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2017年12月10日付
各国の専門家が集まり、核兵器の廃絶をテーマに広島市内で開かれた国連軍縮会議が、2日間の日程を終えて閉幕した。初日の11月29日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したこともあり、今年7月に国連で採択された核兵器禁止条約と、既存の核不拡散条約(NPT)の役割について、議論が白熱した。
中満泉・国連軍縮担当上級代表は閉会のあいさつで「核兵器禁止条約とNPTは対立するものではない。互いに補い合うことが重要だ」と話した=写真。
国連軍縮会議は1989年に京都で開催されてからほぼ毎年、日本の各都市で開催されている。
核兵器禁止条約
核兵器の使用や保有などを法的に禁止する条約。今年7月、国連で122カ国の賛成を得て採択された。核兵器を持つ米国に安全を保障されている日本は、米国など五つの核保有国などとともに参加していない。
(C)朝日新聞社
中東などの産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)と、ロシアなど非加盟の10産油国は、今年1月に始めた協調減産(生産量を抑える取り決め)を2018年末まで延長することを決めた。計24カ国が参加する減産は2年の長期にわたって続く異例ずくめの事態となる。減産を解除する時期については各国で認識に差があり、今後足並みの乱れが生じる恐れもある。
衆議院憲法審査会が、衆議院議員選挙後、初めて開かれた。約半年ぶりの再開。7月に欧州3カ国を視察した委員が、イタリアで「その時々の政治の多数派だけに頼って憲法改正をすることは極めて危険」と指摘されたことなどを報告した。これらをふまえて国民投票のあり方を中心に話し合った。
参議院でも6日、約1年ぶりに憲法審査会が開かれた。
憲法審査会
日本国憲法や関連する法律について調査し、憲法の改正原案などを審査する国会の機関。2007年の国民投票法の成立を受けて設置された。衆参両議院の議席数に応じ、各党に委員が配分される。
内閣府の宇宙政策委員会は、国際協力による有人月探査に参加する方針を示した。各国の新たな宇宙探査計画に、無人補給船の技術などで貢献を目指す。
現在、日本などが参加する国際宇宙ステーション(ISS)は、2024年に運用を終了する予定。月の有人探査は1972年のアポロ17号が最後で、近年は水や鉱物資源などがあると見込まれ、再び注目されている。
米航空宇宙局(NASA)は、月の軌道に宇宙ステーションを建設し、月探査などの中継基地とする構想を発表。ロシアも、この構想に参加する考えだ。
(C)朝日新聞社
政府は、三権の長や皇族らでつくる「皇室会議」を開き、天皇陛下の退位日を2019年4月30日とすべきだとの意見をまとめた。翌5月1日に皇太子さまが即位し、新元号が施行される。8日、閣議決定した。
天皇陛下は昨年8月、「生前退位」の意向をにじませるお気持ちを表明。これを受けて今年6月、退位を実現する特例法が成立した。政府は当初、年度替わりに合わせた日程で調整していたが、3~4月は転居が多く、統一地方選挙もあるため、4月末の退位がふさわしいとした。
公園を散策する天皇、皇后両陛下=11月22日、東京都内
(C)朝日新聞社
世の中の動きを映す言葉を選ぶ「2017ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。年間大賞には、SNSの「インスタグラム」に投稿した写真がひときわ映えたかどうかを意識した「インスタ映え」と、森友学園・加計学園をめぐる問題で盛んに使われた「忖度」が選ばれた。
トップ10には、お笑い芸人・ブルゾンちえみさんのネタ「35億」、北朝鮮による弾道ミサイルの発射を受けて鳴り響いた「Jアラート」などが入った。
来年6月14日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせ抽選会があり、日本は1次リーグH組でコロンビア、セネガル、ポーランドとの対戦が決まった。それぞれ世界的なスター選手がいて、日本より格上のチームだ。
初戦のコロンビアは、前回の2014年大会でも1次リーグで対戦し、1―4で敗れている。
サッカーのJリーグ1部(J1)の年間王者が川崎フロンターレに決まった=写真。この日の試合で、川崎は大宮アルディージャに5―0で勝利。首位の鹿島アントラーズがジュビロ磐田と引き分け、勝ち点で並んだが、得失点差で上回った。国内の主要3大会で初のタイトル。
最優秀選手賞(MVP)にはJ1得点王で川崎を初優勝に導いたFW小林悠選手が初めて選ばれた。
(C)朝日新聞社
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、6日間のミャンマー、バングラデシュ訪問を終えた。ミャンマーは仏教徒、バングラデシュはイスラム教徒が多数派。ミャンマーからは60万人を超えるイスラム教徒ロヒンギャがバングラデシュに逃れている。法王はミャンマーでアウンサンスーチー国家顧問と会談。ロヒンギャ問題には言及せず、融和を呼びかけた。バングラデシュではロヒンギャ難民と面会した。
スピードスケートのワールドカップ(W杯)カルガリー(カナダ)大会第2日、女子団体追い抜きがあり、日本は2分53秒88の世界新記録で開幕2連勝を飾った。男子は、3分38秒65の日本新記録で2位に入った。
大会最終日の3日、小平奈緒選手は女子500メートルで、高木美帆選手は女子1500メートルでともに日本新記録を出し、優勝した=写真中央が小平選手。日本スケート連盟の規定により、2人ともこの種目で、来年2月に開催される韓国・平昌五輪出場が確実となった。
(C)朝日新聞社
2020年度から始まる「大学入学共通テスト」へ向けた試行調査(プレテスト)の問題と結果速報を、大学入試センターが公表した。
試行調査は11月、英語を除く5教科11科目について行われ、全国約1900校の延べ約18万人の高校2、3年生が参加。マーク式問題は約7割の採点が終わっているが、国語と数学の記述式問題の採点は今月中に行い、結果は来年3月までに公表する。
いまの中学3年生からが、大学入学共通テストの対象となる。
「大学入学共通テスト」へ向けた試行調査を受ける生徒たち=11月13日、東京都目黒区
(C)朝日新聞社
将棋の羽生善治棋聖(47)が、史上初めて「永世七冠」を達成した=写真。第30期竜王戦七番勝負で渡辺明竜王(33)を4勝1敗で破り、通算7期目の竜王を獲得。永世竜王を名乗る資格を得たことで、「永世」をつけられる七つのタイトルすべてでその資格を手にした。
将棋には「竜王」「名人」「王位」「王座」「棋王」「王将」「棋聖」の七つと、5月にタイトルに昇格した「叡王」の八大タイトル戦がある。叡王以外は一定の条件を満たすと、原則として引退後、それぞれのタイトルに「永世」をつけて名乗ることができる。
羽生さんは、通算タイトル獲得数が99期になり、大台の100期に「王手」をかけた。
(C)朝日新聞社
国際オリンピック委員会(IOC)は、国家ぐるみでドーピング(薬物使用)を行い、それを隠したとして、ロシア・オリンピック委員会の資格を停止し、平昌五輪に選手団を送ることを認めないと発表した。ただし、ドーピングをしていないことが証明された選手は、チーム競技も含めて参加することができる。国旗や国歌の使用は認められない。
ロシアではこの決定を受け、激しい反発の声が出ている。
国際自然保護連合は、絶滅の恐れがある動植物をまとめた「レッドリスト」の最新版を発表した。除草剤の使用などで野生のイネやムギが脅かされ、イルカの仲間は誤って網にかかるなどして激減している。世界の9万1523種を評価し、2万5821種を絶滅危惧種とした。日本では、日本固有のヘビ類とトカゲ類の計46種を評価し、3分の1を絶滅危惧種とした。
トランプ米大統領は、エルサレムをイスラエルの「首都」として認めると宣言した。現在は商都テルアビブにある米大使館を移転させる手続きを始めるよう指示した。東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置づけるパレスチナは、この判断に猛反発、中東和平交渉に影響が出そうだ。
エルサレム
古代から栄え、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地。パレスチナはイスラエルの占領下にあり、国として独立を目指している。一方、イスラエルは1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領して市全域を「首都」と宣言したが、国際的には認められていない。
NHKが受信契約を結ばない男性に受信料の支払いを求めた裁判で、最高裁判所は、事実上支払いは義務とし、テレビを設置したときからの受信料を支払う必要がある、と初めての判断を示した。NHKとの契約義務を定めた放送法の規定について「合憲」とした。今後、NHKが受信契約を結ぶよう裁判を起こせば、今回の判決を元に主張が認められる可能性が高い。
日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。