七夕飾る星の正体
 |
| 夜空を川状にのびる天の川。こと座の「ベガ」(織姫)、わし座の「アルタイル」(彦星)、はくちょう座の「デネブ」と合わせて「夏の大三角」と言われています |
この時期に夜空によく見られる「天の川」が星の集まりだと発見したのは、科学者のガリレオ・ガリレイでした。「天の川」や織姫、彦星の正体を紹介します。今年は、ガリレオが望遠鏡を宇宙に向けてから400年を記念する世界天文年。7月7日前後には「世界天文年 全国同時七夕講演会」が東大など80か所以上で開かれます。
上から見るとうず巻き 中心はブラックホール
今の季節、照明など人工の光の少ない郊外や田舎に出かけたときに、頭上を見上げると、夜空にのびる、もやっとしたうすい川状の帯が見えます。これがよく言われる「天の川」です。
でも本当に「川」なのでしょうか。実は、2000億とも言われる星の集まりです。大阪市立科学館(北区)の主任学芸員、渡部義弥さんによると、天の川銀河(銀河系)とも呼ばれ、地球などの太陽系もその中にいることになります。
「星だけでなく、黒く感じられる部分にはガスやちりなどもたくさんあるのです。1年中見られますが、今の時期、天の川銀河の中心の、星が特に密集している方向を見ることになり、観察しやすくなっています」
 |
| 近赤外線でとらえられた銀河系。ちりなどによって吸収されにくいため、中心の姿が見えてきます(名古屋大学、国立天文台、京都大学提供) |
この天の川銀河は、上から見るとうずを巻いているような形で、横から見てみると、中心の部分が少しふくらんだような目玉焼きの形。外側に行くほどうすくなっています。直径が約10万光年(光の速さで10万年かかる距離)、中心部の厚みは1.5万光年もあります。
中心部は「ブラックホール」という天体の一種があります。強い引力が働いて、周りの物質が吸いこまれていったり、星が進路を曲げられたりしています。光でさえ、逃げ出すことができません。渡部さんは「ブラックホールは周りの物質をのみこみさらに大きなブラックホールへと成長します」。
織姫と彦星は色白で似たもの同士
この天の川をはさんでかがやく2つの星を見ることができます。七夕の話に出てくる「織姫」「彦星」です。一体、どのような星なのでしょうか。「織姫」はこと座の「ベガ」という星で、地球からの距離はおよそ25光年あります。
一方の「彦星」はわし座の「アルタイル」のこと。地球からは約17光年はなれています。目に見える星が平均すると200〜300光年ですから、ほかの星に比べると、地球から近くに位置します。「自転するスピードが太陽に比べて速い、色が白いといった共通点があり、よく似たもの同士です」(渡部さん)
はくちょう座の「デネブ」と合わせて、「夏の大三角」と呼ばれています。
京都大学教授の長田哲也さんによると、「赤外線」という目に見えない電磁波を使って調べると、アルタイルは球ではなく、赤道付近がふくれた、だ円体ということも分かってきています。
「宇宙」の講演会 全国で
日本天文学会は世界天文年にちなんで七夕の7月7日前後に、全国各地で宇宙をテーマにした講演会を開きます。
東京大学の本郷キャンパス理学部1号館小柴ホールでは、7日の午後6時から「ガリレオが見た宇宙、見なかった宇宙」、京都大学の理学部6号館301号教室でも7日の午後6時から「赤外線で見る織姫・彦星・天の川」といった内容で、宇宙のなぞを解き明かしていきます。ほか80か所以上で聞けます。
事前にもうしこみが必要な講演会もあるので、くわしくは「世界天文年 全国同時七夕講演会」のウェブサイト(http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/tanabata/)を見てください。
|