消費税、子どものために

出典:朝日小学生新聞 2018年7月31日付

 平成のスタートと同時に導入された消費税。実は子どもたちのためにも使われています。消費税率が引き上げられる理由や、子どもの周りでも広がる電子マネーなどの「見えないお金」など、お金を視点に平成をふり返ります。(畑山敦子)

少子高齢化で税率引き上げ
 東京都台東区の店や神社が立ち並ぶにぎやかな通り沿いに、4月に開園した認可保育園「レイモンド鳥越保育園」。0~5歳まで75人ほどの子どもたちが通っています。

 この土地は都のものでしたが、保育園に入れない待機児童を解消するため、保育園ができました。園長の柿澤佳子さん(46歳)は「園庭はありませんが、気候がいい時は近くの公園や商店街を散歩します」と話します。

 2014年4月に消費税率が5%から8%に上がってから、増えた税収の一部(18年度は国と地方分合わせて約6900億円)が子どもや子育て事業のために使われるようになりました。待機児童解消のために保育園を増やしたり、保育士をより多く配置して子どもたちを手厚く世話したりすることなどに使われています。学童保育(放課後児童クラブ)や、子どもを預かるなど有償ボランティアを運営するファミリー・サポート・センター事業の充実にもあてられています。

3→5→8%
 消費税は、平成が始まった1989年に導入され、税率3%からスタートしました。物やサービスを買うと原則、商品代金の3%分を消費税として払います。97年に税率は5%に引き上がり、今は8%です。来年10月には10%に上がる予定です。

わたしたち平成生まれ

 消費税は国の消費税(現在6・3%)と、都道府県や市区町村の税収となる地方消費税(同1・7%)に大きく分けられます。2012年の民主党政権の時、民主、自民、公明の3党で決めた約束で、5%から8%に上がった分の税収は年金、介護、医療、子ども・子育てにかかる社会保障費の予算に使われています。

 税率が引き上げられたのは少子高齢化によって社会保障費が増えた分をまかなうためです。働く世代の人口が減って所得税などの税収増が見込めないため、全ての世代が平等に負担する消費税があてられました。 みなさんも何か買う時には消費税を払います。どこで何のために使われているか、関係ないことではありません。

お小遣いも電子マネーで
 子どものお金の使い方も変わりつつあります。電車に乗る時などに使う交通系ICカードは「スイカ」(JR東日本、2001年導入)をはじめ平成時代に登場しました。子どもが使えるものもあります。現金ではない「見えないお金」である電子マネーが普及し、お小遣いに使う家庭もあります。

 東京都江東区の男性(43歳)は、中学2年の長女のお小遣い月2千円を、スマホでお金の支払いができる「LINEペイ」にふりこんでいます。「お小遣いのほか、仕事がおそくなって晩ご飯を自分で買ってほしい時などはその分をすぐふりこむこともでき、必要な分だけわたせます」

 使ったお金や残高は、LINEペイと家計簿アプリを組み合わせて親も見られるようにしています。「お金の出入りがわかり、子どものお金を管理する上で安心です。使いすぎることもありません」

 便利になる一方、現金にふれる機会は少なくなるかもしれません。親子でお金について学ぶ講座などを開くキッズ・マネー・ステーション代表の八木陽子さんは、「見えないお金は金銭感覚を身につけづらいこともあります。電子マネーで支払う時も、使えるお金に限りがあること、お小遣いでやりくりすることを親子で話し合ってほしい」と話します。

わたしたち平成生まれ
江東区の男性が使う家計簿アプリ「マネーフォワード」の画面。長女に毎月2千円ずつお小遣いをふりこんでいます。
(画像の一部を加工しています)


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