人類を宇宙へ 平和の象徴

出典:朝日小学生新聞 2019年1月18日付

 地球の周りを回る国際宇宙ステーション(ISS)。宇宙飛行士が生活し、宇宙の環境を生かした実験を続けています。人類が宇宙に進出するための大きな足がかりとして、平成時代にできました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙技術部門、上森規光さんは、ISSは人類の世界を宇宙へ広げ、平和の象徴でもあると言います。(猪野元健)

わたしたち平成生まれ
スペースシャトル「アトランティス号」から撮影された国際宇宙ステーションJAXA/NASA

国際宇宙ステーション(ISS)
人や技術で日本が重要な役割

 Q(記者の質問) 宇宙が好きな小学生にも有名なISS。建設は大きなできごとだったのですか。
 A(上森さんの答え) 人類が常に宇宙に滞在できる施設がISSです。世界の国々が協力し、科学技術の力で、人類が生きるエリアを宇宙へと広げた、歴史的な意味があります。さまざまな国が技術やお金を出し合って建設し、宇宙でいっしょに生活することから、平和の象徴にもなっています。

 Q どんなことをしているのですか。
 A 人類が将来、宇宙に進出するために必要な知識を学び、経験を積んでいます。宇宙の特徴である無重力の空間を利用して、地上での生活に役立てる実験も行われています。例えば、命を救うための研究です。たんぱく質は宇宙では結晶になりやすい性質があります。宇宙飛行士が研究しているたんぱく質の結晶化が、人間の体を攻撃するウイルスの動きを止める薬の開発に役立てられています。

 Q 日本はISSでどんな存在なのでしょう。
  重要な役割を果たしています。ISSでは宇宙飛行士が6人滞在し、そのうち3人が半年ごとに交代しています。日本人宇宙飛行士は2017年12月から半年間滞在した金井宣茂さんが8人目です。日本人の滞在時間の合計はアメリカ、ロシアに次ぐ世界3位です。無人補給船「こうのとり(HTV)」がISSに水や食料などを運ぶことにも7回連続で成功しています。日本は信頼できる仲間と思われています。

  これからの運用はどうなりますか。
  国が中心の今の運用方法はあと10年ほどで終わり、その後は民間中心で使ってもらうことになりそうです。各国の政府は、もっと遠い月の周りを回るISSを開発する計画を考えています。さらに遠くの火星に行くための基地となります。

  子どもたちへメッセージをお願いします。
 A 宇宙の開発はますます進み、さまざまな分野で宇宙にかかわることができるようになります。月面着陸をめざす宇宙飛行士、宇宙での作業の負担を減らすためのロボットなどの開発者、それに地球を回るISSに行く宇宙旅行の会社も出てくるかもしれません。

わたしたち平成生まれ

【ISS】
 International Space Stationの略。地球の地上約400キロ上空を周回する有人宇宙施設。1984年にアメリカのレーガン大統領が開発の計画を呼びかけ、98年に建設が始まり、日本、ロシア、フランスやドイツなど計15か国が協力して、2011年に完成しました。幅約108メートル、長さ約73メートル。サッカー場程度の大きさで、地上から肉眼で見られます。


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