朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月6日(木)―7月12日(水)

2017年7月16日付

6日 日欧EPA、大枠合意

パスタなど関税引き下げ

 しんぞう首相は、ベルギー・ブリュッセルで欧州連合(EU)の首脳と会談し、日本とEUの経済連携協定(EPA)の大枠合意を宣言した。双方の経済規模を合わせると世界の約3割を占める巨大な自由貿易圏が生まれる。2019年初めの発効をめざす。
 発効すれば、輸入品では、現在15%の関税がかかるワインはすぐに、パスタやチーズなどは段階的に安くなる。逆に国内の生産者にとっては痛手となる。

経済連携協定(EPA)
 特定の国や地域の間で、関税を引き下げるなどして経済の結びつきを強める協定。貿易の自由化に加え、投資や人の移動、知的財産の保護におけるルール作りなど、様々な分野での協力の要素を含む。 

関税が下がる主な品目の表
(C)朝日新聞社

7日 「シャトル外交」再開で合意

初の日韓首脳会談

 安倍晋三首相=写真左=と韓国の文在寅ムンジェイン大統領=同右=は、ドイツ・ハンブルクで初の首脳会談をした。両国で考えが異なる慰安婦の問題については、激しい主張を抑え、未来を見すえた関係を築くことを確認。両首脳が定期的に訪問し合う「シャトル外交」の再開で合意した。
 慰安婦の問題では2015年末に解決に向けて合意したものの、16年末に韓国・釜山プサンの日本総領事館前に市民団体などが慰安婦を象徴する像を設置したことで、両国の関係が悪化していた。

安倍晋三首相と文在寅大統領が握手をしている写真
(C)朝日新聞社

7日 核兵器禁止条約を採択

日本は不参加 国連交渉会議

 核兵器の使用や保有などを法的に禁じる核兵器禁止条約が、米ニューヨークの国連本部で開かれた条約交渉会議で採択された。国連加盟193カ国中124カ国が出席し、122カ国が賛成。米国の「核の傘」の下にあり、安全が保障されている日本は、米国など五つの核保有国などとともに参加を取りやめた。
 条約は核兵器の使用、開発、実験、保有、移転など幅広く禁止。しかし、じゅん(最終的な確認・同意の手続き)しない国には効力がない。前文は「ヒバクシャにもたらされた苦痛」を心にとめるとうたった。

「核兵器禁止条約」への各国の対応の表
(C)朝日新聞社

7日 公立小中、耐震性不足1399棟

文科省調査

 全国の公立小中学校の建物(約11万6千棟)のうち、4月1日現在で98.8%が耐震化されている一方、1399棟は耐震性が足りないことがわかった。文部科学省が発表した。文科省は、耐震化を終えていない学校を抱える自治体に、対策を急ぐよう呼びかけている。
 耐震化率は前年より0.7ポイント上がった。都道府県別で耐震化率が低いのは、沖縄県(90.0%)、福島県(94.1%)、富山県(94.3%)など。学校の統廃合の調整に時間がかかることなどが遅れの理由とみられる。

8日 米国以外「パリ協定」で結束

G20 首脳宣言を採択

 ドイツ北部ハンブルクで主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が、首脳宣言を採択して閉幕した。米国以外の19カ国が結束して地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に取り組むことが明記された。貿易問題では、自国の産業を守るため貿易を制限する「保護主義」に反対する文言が明記されたが、昨年の首脳宣言と比べると表現は弱められた。

G20
 世界の主要20カ国・地域のこと。日本、米国、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの主要7カ国(G7)に、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカ、韓国、オーストラリア、メキシコ、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチン、欧州連合(EU)が入る。

9日 沖ノ島が世界文化遺産に

ユネスコ、8資産を一括登録

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会がポーランドで開かれ、福岡県の「『神宿る島』むなかたおきしまと関連遺産群」を世界文化遺産に登録することを決めた。
 ユネスコのもん機関のイコモスは5月に、構成8資産のうち沖ノ島とそのがんしょう以外の4資産を「除外」するよう勧告した。しかし、世界遺産委員会はいっかつ登録を認めた。各国から「すべての要素が互いに機能し、価値がある」など一括登録を支持する発言が相次いだ。
 日本国内の文化遺産は17件、自然遺産と合わせた世界遺産は21件になる。

世界遺産に登録が決まった8資産の図
(C)朝日新聞社

9日 安倍内閣の支持率、最低33%

首相、8月に内閣改造の考え

 朝日新聞社が電話で行った全国世論調査(8、9日)で、安倍晋三内閣の支持率が33%となった。前回調査(1、2日)の38%から1週間でさらに下がり、2012年12月に第2次安倍内閣が発足してから最も低くなった。不支持率は47%(前回42%)。他のメディアなどの調査でも支持率は下がっている。
 安倍首相は9日、訪問先のスウェーデンで「政策を前に進めることで信頼を回復したい」と語った。8月早々に内閣改造をする考えだ。

安倍内閣の支持率の推移を表した折れ線グラフ
(C)朝日新聞社

9日 イラク首相、モスル解放宣言

IS最大の拠点を奪還

 イラクのアバディ首相は、過激派組織「イスラム国」(IS)が最大拠点としてきた北部の都市モスルに入り、自身のツイッターで、事実上のモスル解放を宣言した。モスルだっかんはISには大きな打撃となるが、戦闘員などによるテロが世界各地にさらに広がる心配がある。

モスル解放宣言を受けて喜ぶ人々の写真
モスル解放宣言を受けて喜ぶ人々=9日、イラク北部モスル
(C)朝日新聞社

10日 「加計学園」問題、閉会中審査

参考人として前川氏出席

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「学園」(岡山県)の獣医学部新設問題について審議する閉会中審査が開かれた。参考人として出席したまえかわへい・前文部科学事務次官=写真中央=は「初めから加計学園に決まるように進められた」などと指摘した。

閉会中審査
 国会が開かれていない間に、衆議院と参議院の委員会で行われる質疑などのこと。国会で継続審議となった法案の審査のほか、それぞれの委員会が担当する分野で政府の考えを聞く必要がある場合などに開かれる。

参考人として出席した前川喜平・前文部科学事務次官の写真
(C)朝日新聞社

10日 英語は24年度から民間のみに

センター試験後継テスト

 大学入試センター試験に代わり、2020年度から始まる「大学入学共通テスト」の実施方針がまとまった。文部科学省が有識者会議に示し、了承された。国語や数学で記述式問題を取り入れるなど、大学入試制度では約30年ぶりの大改革となる。
 英語はコミュニケーション能力を重視し、民間の試験を使って「読む・聞く・話す・書く」の4技能を評価する一方、大学入試センターが作る試験も23年度まで残す。24年度から民間試験のみになる。どの団体の試験を認めるかは、今年度中にも決定する。

大学入学共通テストの導入予定の図
(C)朝日新聞社

11日 「共謀罪」法が施行

「組織的犯罪集団」が対象

 犯罪の計画段階で処罰する「きょうぼうざい」の考え方を含む改正組織犯罪処罰法が、こうされた。これまでは、犯罪を実行に移した段階で罪に問うことを原則としてきたが、今後は277種類の犯罪について、「組織的犯罪集団」が計画し、資金を集めるなどの準備を始めた段階で、取り締まりの対象になる。
 国会では野党から「捜査当局の解釈によっては一般市民が対象になりかねない」「国民の監視が強まる」などの批判があった。

「共謀罪」法が施行され、抗議の声を上げる人々の写真
「共謀罪」法が施行され、抗議の声を上げる人たち=11日、東京・永田町
(C)朝日新聞社

11日 2024年はパリ、28年ロスが有力

夏の五輪開催地 IOC

 国際オリンピック委員会(IOC)は、2024年夏季五輪に立候補しているパリ(フランス)、ロサンゼルス(米国)の2都市から、28年五輪の開催地も同時に選ぶ案を承認した。2大会の開催都市の同時決定は96年ぶりで、極めて異例。2都市の同意を経て、9月13日にペルーの首都リマで開かれる総会で開催順を決定する。24年パリ、28年ロサンゼルスが有力視されている。
 五輪開催は多額の財政負担などを理由に立候補する都市が減少。24年大会では、住民の反対などを受けて、2都市しか残っていなかった。

12日 電通の違法残業、正式裁判へ

東京簡裁 「略式不相当」

 大手広告会社のでんつう(本社・東京都港区)が社員に上限を超えて残業をさせていた事件で、東京簡易裁判所は、正式な刑事裁判を開くことを決めた。東京地方検察庁が電通を労働基準法違反の罪で略式起訴(書面だけの手続き)していたが、この処分を「不相当」と判断した。
 長時間労働に対する社会の批判が強まるなか、大阪簡裁が今年3月、違法残業事件について同じように「略式不相当」として正式な裁判を開くことを決めるなど、最近は検察に厳しい判断が続いている。

12日 「パンダカラー」がはっきりと

生まれて1カ月 上野動物園

 東京・上野動物園のジャイアントパンダにめすの赤ちゃんが生まれて、1カ月が経った。園で生後1カ月を超えたのは1988年に生まれたユウユウ以来、29年ぶり。
 生まれたときに約150グラムだった体重は1キロを超え、白と黒の「パンダカラー」がはっきりとしてきた。24時間態勢で見守ってきた職員たちも胸をなで下ろしている。園は28日から名前の公募を始める予定。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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