朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

11月9日―11月15日

2017年11月19日付

9日 「出国税」は千円以内で

通称は「観光促進税」に

 観光庁の有識者会議は、日本から外国に行く人に課す新しい税「出国税」について、日本人・外国人を問わず、1人1千円以内を集めるのが適当との提言をまとめた。実現すれば1992年の地価税以来の新しい国税となる。訪日客を2020年に4千万人、30年に6千万人に増やす目標を掲げる政府は、達成には新たな財源が必要と主張している。
 出国税の通称は「観光促進税」とする方針。2019年1月か同年4月の導入を検討している。

出国税のイメージイラスト
(C)朝日新聞社

9日 米中首脳会談 経済協力28兆円

北朝鮮への姿勢には違い

 10日間にわたる初のアジア歴訪で、米国のトランプ大統領=写真=が中国のシーチンピン国家主席とキンで会談した。共同記者会見でトランプ大統領は北朝鮮に対し「経済的な圧力を強めていくことで一致した」と語った。ただ、習国家主席は対話を重視するといい、立場の違いが目立った。
 一方の中国側は、米国の航空機メーカー・ボーイングから300機を370億ドル(約4兆2千億円)で買うなど、米国と中国の企業が結んだ総額約2500億ドル(約28兆円)の契約で、経済的な協力を強調した。

トランプ大統領の写真
(C)朝日新聞社

11日 大谷選手、メジャーでも二刀流

記者会見で意欲

 プロ野球・日本ハムのおおたにしょうへい選手(23)=写真=が会見し、「来年以降はアメリカでがんばりたい」と大リーグ挑戦を表明した。「いろんな人に支えられて、この5年間、一日一日大切に前に進んできた」と感謝も語った。
 日ハム球団は10日、移籍を認めた。大谷選手は岩手・はなまきひがし高校時代から投打で活躍。会見で「継続してきたものを伸ばしたい」と、引き続き「二刀流」に挑む意欲を見せた。

大谷翔平選手の写真
(C)朝日新聞社

11日 米国抜きのTPP11「大筋合意」

20項目の効力を保留

 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する11カ国が、ベトナム・ダナンで開かれた閣僚の話し合いで大筋で合意した内容を発表した。米国はTPPの交渉から抜けている。米国の離脱前の協定のうち、関税のてっぱいや削減のルールは変えない一方、著作権の保護期間など知的財産分野を中心に、20項目の効力を保留することを決めた。しかし、これにカナダが反対するなど、11カ国の足並みがそろうか心配される。
 来年の早い時期に11カ国が署名し、6カ国が国の最終的な同意であるじゅんをすると、その60日後に発効する。

環太平洋経済連携協定(TPP)
 太平洋を囲む国々が輸入品の関税をなくしたり、人やお金の行き来をしやすくしたりして、自由な経済圏を作る取り組み。米国が今年1月に離脱を表明。現在は、米国以外の11カ国で協定の早期発効をめざしている。

11日 日中首脳会談 関係改善で一致

北朝鮮への強い連携確認

 しんぞう首相は、訪問先のベトナム・ダナンで中国の習近平国家主席と会談した=写真左から安倍首相、習国家主席。両国の関係を改善していくことで一致し、習国家主席は「日中関係の新たなスタートになる会談だ」と述べた。
 ミサイル発射などを繰り返す北朝鮮をめぐり、国連安全保障理事会の制裁決議を完全に行うことなどに向けた強い連携も確認。東京での日中韓首脳会談を早期に開くことをめざす点で合意した。

安倍晋三首相と習近平国家主席の写真
(C)朝日新聞社

12日 イラン・イラクでM7.3の地震

死者440人、負傷者8千人以上

 イランとイラクの国境地帯で強い地震があった。米地質調査所によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.3。イラン西部やイラク北東部で建物の倒壊などによる死傷者が出ており、15日朝までに、両国の死者数は少なくとも440人、負傷者は8千人以上に上った=写真は13日、イラン西部。
 イラン政府は救助活動の終了を発表し、復興へのシフトを強めているが、今もがれきの下敷きになっている人がいる可能性があり、死傷者は増える恐れもある。

建物が崩壊したイラン西部の写真
(C)朝日新聞社

12日 小平選手、W杯1000mで初V

スピードスケート

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)第1戦最終日がオランダであり、女子1000メートルでだいら選手(31)=写真中央=が優勝した。2位にはたか選手(23)=同左=が入った。小平選手はこの種目でW杯初勝利だ。
 日本は今大会、女子団体追い抜きで世界新記録で優勝するなど好成績を残した。

ベスト3に入った女子選手の写真。中央が小平奈緒選手、左が高木美帆選手
(C)朝日新聞社

13日 地球史に「チバニアン」誕生か

千葉・市原市の地層 国際標準候補に

 千葉県いちはら市の地層(千葉セクション)が、地質年代の境界を代表する「国際標準模式地」の候補に残り、約77万~12万6千年前の時代が「チバニアン(千葉時代)」と呼ばれる可能性が出てきた。地球の磁極が逆転した跡が確認できる点が「国際地質科学連合」の下部組織で評価された。
 地質学では、岩石ができた年代や生物化石の変化などに応じ、地球の歴史を115の時代に分けている。時代区分の境界を標準化するため、国際地質科学連合は世界で1カ所の地層を模式地と認定してきた。大半は欧州の地層で、これまで国内にはなかった。

千葉セクションの位置を示した、千葉県の地図
(C)朝日新聞社

13日 イタリア、60年ぶり予選敗退

サッカーW杯

 サッカーの2018年W杯ロシア大会のヨーロッパ予選プレーオフは、イタリアのミラノで第2戦があり、イタリアはスウェーデンと0―0で引き分けた。この結果、イタリアは2戦合計で0―1となり、1958年スウェーデン大会以来、60年ぶりの予選敗退が決まった。
 イタリアは過去4度のW杯優勝を誇る。イタリア1部(セリエアー)はかつて世界最高峰のリーグといわれたが、人気、実力とも落ち込んでいる。

13日 プロ野球にチャレンジ制度

名称は「リクエスト」

 プロ野球で来季から、審判の判定について異議がある場合に、監督がリプレー検証を要求できる制度が導入されることになった。プロ野球をとうかつする日本野球機構(NPB)が、12球団による実行委員会を開き、決定した。
 大リーグで2014年から導入された「チャレンジ制度」の日本版で、日本での名称は「リクエスト」と決まった。

「リクエスト」制度を説明した表
(C)朝日新聞社

14日 Jアラート、全国一斉訓練

消防庁

 総務省消防庁は、全国瞬時警報システム(Jアラート)の一斉訓練を行った。対象は47都道府県と、全1741の市区町村。警報を受信後、各地の防災行政無線や事前に登録した住民のメールに情報が届くか、確認した。
 広島県よし市や徳島市では、スピーカーから音声が流れないなどのトラブルがあった。

全国瞬時警報システム(Jアラート)
 ミサイル発射や津波、地震などの緊急情報を政府が発すると、人工衛星や地上回線を通じて市町村の防災行政無線を自動的に起動し、屋外スピーカーやメールで住民に知らせるシステム。

Jアラートの仕組みを説明したイラスト
(C)朝日新聞社

14日 小池氏、希望の党代表を辞任

新代表には玉木氏

 希望の党のいけ代表(東京都知事)=写真=は、両院議員総会で「代表の座を降り、しかるべき形で、皆さんをサポートしたい」と述べ、党代表を辞任した。新代表にはたまゆういちろう・共同代表が就いた。小池氏は、都知事の仕事に専念する考えだ。
 小池氏は「日本をリセットする」と希望の党をつくり、10月の衆議院議員選挙に臨んだ。しかし、議席を57から50に減らす結果に終わった。

小池百合子さんの写真
(C)朝日新聞社

14日 「加計学園」の獣医学部を認可

文科省 52年ぶりの新設

 学校法人「学園」(岡山市)が運営する岡山理科大学が獣医学部を新たにつくることについて、はやしよしまさ文部科学大臣は新設を認めたと発表した。愛媛県いまばり市で来年4月に開学する。獣医学部の新設は52年ぶり。獣医学科の定員は140人で、全国の大学で最大規模となる。
 加計学園の理事長は安倍晋三首相の友人。今回の学部新設では「加計学園が優遇されたのでは」との疑いや、政府の説明の不十分さが指摘されている。

14日 横綱・日馬富士が力士に暴行

県警に被害届

 大相撲の東横綱・はる(33)=写真=が、九州場所前の秋巡業中に鳥取市内で東まえがしら8枚目のたかいわ(27)をなぐったとして謝罪し、休場した。日本相撲協会は危機管理委員会で調査し、処分などを決める。貴ノ岩側は10月末に鳥取県警に被害届を出し、受理されているという。
 貴ノ岩は頭の骨を折るなどした。横綱は力士の模範とされ、専門家から「事実なら引退に値する」との声も上がっている。

日馬富士の写真
(C)朝日新聞社

15日 横田めぐみさん、拉致から40年

両親が会見

 13歳だったよこめぐみさんが北朝鮮にされてから40年となり、両親のしげるさん(85)=写真右=とさん(81)=同左=が神奈川県かわさき市内で会見した。
 2人とも高齢になり、滋さんは最近は体調がすぐれず、姿を見せていなかった。早紀江さんは「『めぐみちゃんだ』とわかる間に、1時間でもいいから会いたい」と思いを語った。

横田滋さんと早紀江さんの写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る