金 賞

地産地消で明るい未来を
愛媛県 愛南町立御荘中学校 3年 古川夏羽

あなたが今日食べた食材の旬はいつですか。最近はハウス栽培などの技術の発達により、季節を気にせず手に入れられるようになった食材。しかし、これにはデメリットが二つあります。一つは、エネルギー消費の大きさです。ハウス栽培のきゅうりは、露地栽培のものと比べて約五倍のエネルギーを消費します。もう一つは、温室効果ガスの排出です。ハウス内の温度管理などに使われる電力が大きな原因となり、地球温暖化につながることです。

野菜は旬の時期には味がおいしくなるだけでなく、含まれる大切な栄養素の量もぐっと増えます。旬の野菜を食べることで、おいしく健康に、そして、地球にやさしい食生活を送ってはどうでしょうか。これなら少し意識すれば、どの人にもできそうです。

今回私は、食材が食卓に届くまでの旅にも注目しました。ある日の夕食。「今日はカレ ーにしよう」と決めたら、多くの人はスーパーで食材を購入すると思います。そのとき生産地から消費地までの輸送によって二酸化炭素などの温室効果ガスが排出されます。国産よりも外国産の方が当然、温室効果ガスの排出量が多くなります。日本産の食材で全てをまかなうことができたらいいのですが、二〇二〇年の日本の食料自給率は37%ととても低く、先進国29か国中、26位なので、自給率を高めていくことは欠かせません。このことからも地元で生産された食材を地元で消費する「地産地消」の大切さが分かります。

私の家では毎年ゴーヤのグリーンカーテンを作っていて、野菜はゴーヤときゅうり、花は朝顔とフウセンカズラを育てています。このグリーンカーテン作りは、十年続く我が家の恒例行事です。家族と楽しみながら野菜を栽培し、地球温暖化の抑制に貢献できているので、我が家の小さな自慢です。

しかし、これからの私たちの食生活は大きく変化すると言われています。食べることが好きな私は、普段おいしく食べているものが食べられなくなると考えると、何とかならないかと思います。その代表例が寿司です。海流の上昇により寿司ネタに欠かせない魚介類が日本の海で生育できなくなるそうです。三十年後にはサケ、イクラ、さらに三十年後にはホタテ、ウニも消えていく可能性があります。私たちが子どもや孫たちに「昔はもっと色々なネタがあったんだよ」と話す日は、確実に近づいてきています。そのことを多くの人に知ってもらい、対策してほしいのです。

私たちよりもずっと先の世代が、私たちと同様に地球からの恩恵を受け、豊かな生活を送れるように努力するのは私たちの使命です。一人ひとりにできることは限られていますが、それを実践し積み重ねていくことで、きっと未来は変えられる。だから我が家ではグリーンカーテンと旬を感じる豊かな食事、地産地消で地球にやさしい生活を心掛けます。

(参考文献:株式会社ヨロチョーHP)より