朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

9月21日―9月27日

2017年10月1日付

21日 児童虐待通告 3万人超す

心理的虐待が7割

 虐待を受けているとして、全国の警察が今年上半期(1~6月)、児童相談所に通告した18歳未満の子どもは3万262人だった。半期ごとの統計を取り始めた2011年以降6年連続の増加で、年間で過去最多となった昨年の上半期を5751人(23.5%)上回った。警察庁がこの日、発表した。
 社会の関心の高まりが通告が増えた要因とみられる。暴言を浴びせるなど子どもの心を傷つける「心理的虐待」が全体の約7割を占める。このうち、子どもの前で配偶者らを暴行したりとうしたりといった「面前DV」が6割強の1万3859人に上った。

 警察が児童相談所に通告した子どもの人数を表した棒グラフ
(C)朝日新聞社

21日 対北朝鮮 経済封鎖を強化

トランプ米大統領

 米国のトランプ大統領は、北朝鮮と取引する企業への制裁を科す大統領令に署名したと発表した。金融やエネルギーから鉱業、繊維製品まで幅広い分野が対象となり、北朝鮮の経済封鎖を目指す厳しい内容。核・ミサイル開発の資金源を断つねらいがある。
 北朝鮮側との取引が認定されれば、対象となった団体や個人の米国内の資産が凍結されることになる。トランプ氏は「北朝鮮の通商と金融が大きく制限されることになる」と意義を強調した。

22日 故郷喪失の慰謝料広く認定

東電に3.7億円命令 千葉地裁

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で福島県から千葉県内に避難した18世帯45人が、国と東電に計約28億円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が千葉地方裁判所であった。従来の国の賠償指針より広く「事故でふるさとが失われたことに対する慰謝料」を東電に対し認め、42人に計約3億7600万円を支払うよう命じた。
 国については「対策をとっても事故は防げなかった」などとして責任を否定した。原告側は控訴する方針。
 東電は国の指針に基づき、放射線量が高い「帰還困難区域」などからの避難者に限り、1人700万円の「故郷そうしつ慰謝料」を払っている。今回の訴訟は同区域以外からの避難者も「ふるさと喪失慰謝料」として、1人当たり2千万円を請求し注目された。

帰還困難区域
 2011年3月の東京電力福島第一原発の事故により、年間に換算した放射線量が11年度末で50ミリシーベルトを超えていた区域。政府が立ち入りを原則禁止している。

現在の国の指針と「故郷喪失慰謝料」の対象地域を色分けした福島県の地図
(C)朝日新聞社

22日 電通社長、違法残業認める

会社トップの出廷は異例

 違法残業があったのに必要な防止措置を取らなかったとして、労働基準法違反の罪に問われた広告大手・電通(東京)に対する初公判が東京簡易裁判所で開かれた。やまもととしひろ社長が出廷し、起訴内容を認めた。検察側は「自社の利益を優先させ、小手先の対応に終始した」と指摘し、罰金50万円を求刑した。判決は10月6日に言い渡される。
 大企業が長時間残業について刑事責任を追及され、トップが法廷に立つのは異例。

22日 早実・清宮選手、プロの道へ

ドラフトへ阪神が指名明言

 高校野球で歴代最多とされる通算111本塁打を記録した東京・早稲田実業高のきよみやこうろう選手(18)=写真=が、プロ野球志望届を提出することを明らかにした。「プロで活躍するのが子どもの頃からの夢。より高いレベルに身を置いて努力していきたい」と語った。
 10月26日のドラフト会議に向けて、阪神が早くも1位指名を明言するなど、複数球団が競合することが予想される。

清宮幸太郎選手の写真
(C)朝日新聞社

22日 羽生選手、SPで世界最高得点

フィギュア オータム・クラシック

 カナダ・モントリオールで行われたフィギュアスケートのオータム・クラシックで男子ショートプログラム(SP)があり、今季初戦に臨んだ羽生はにゅうづる選手=写真=が自身の世界歴代最高得点を更新する112.72点を出した。
 迎えた翌日のフリーではジャンプのミスが相次ぎ5位。合計268.24点で総合2位だった。

羽生結弦選手の写真
(C)朝日新聞社

24日 メルケル首相4選確実

ドイツ総選挙

 ドイツ連邦議会の総選挙(定数598、任期4年)は、メルケル首相=写真=率いるキリスト教民主・社会同盟が第1党を維持した。メルケル氏の首相4選は確実な情勢だが、連立を組む社会民主党とともに得票率を大幅に減らし、2大政党による現在の大連立は解消される公算が大きくなった。
 一方、「反難民」「反イスラム」を公言する新興右翼政党「ドイツのための選択肢」が12.6%を得て、議席獲得に必要な最低得票率(5%)を突破。初めて議席を獲得するとともに、第3党に躍り出た。

メルケル首相の写真
(C)朝日新聞社

24日 「水俣病終わってない」患者訴え

水俣条約 第1回締約国会議

 国際的な水銀規制のルールを定めた「水俣条約」の第1回ていやく国会議(COP1)がスイス・ジュネーブで始まった(9月29日まで)。各国の政府代表者らが、実効性のある水銀規制や環境汚染、健康被害防止のあり方を話し合った。総会では胎児性水俣病患者のさかもとしのぶさん(61)が「水俣病は終わっていません。女性と子どもを水銀汚染から守って」と訴えた=写真(手前左から2人目)。

水俣条約
 自然界で分解されず、人への毒性が強い水銀について、新たな鉱山の開発禁止や廃棄物の適正管理などを定めた条約。2013年に熊本県であった国際会議で採択され、今年8月に発効した。9月24日現在、日本や欧米、アフリカ諸国など81の国・地域が締結している。

COP1での水俣病患者らの写真
(C)朝日新聞社

24日 山県選手が10秒00で優勝

陸上100メートル、日本歴代2位タイ

 大阪市で行われた陸上・全日本実業団対抗選手権の男子100メートル決勝で、やまがたりょう選手=写真=が、自己ベストで日本歴代2位タイの10秒00(追い風0.2メートル)の大会新記録で優勝した。男子100メートルでは、桐生きりゅうよしひで選手が9月9日に日本選手初の9秒台となる9秒98の日本新記録を樹立している。

山県亮太選手の写真
(C)朝日新聞社

25日 小池都知事「希望の党」立ち上げ

衆院選、候補者擁立へ

 いけ・東京都知事=写真=は、新党「希望の党」を設立し、知事を続けたまま代表に就く考えを示した。次の衆議院議員選挙では全国に候補者を立てる方針。新党を設立した理由について「(改革の)スピード感を確保するには国政への関与が必要」と話し、都政で進める改革を拡大するためと主張。一方で「都知事なので都政をしっかりやる」とも話した。
 自民党や民進党などの議員が次々に離党し、希望の党に加わることを表明。民進党も衆院選で党として公認を出さず、希望の党の公認で戦う方針を明らかにした。日本維新の会も東京と大阪の選挙区で、希望の党と候補者の調整を進める方向で検討している。

「希望の党」と書かれたボードを掲げる小池百合子都知事の写真
今井尚撮影

25日 上野パンダの赤ちゃんは「シャンシャン

都知事「花開くような」

 上野動物園(東京都台東区)で6月に生まれたジャイアントパンダのめすの赤ちゃんの名前が「シャンシャン(香香)」に決まった。応募総数32万2581通の中から、外部も交えた選考委員会が8点にしぼり込み、小池百合子知事が最終決定した。
 小池知事は「呼びやすく、花が開くような明るいイメージ」と話した。「香」は中国で「人気がある」との意味もあるという。

25日 クルド独立問う住民投票

賛成多数で勝利宣言

 「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人を主体とするイラク北部の自治政府、クルディスタン地域政府(KRG)で、イラクからの独立の賛否を問う住民投票が行われた=写真はKRGの旗を振る人々。KRGのバルザニ大統領は翌26日、賛成票が多数を占めたとして「勝利」を宣言した。
 投票を違憲としてきたイラク政府は、KRG域内での国際便の発着を禁止すると警告するなど、対立が先鋭化している。

KRGの旗を振る人々の写真
(C)朝日新聞社

25日 安倍首相が衆院解散を表明

28日の臨時国会で

 しんぞう首相は、9月28日召集の臨時国会の冒頭で衆議院を解散すると表明した。消費税率を10%に引き上げる際の増税分の使い道を変更し、2兆円規模の政策財源に充てる決断について「国民に信を問う」とした。
 28日、衆議院が解散された。安倍内閣は臨時閣議を開き、衆議院議員選挙を10月10日公示、22日投開票の日程で行うことを閣議決定した。

26日 サウジ、女性の車運転解禁へ

唯一の禁止国

 サウジアラビアのサルマン国王は、女性による車の運転を来年6月に解禁するちょくれいを発表した。サウジは保守的なイスラム教国で、世界で唯一、女性の運転が認められていない。女性の社会進出を求めてきたサウジの団体は「画期的な決定だ」と歓迎している。
 サウジで女性は父親や兄弟など男性後見人の許可がなければ外出や就業・就学などができない。女性が車で通勤したり、子どもの送り迎えをしたりすることもできず、女性の権利拡大を求める団体からは、この政策が国の経済成長をがいしているとの指摘が出ていた。

27日 昨年7月の参院選は「合憲」

合区後の一票の格差 最高裁

 選挙区ごとの有権者数の違いから票の重みに差が出る「一票の格差」が最大3.08倍だった昨年7月の参議院議員選挙について、最高裁判所は「合憲」と判断した。鳥取と島根、徳島と高知の選挙区を統合する「ごう」などによって格差を縮めたことを評価し、選挙は無効との訴えを退ける判決を言い渡した。
 最高裁は2010年と13年の参院選で連続して、憲法に反する状態だが選挙は無効にしない「違憲状態」と判断した。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る