朝日小学生新聞
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卒業は新しいスタート

落第忍者乱太郎、28日終了

作者・尼子騒兵衛さん語る
 朝日小学生新聞で33年にわたり連載されたまんが「落第忍者乱太郎」が28日、いま掲載している「傑作選」をもって終わります。

 朝小で生まれた作品が、アニメや映画、ミュージカルとなりました。病気とたたかっている作者の尼子騒兵衛さんは、「新しいスタートでもある」と笑って話します。(中塚慧)

1986年開始の連載 病気で難しく
 「落第忍者乱太郎」は、1986年1月に朝小で連載を始めました。

 忍術学園に通う忍者のたまごの乱太郎、きり丸、しんべヱのお話です。1年のうち半年、掲載してきました。

 93年にNHKでアニメ「忍たま乱太郎」の放送が開始。コミックスの発行部数は940万部を記録しています。

 今年1月に尼子さんが脳梗塞になり、連載はいったん延期に。紙面では傑作選をのせてきましたが、「毎日の連載は難しい」との尼子さんの思いを尊重して、終了が決まりました。


闘病中に制作した『落第忍者乱太郎』65巻の表紙絵=朝日新聞出版提供

今後はインプット
 「これからは初心にもどり、『インプット』する時間ができる」。連載が終わる今の気持ちを、尼子さんは明るく語ります。

 インプットとは、物語のための取材や資料集めのこと。乱太郎たちが生きる戦国時代の背景を正確にえがくことを、大切にしてきました。時間ができる分、調べものに力を注ぎたいそうです。

 病気のため利き手の右腕が動かなくなり、一時は「人生終わったかな」と思いました。しかし、体の機能を回復させるリハビリの病院で「やっぱり絵が好き」と気づけたそうです。

 リハビリのため、カレンダーの絵をかくよういわれた尼子さん。

 「鉛筆をにぎってもへろへろで力も入らない」中、曲線をかける定規を使い、クリスマスや七夕などの絵をかきました。

 病院の先生がフェルトペンでトレース(なぞること)すると、「絵っぽいものができてるやん」と自分でもおどろきました。


尼子さんがリハビリでかいた下絵に、患者のみなさんが貼り絵をしました=西宮回生病院提供

未来見すえる3人
 先月末に発売された最後のコミックス、65巻の表紙は鉛筆と定規を使って自分で下絵をかきました。

 それをアシスタントの人がトレースや色つけをして、完成させました。桜が舞い、3人のキャラクターが上を見ています。

 背景には3色の定式幕をつけました。「卒業式」のイメージです。 「3人の目は未来を見すえているよう、光を入れました」

「孝行息子」たちの笑いは続く
 これまでの連載ではげみになったのは、ファンレターです。「自分がかいたまんがで人が笑ってくれる。それが、まんがをかいている自分へのごほうびです」。闘病中も読者からの手紙が力になりました。お礼のはがきも出し始めています。

 乱太郎、きり丸、しんべヱは、尼子さんにとってどんな存在でしょう。「連載を始めたころ、いずれこの子たちが私に親孝行してくれると思っていました。実際に今は、『孝行息子』たちです」

 彼らの冒険は、これで終わりません。来年4月からは月に1回の新しい連載を始めます。「今昔物語」「宇治拾遺物語」などの古典のおもしろさを、乱太郎たちを案内役にして伝えていきます。

 「乱太郎たちのドタバタはまだ続きます。これからも、乱太郎たちといっしょに大きくなっていきましょう」


「連載は終わるけど、新しい始まりでもある」と話す尼子騒兵衛さん=11月19日、兵庫県尼崎市

あまこ・そうべえ
兵庫県尼崎市生まれ。大学では日本史を専攻。1986~2019年、朝日小学生新聞で「落第忍者乱太郎」を連載(傑作選ふくむ)。ペンネームは、尼崎市の生まれで騒々しいことから。

朝日小学生新聞 落乱図鑑

 2016年に、連載開始から30周年を記念して掲載された「落乱図鑑」です。忍術学園のメンバー51名を紹介しています。
コチラ
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朝日小学生新聞 落乱図鑑

          

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