インターネットの歩み 中 パソコン普及で拡大

出典:朝日小学生新聞 2018年5月1日付

 平成時代前半、パソコンが一般の家にも広まっていったことで、インターネットの利用も大きくのびていきました。世界中のあらゆるところから情報が手に入るようになり、反対に、一般の人も気軽に情報発信できるようになりました。インターネットの利用は、人々のコミュニケーションの取り方にも大きな変化をもたらしました。 (八木みどり)

情報の入手と発信が簡単に
 パソコンが普及する大きなきっかけとなったのは、1995年11月に発売された基本ソフト「ウィンドウズ95」でした。初心者にも簡単にパソコンが操作できるようにした点などが人気を集め、パソコンブームの火つけ役となりました。 

 総務省の統計によると、一般家庭でのインターネットの普及率は97(平成9)年にはわずか9・2%でしたが、その後は右肩上がり=グラフ。2016(平成28)年には83・5%にまで増えています。

わたしたち平成生まれ

 インターネットによって、さまざまな情報が気軽に手に入れられるようになりました。それ以前は、調べ物は図書館に行って本を探すなどしなければなりませんでした。今では海外の人とも電子メールですぐにメッセージのやりとりができます。しかし、以前は手紙を飛行機や船で運び、何日もかけて相手の元に届けられていました。

 朝小読者のお父さん、お母さんたちは当時、この変化を目の当たりにしました。

 神奈川県の6年生の母親(42歳)は「海外に留学する前に情報を集めたり、現地の人との連絡をメールでやりとりすることができ、便利さを感じました」。

 情報の入手だけでなく、発信も簡単にできるようになりました。埼玉県の4年生の母親(38歳)は、好きなプロ野球選手を応援するホームページを作って、ファン同士で交流していました。球場でいっしょに応援することもあり、今でも仲良くしているそうです。

 インターネットによって、小学生でも世界中に情報を発信することが可能になりました。朝小の97(平成9)年5月21日付の紙面では、地元のことをPRするホームページを作った島根県加茂町(現在の雲南市)の小学生を紹介しています。

サイトで知り合って結婚も
 インターネットがきっかけで結婚した夫婦もいました。 東京都品川区に住む朝小リポーター(5年)の両親は98年、おいしい飲食店を紹介したりするサイト上で知り合いました。

 仕事の合間にサイトの掲示板をのぞいていた母親に対し、父親は夜に掲示板にたくさん書きこみをする「夜の主」でした。ある日たまたま、父親が昼間に掲示板にアクセスした際、母親が「夜の主の○○さん!」と話しかけたのが、「出会い」となったそうです。

 掲示板にアクセスする仲間たちとは、実際に食事会を開くなどしていました。母親は「あのころは、インターネットを使っている人は20~30代の若者ばかりということもあり、気が合ったんでしょうね」。掲示板に集まる仲間の中では、ほかに4組のカップルが結婚したそうです。

 父親は「インターネットがなければ、まったく接点がなかった2人なんですから、不思議なものですね」。インターネットは、人の運命をも変えてきたのです。


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