞社

22日 首都圏に大雪、交通網乱れる

零下4度も記録

 首都圏がまとまった積雪に見舞われ、鉄道を中心に交通機関が大きく乱れた=写真上は東京・渋谷の交差点、写真下は渋谷駅の改札前。気象庁は東京23区など各地に大雪警報を発表。23日も雪の影響は続き、首都圏の私立大学や私立高校で入試の開始時間を遅らせる学校があった。上空の強い寒気の影響で、東京都心では25日朝に零下4.0度を記録。気象庁によると、都心で零下4度を記録したのは、1970年1月17日以来、48年ぶり。

積雪に見舞われた東京・渋谷の交差点の写真
どちらも(C)朝日新聞社

混雑する渋谷駅の改札前の写真

23日 春闘がスタート

経団連は3%の賃上げ目標

 日本経済団体連合会(経団連)と日本労働組合総連合会(連合)のトップが会談し、今年のしゅんとうが始まった=写真。安倍晋三首相からの要請で、経団連は3%の賃上げという数値目標を掲げており、各企業がどれだけの賃上げに踏み切るかが焦点となる。

春闘
 労働者でつくる労働組合が、経営者に給料の引き上げや働く環境の改善などを求め、一斉に話し合うこと。4月からの新年度の前に行われる。「春季闘争」の略で、1950年代半ばに始まった。

春闘の話し合いをしている写真
(C)朝日新聞社

23日 草津白根山が噴火、1人死亡

スキー場に噴石、11人けが

 気象庁は、群馬県くさ町の草津しら山で噴火が発生したと発表した。火口周辺の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から断続的にレベル3(入山規制)まで引き上げた。噴火とほぼ同じころ、近くのスキー場に多数の噴石が落下した。訓練中だった陸上自衛隊員30人のうち、噴石が当たった男性(49)が死亡。ほかに隊員7人やスキー客ら計11人も噴石で骨折するなどのけがをした。
 気象庁は24日、今回の噴火は「水蒸気噴火」だった可能性が高いと発表した。地下水が熱せられて起こる噴火で、前兆が現れにくい。2014年9月に発生したおんたけ山(長野・岐阜県境)の噴火も水蒸気噴火だった。

水蒸気噴火とマグマ噴火の違いの図
(C)朝日新聞社

群馬県草津町の草津白根山周辺の地図

23日 沖縄 米軍ヘリまた不時着

事故回避の予防着陸か

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)所属のヘリコプターが、同県村の村営ヘリポートに不時着した。日本政府関係者によると、事故を避けるため「予防着陸」したとみられるという。県内では6日と8日にも米軍ヘリが不時着しており、県議会は19日、日米両政府や米軍に対する抗議決議と意見書を全会一致で可決していた。

米軍ヘリが不時着した渡名喜島の位置を示す地図
(C)朝日新聞社

23日 アカデミー賞候補に日本人2人

特殊メイクと短編アニメ

 第90回アカデミー賞の候補が発表された。メイク・ヘアスタイリング賞で「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」で特殊メイクを務めたつじかずひろさんが3回目の候補に、短編アニメ賞ではくわはたかほるさんが共同監督を務めた「ネガティブ・スペース(原題)」が候補に選ばれた。
 発表と授賞式は米国で3月4日(日本時間5日)に行われる。

23日 月面レース、勝者なく終了へ

全チーム、到着できない見通し

 世界初の民間による月面探査レースを主催する米国のXプライズ財団は、日本のチームHAKUTOハクトを含む世界の5チームすべてが、期限の3月末までに月面に到着できないまま、レースが終了する見通しになったと発表した。開発が遅れたり、資金が集まらなかったりするなど、各チームとも難航していた。

ハクトの探査車(模型)の写真
ハクトの探査車(模型)

24日 安倍首相、平昌五輪開会式出席へ

韓国大統領と会談調整

 安倍晋三首相は、2月9日に韓国で開幕する平昌冬季オリンピックの開会式に出席し、ムンジェイン大統領=写真=との首脳会談を調整する考えを明らかにした。首相の韓国訪問は2015年11月以来で、文政権になって初めて。15年に結んだ慰安婦問題をめぐる日韓合意について、日本の立場が変わらないことを伝え、韓国側に約束通り実行するよう求めるという。
 北朝鮮問題については、北朝鮮に核・ミサイル計画を放棄させるため、圧力を高めることが必要だと直接伝えたいとしている。平昌五輪を機に南北対話を進めている韓国に対し、圧力強化の手を緩める方向に傾かないようくぎを刺したい考えだ。

文在寅大統領の写真
(C)朝日新聞社

24日 サルのクローン誕生に成功

中国 霊長類では初めて

 サルの体細胞から、クローン2匹を誕生させることに成功したと中国の研究チームが発表した。ほ乳類の体細胞クローンは羊や牛などで誕生しているが、霊長類では初となった。
 ヒトに近いサルのクローンは医療研究などに役立つとチームは主張。一方で、サルはヒトに近く、禁止されている人間のクローン誕生に近づくことにもなり、議論を呼びそうだ。

クローン
 同じ遺伝情報を持つ細胞または個体のこと。体の細胞を使って、元の個体と同じ遺伝情報を持つ個体を作ることを体細胞クローン技術という。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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