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いったんは役目を終え、スクラップにされたり、公園などに展示されたりしてきた蒸気機関車(SL)。根強い人気から、復元されて再び走る例が増えています。さいたま市のJR東日本大宮総合車両センターでは、同社で3両目となる復元作業の真っ最中。現場を訪ねました。
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| 復元作業中のC61形SLの動輪の前に立つ永井さん〓さいたま市のJR東日本大宮総合車両センターで |
引退後36年展示のC61 人気根強く
分解・検査・修理で走れるように
大きな整備場に、今回復元することになったC61形蒸気機関車がバラバラにされ、ヘルメット姿の作業員が部品を検査していました。
SLとは石炭を燃やし、水を沸騰させ、その蒸気の力で走る機関車です。
場内を案内してくれたのは、JR東日本社員でSLの検査と修理をする13人の一人、永井岳さん(29歳)です。「復元するC61形は群馬県内の公園で36年間も展示されていたため、さびている部品も多く、いったんすべて分解し、部品一つひとつを、使えるようにします」
取り外された動輪(動く車輪)は直径1.75メートル。大人の背丈ほどもあります。一部の車輪はさびついていて、外すのだけで一日がかりだったそうです。
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| 復熊本県を走るSL人吉 ©朝日新聞 |
SLの心臓部ともいえる、水を沸騰させ、蒸気をつくるボイラー部分は、屋外の作業場で、電動のやすりなどを使って、さびや塗り重ねられた塗装を手作業で取り除いていきます。
足りない部品は各地の公園などに置かれている車両から借り、どうしてもない場合は手作りで作るかもしれないといいます。また当時はなかった最新の自動列車停止装置やデジタル無線装置を取り付ける改造もします。
すべての部品が復元され、組み立てが始まるのは11月ごろとみられ、2011年春には群馬県高崎市方面で走り出す予定です。
永井さんは「SLは電子部品がほとんどなく、今の車両とはちがう技術が使われている」と話します。そのため、復元や整備には専門の技術が必要で、かつてSLを扱った経験のある熟年の技術者の力も借ります。京都市にあるSLの博物館「梅小路蒸気機関車館」に出かけ、普段からSLを扱うJR西日本の人にも相談に乗ってもらいました。
SLの運転には、国家資格が必要です。現在JR東日本には29人のSL運転士がいます。先輩運転士から操作の技術も習い、資格が取れた後も定期的な訓練をするそうです。
JR東日本は「SLは鉄道における産業遺産としても価値がある」と考え、復元とともに、次の世代にこうした技術を受け継いでいきたいといいます。
SLは日本に鉄道が誕生した当初から長年、列車の主役でしたが、たくさんの煙を吐き出すなど、嫌われる面もありました。戦後、電車に列車の主役をゆずり1975年、いったん姿を消します。その後、静岡県の大井川鉄道などで復元され、毎年多くのお客さんがSLに乗ろうと訪れます。その後も次々と復元され、現在は日本各地で活躍しています〓下表。JR東日本によると2007年度、SL列車に乗った人は約六万七千人で「好評」。多くの人にSLの旅を体験してもらえたら、と話しています。
【各地のSL列車】
SL冬の湿原号(北海道・釧網本線)
SLニセコ号(北海道・函館本線)
SLばんえつ物語(新潟県・信越本線など)
EL&SL奥利根号(群馬県・高崎線など)
SL北びわこ号(滋賀県・北陸本線)
SLやまぐち号(山口県・山口線)
SL人吉(熊本県・鹿児島本線など)
大井川鉄道(静岡県)
真岡鉄道(茨城県、栃木県)
秩父鉄道(埼玉県)
※最近運転されているおもなもの。このほかの臨時列車も多い |
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