金 賞

ファストファッションの行方から考える
アメリカ Space Center Intermediate School 1年 加藤志季

私は、父の転勤で5月からアメリカで生活している。夏休み、近くの教会で不要になって持ち込まれた古鶉を分別・仕分けするボランティアに参加した。新たに使用してくれる人に譲るための作業だったが、持ち込まれる衣類の量に驚いた。

それより驚いたことは、譲るとはいえ、まだ新品ではないのかと思われる衣類があまりにもたくさんあったことだった。 私は無駄に捨てられている衣類の現状が気になり、調べてみることにした。

そのなかで、南米チリの砂漠には不要になった服が大量に捨てられていて、ファストファッションの墓場が急速に拡大している、という記事を見つけた。

これらの服は、中国やバングラデシュで作られ、アメリカやヨーロッパ、アジアヘと運ばれたものだそうだ。

これらの地域で売れ残った服や使用済みになった洋服、約5万9000トンがチリの港に運ばれてくる。ラテンアメリカの国々で再び売られるそうだが、3万9000トンは砂漠の廃棄場に捨てられているそうだ。流行の服を大量生産し、短いサイクルで販売するには、コストの安いポリエステル生地が多く使用される。砂漠に廃棄されたほとんどの多くは、生分解に200年はかかるとされている劣化の遅いポリエステルで、これが毒素を発生し、深刻な環境災害に なっているそうだ。

しかしながら、消費者が服を買う量は増えており、服の生産量は2004年からの15年間で、2倍に増えているという。この事実を知り、私たちができることを考えてみた。その時、ふと思い出したことがある。

私は日本にいた時、新潟で裂き織り体験工房へ行ったことがある。裂き織りは、江戸時代から伝わる伝統技術だそうだ。蒲物としては傷んでしまった布を裂いて織り込み、布地をリユ ースして作られる、ものを大切にする日本人の心から生まれた織物だ。

私はその時、古い着物を裂いた生地でしおりを作らせて頂いたのだが、自分で悩んで生地を選び、時間をかけて織り上げたものは、個性も感じ愛藩もわいた。

新しい洋服を買ったりお洒落を楽しむことは、私たちの個性を表現でき、心も豊かにしてくれる。大切なものの一つであることは間違いない。そのなかで、ファストファッションは、手軽にお洒落を楽しめる利点があると思う。しかし、技術面で進んでいる先進国側でさえも、大量に余っている古着を処理しきれていないのだから、ごみ処分場などの施設が不十分な発展途上国で、大量の古蒲を処理することは到底できないことは、想像ができる。

ファストファッションがもたらした問題を解決する答えは、ファストファッションを麓ないことではないと思う。問題なのは、安いから・流行だからという理由で服を買い、愛満がもてず、捨てることへのためらいがなくなっていることだ。各々がものを大切にする「念い(おもい)」をもつことが重要だと考える。

(参考文献:エレン・マッカーサー財団HPより)