朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

11月16日―11月22日

2017年11月26日付

16日 LINEいじめ相談を全国へ

長野県で反響 電話相談の55倍

 通信アプリを展開するLINE社は、SNSを使った中高生のいじめ相談を全国に広げるため、「全国SNSカウンセリング協議会」を年内にも立ち上げると発表した。カウンセリング事業者などが加わり、情報の共有や人材の育成をめざす。
 長野県教育委員会が9月、LINEを使って中高生の相談を受け付けたところ、2週間で1579件のアクセスがあり、547件の相談に乗ることができた。電話相談の約55倍のペース。

16日 ロシア ドーピング処分継続

平昌出られない可能性

 世界反ドーピング機関(WADA)は韓国・ソウルで理事会を開き、国家ぐるみでドーピングに関わっていた問題で、2015年11月から資格停止にしているロシア反ドーピング機関(RUSADA)について処分の継続を決めた。
 来年に韓国・ピョンチャンで開催される冬季五輪、パラリンピックにロシア選手団が出場できない可能性も出てきた。国際オリンピック委員会と国際パラリンピック委員会は12月、ロシア選手団の平昌大会出場の可否を判断する。

17日 安倍首相、所信表明演説

少子化対策・北朝鮮への対応など

 しんぞう首相は衆議院と参議院で所信表明演説を行った=写真は衆議院本会議。幼児教育を基本的に無料にするなどの少子化対策と、核兵器などの開発で問題になっている北朝鮮対応などを強調した。
 内容は10月の衆議院議員選挙で訴えたポイントにしぼり、文字数は約3500字と、この30年で2番目に少ない演説になった。恒例となっている、偉人の名言などのエピソードも紹介しなかった。

所信表明演説
 首相が国の政治の方針を訴える演説。新しく首相が選出されたり、臨時国会や特別国会が召集されたりしたときに行う。

安倍晋三首相の写真
(C)朝日新聞社

17日 経済界、子ども財源に3千億円

首相の要請受け入れ

 待機児童対策や幼児教育の無償化などを盛り込んだ年2兆円規模の政府の政策パッケージをめぐり、日本経済団体連合会(経団連)、経済同友会、日本商工会議所の3団体は、安倍晋三首相から要請を受けていた約3千億円のきょしゅつについて、受け入れる方針を表明した。
 首相は、少子化対策には社会全体で取り組むべきだとして、企業側の負担増への理解を求めていた。
 社会保険料のうち、企業だけが負担する「事業主拠出金」を増やす方針だ。

17日 大卒内定率、最高水準75.2%

2年連続で改善

 来春に卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日現在で75.2%だったことがわかった。厚生労働省と文部科学省が発表した。
 前年同期を4.0ポイント上回った。2年連続で改善し、調査を始めた1996年度以降で最高水準となった。厚労省は「企業の人手不足感が強まり、採用活動が前年より早まった影響が出た」と分析している。

17日 葛飾柴又を重要文化的景観に

文化審議会が意見

 文化庁の文化審議会は、東京都かつしか区の「葛飾しばまたの文化的景観」=写真はたいしゃくてんだいきょう=を国の重要文化的景観に選定するよう文部科学大臣に意見を述べた。重要文化的景観は、風土によってできた景観地などが選ばれ、今回は葛飾柴又を含む3件について新たに意見が出た。

帝釈天題経寺の写真
(C)朝日新聞社

17日 業務と部活両立に「限界」

中学教員5割 スポーツ庁調査

 公立中学の運動部活動の顧問教員で、学校の業務と部活の両立に限界を感じている人は5割近いことがわかった。スポーツ庁が今年7月、全国からちゅうしゅつした公私立の中学と高校800校あまりの教員や生徒、保護者らに調査した。
 自らの指導力不足や心身の疲労を訴える教員も5割前後いた。一方、「部活の時間・日数が長い」と答えた運動部の生徒と保護者は1~2割にとどまり、教員との意識の差が浮かび上がった。

運動部の顧問の教員が抱える悩みを挙げた棒グラフ
(C)朝日新聞社

17日 「日本治安いい」過去最高8割

内閣府調査 ネット犯罪への不安増

 内閣府が、治安に関する世論調査の結果を発表した。「日本は治安がいい」と思う人は8割を超え、2004年の調査開始以降で最多となった。警察庁の担当者は「16年の刑法犯認知件数が戦後初めて100万件を下回った。こうした状況が治安意識にも表れた」と分析している。
 調査は4回目で、対象は全国の18歳以上の男女3千人。「自分や身近な人が犯罪にあうかもしれないと不安になる場所」を複数回答で尋ねると「インターネット空間」が61.1%で、前回12年の調査から19.2ポイントの大幅増。「繁華街」(54.3%)や「路上」(47.6%)を初めて上回った。

18日 ジンバブエ、大統領退陣へ大集会

ムガベ氏辞任、長期政権に終止符

 アフリカ南部ジンバブエの首都ハラレで、ムガベ大統領(93)の退陣を求める集会が開かれ、数万人が参加した=写真。国軍の武装兵士が15日に国営放送局をせんきょするなどして政権中枢をしょうあくし、ムガベ氏を自宅に軟禁していた。背景には、高齢のムガベ氏の後継者争いがあるとみられる。
 21日、ムガベ氏が大統領を辞任した。事実上のクーデターを起こした軍幹部や与党に退任を迫られ、1980年に英国からの独立を導いた「英雄」の37年にわたる長期支配が終わった。

ムガベ大統領の退陣を求める集会の写真
(C)朝日新聞社

 アフリカ大陸とジンバブエの地図

18日 温暖化に「タラノア対話」試行へ

COP23閉幕

 ドイツ・ボンで開かれていた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COPコップ23)が閉幕した。「パリ協定」の運用ルールを来年12月のCOP24(ポーランド)で採択することを受け、ルール作りの話し合いを急ぐことで一致。温暖化対策の強化をめざす「タラノア対話」を来年試行し、温室効果ガスの削減状況や目標のために必要な行動などの情報を共有することも決まった。
 一方、米国の脱退宣言の影響で、資金支援をめぐって先進国と途上国の対立があった。今後の交渉も難航しそうだ。

パリ協定
 京都議定書に代わる、2020年からの新しい地球温暖化対策の国際ルール。15年12月に採択、16年11月に発効した。産業革命前からの気温上昇を2度より十分低く抑えることが目標。今年6月、米国が離脱を表明した。

19日 侍ジャパン、全勝で初代王者に

プロ野球アジアチャンピオンシップ

 新しくできた野球の国際大会「ENEOSエネオス アジア プロ野球チャンピオンシップ」の決勝戦が東京ドームであり、日本代表「侍ジャパン」が韓国を7―0で破って優勝した=写真。いなあつのり監督(45)が初めて日本代表の指揮をとり、3戦全勝だった。
 大会の最優秀選手(MVP)には、決勝で先制打を放つなどの活躍をした日本のとのさきしゅう選手(西武)が選ばれた。

稲葉篤紀監督を胴上げする侍ジャパンの写真
(C)朝日新聞社

20日 北朝鮮を「テロ支援国家」再指定

米、「最大限の圧力」かける

 米国のトランプ大統領は、北朝鮮を9年ぶりに「テロ支援国家」に再指定すると発表した。北朝鮮への経済援助や、国際金融機関による融資などの取引が幅広く制限される。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する「最大限の圧力」をかける政策の一環で、北朝鮮を孤立させることがねらい。
 今年2月にマレーシアでキムジョンウン・朝鮮労働党委員長の兄、キムジョンナム氏が殺害された事件で、猛毒の神経剤が使われたことなどを「テロ行為」と認定したとみられる。

20日 量子コンピューター、試作機公開

国内研究チーム

 国立情報学研究所やNTTなどの研究チームはスーパーコンピューターを超える高速計算ができる国産の「量子コンピューター」の試作機を公開した=写真。27日から専用サイトで申請すれば、研究機関などが無償で利用できる。
 試作機は、わずかな温度変化でも計算結果に影響するため、高さ1.8メートルある専用の箱に入れ、温度が厳密に保たれている。

量子コンピューター
 圧倒的な性能をもつことが期待される次世代コンピューター。極小の物質の世界の現象を応用し、計算の効率を高める。理論上は1千年かかる計算も一瞬で済むとされ、人工知能や新薬の開発などに役立つことが期待されている。

国産の量子コンピューターの試作機の写真
(C)朝日新聞社

21日 「協力して解決」、日本2位

52の国と地域、15歳対象

 経済協力開発機構(OECD)は3年ごとに行っている国際的な学習到達度調査(PISAピザ)で、2015年に初めてコンピューターを使って調べた「協同問題解決能力」分野の結果を公表した。
 対象は15歳で、52の国と地域の約12万5千人が受けた。日本からは高校1年生など約2千人が参加。日本の成績は、シンガポールに次いで2位だった(OECD加盟の32カ国では1位)。文部科学省の担当者は「問題解決を目的とした学習を続けている効果が出ているのでは」と話した。
 「協同問題解決能力」とは、複数人が知恵を出し合うなどして、協力して問題解決しようとする力。調査ではパソコンを操作し、架空の生徒と一緒に、与えられた課題について相談しながら取り組む問題が出題された。

PISA「協同問題解決能力調査」の問題例のイラスト
(C)朝日新聞社

22日 皇室会議、来月1日開催

2019年5月1日即位案も検討

 すがよしひで官房長官は、首相ら三権の長、皇族らでつくる「皇室会議」を12月1日に開き、天皇陛下の退位日について意見を聴くと発表した。政府は、天皇陛下が2019年3月31日に退位し、皇太子さまが翌4月1日に即位・改元する案で最終調整していた。しかし、統一地方選挙があることなどから、4月30日退位、5月1日即位・改元案も検討している。

22日 森友ごみ「最大7割減」

会計検査院の独自試算で

 国が学校法人「もりとも学園」(大阪市)に国有地を売った経緯を調べた会計検査院は、調査内容を国会に報告した。地中のごみの量について、国が用いたデータは根拠が不十分とし、独自に試算した結果、最大で約7割減ることを指摘した。ごみの量は8億2千万円の値引きの根拠となっており、売却価格のつけ方に問題がなかったか、改めて問われることになった。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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