朝日中高生新聞
  • 日曜日発行/20~24ページ
  • 月ぎめ967(税込み)

まとめてわかる!ニュース1週間

6月29日ー7月5日

2017年7月9日付

29日 イラク軍、ISからモスク奪還

「国家樹立」から3年

 イラクのアバディ首相は北部モスルの旧市街地で抵抗を続ける過激派組織「イスラム国」(IS)について、「偽りの国家は終わった」とする声明を発表した。イラク軍がIS支配の象徴だったヌーリ・モスク(イスラム教の礼拝所)を奪還したのを受けて出した。
 2014年6月29日にISが同地で「国家樹立」を宣言してからちょうど3年の節目。旧市街では依然として戦闘が続いており、中心部ではISが住民を「人間の盾」にして抗戦している。なおも1万5千~2万人の市民が捕らわれているとみられる。

イラク周辺の地図

30日 加藤九段、引退会見

棋士人生振り返り「すっきり」

 6月20日の対局をもって約63年間の現役棋士生活を終えた、将棋のとう九段(77)=写真=が東京都渋谷区の将棋会館で記者会見をした。長い棋士人生を振り返り、「大変すっきりした気持ち。今まで通り、やる気を失わず元気よく歩んでいきたい」と話した。
 1954年に14歳7カ月でプロ入り。昨年12月に中学生棋士のふじそう四段のデビュー戦で対戦した。「素晴らしい後継者を得た」と話した。

加藤一二三九段の写真

30日 心の病で労災、最多498人

原因別ではパワハラ

 過労などが原因で「心の病」をわずらい、労災認定された人が2016年度は498人となり、2年ぶりに過去最多を更新した。厚生労働省が公表した。うつ病などを発症して労災を請求した人は1586人で、4年連続で過去最多を更新。原因別では職場でのパワハラを含む「嫌がらせ、いじめ、暴行」が74件と最多だった。年代別では20代の増加が目立つ。

労働災害(労災)
 業務上や通勤途中の労働者がこうむった負傷、しっぺい、死亡などの災害。労災と認められれば保険が適用され、本人およびその家族の生活を安定させるための補償がされる。

「心の病」「体の病」による労災の数のグラフ
(C)朝日新聞社

30日 ヒアリ 名古屋、大阪、東京でも

国内定着の可能性

 環境省や愛知県などは、名古屋港のふ頭(同県とみ市)のコンテナターミナルで強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が見つかったと発表した。中国・広州市の港から運ばれたコンテナの上にいたという。
 大阪南港では、女王アリの死がいを確認。国内で定着する可能性が高まったとの見方もある。東京港の大井とうでもヒアリが見つかった。

30日 東電元会長ら無罪主張

福島第一原発事故、初公判

 東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された元会長のかつまたつねひさ被告(77)=写真=ら元幹部3人の初公判が東京地方裁判所で始まった。3人は罪状認否の冒頭でいずれも謝罪した上で、「事故は予見できなかった」と無罪を主張した。
 最大で約16万人が避難した原子力事故で刑事責任を問われるのは、3人が初めて。裁判では①東電が2008年3月に最大15.7メートルの津波が同原発を襲うとの計算をした後、事故の危険性を予見できたか②安全対策をしていれば事故を防ぐことができたか、が焦点となる。

東京電力元会長の勝俣恒久被告の写真
(C)朝日新聞社

7月1日 習国家主席、香港独立派を非難

香港返還20年の演説で

 英国の植民地だったホンコンが中国に返還されてこの日で20年となった。中国のシーチンピン国家主席=写真=が香港での記念式典で演説し、高度な自治を保障した「一国二制度」について「世界が成功を認めた」と成果を誇り、堅持していく方針を示した。一方で、一部に広がる香港独立の動きに対し「中央の権力に挑戦する動きは絶対に許さない」と厳しく非難した。
 香港では、中国側が決めた選挙制度改革案に反発した2014年の民主化デモ「雨傘運動」以降、市民の間で反中感情が高まっている。

一国二制度
 中国でとられている統治方式。香港返還の際、引き続き50年間は特別行政区として資本主義を採用し、社会主義の中国と異なる制度を維持することを約束した。香港の憲法にあたる基本法には、中国本土では制約される言論の自由や集会の自由などが明記されている。

習近平国家主席の写真
(C)朝日新聞社

2日 藤井四段、連勝29でストップ

勝利の佐々木五段「壁になれた」

 将棋の藤井聡太四段(14)=写真=が、東京都渋谷区の将棋会館であった竜王戦の挑戦者を決める決勝トーナメントで、ゆう五段(22)に敗れた。昨年12月のデビュー以来続いた公式戦の連勝は29でストップした。
 藤井四段は「連勝はいつかは止まるものなので仕方ないが、本局はちょっと勝負どころなく敗れてしまったのが残念」と、完敗を認めた。連勝を止めた佐々木五段は「私たちの世代の意地を見せたいと思った。壁になれて良かった」と話した。

藤井聡太四段の写真
(C)朝日新聞社

3日 路線価 2年連続上昇

東京・銀座、バブル期超す

 国税庁は、相続税や贈与税の計算基準となる2017年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国平均は前年を0.4%上回り、2年連続で上昇。上げ幅は0.2ポイント拡大した。東京・銀座では、バブル期の水準を超え、路線価の最高額を更新した。
 低金利で住宅の需要が底堅いうえ、都市部での再開発や不動産投資、訪日客増加が引っ張ったとみられる。

路線価
 主要道路に面した1平方㍍あたりの土地の評価額。国土交通省が出す公示地価の8割を目安に、売買事例や不動産鑑定士の意見なども参考に国税庁が算出する。今年は約33万3千地点が対象になった。

4日 ふるさと納税、前年度の1.7倍

行き過ぎ返礼品の対策も

 2016年度に全国の自治体が受け取った「ふるさと納税」の寄付額が、前年度の1.7倍の2844億円になった。総務省がこの日、発表した。豪華な返礼品目当ての寄付が急増したためだが、自治体間の行きすぎた返礼品競争には問題も多く、総務省が対策を強化している。
 2年連続で寄付額が最多だったのは、宮崎牛のステーキ肉などの返礼品が有名な宮崎県みやこのじょう市で、前年度の1.7倍の73億円に増加した。

ふるさと納税
 進学や就職で都市部に移り住んだ人が故郷などに寄付し、都市と地方の税収の格差を縮める狙いのもと、2008年に導入された制度。寄付額のうち2千円を超える分が住民税や所得税から差し引かれる。

4日 北朝鮮「ICBM成功」

発射角度上げ、高度2802㌔に

 北朝鮮は大陸間だんどうミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表した。ミサイルは午前に朝鮮半島西側から発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した模様だ。
 北朝鮮メディアによれば、通常よりも発射角度を上げて打ち上げられ、最高高度2802㌔に達したという。通常の角度で発射した場合、しゃてい(届く距離)は最低でも米ハワイを含む6千㌔に達するとみられる。

ICBM
 射程5500㌔以上で、海を隔てた大陸間を飛行できるミサイル。核弾頭をとうさいし、敵国の首都や軍司令部などを攻撃し、戦争すいこう能力を奪うことを想定している。米国、ロシア、中国などが保有している。


(C)朝日新聞社

5日 九州北部で記録的豪雨

各地で大きな被害

 九州北部や中国地方で6日にかけて、記録的な大雨となった。気象庁は島根、福岡、大分各県に大雨特別警報を出した。土砂災害など、各地で大きな被害が出た。

5日 人口減、最大の30万8000人

住民基本台帳

 住民基本台帳(今年1月1日時点)に基づく日本人の人口が、前年より30万8084人少ない1億2558万3658人だったことが総務省の人口調査で分かった。8年連続の減少で、今の調査を始めた1968年以降で最大の減り幅。昨年中の出生者数は98万1202人と、初めて100万人を割りこんだ。

5日 法人税収、2年連続で減少

国債、4年ぶり増 16年度決算

 財務省は2016年度の決算見通しを発表した。一般会計の税収は前年度より0.8兆円少ない55兆4686億円にとどまり、7年ぶりに前年度を下回った。2年連続で法人税収が減ったほか、所得税収と消費税収も減少。このため、国債発行額は4年ぶりに前年度を上回った。
 税収の前年度割れは、リーマン・ショック後に景気が低迷した09年度以来。最も落ち込んだのは法人税収で、前年度を0.5兆円下回り10.3兆円。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

関連記事

最新の記事

    記事の一部は朝日新聞社の提供です。

    • 朝学ギフト

    トップへ戻る