こどもアサヒ

相次いだ被害 ゲリラ豪雨
こんな時に注意!

気象庁
観測の間隔10分から5分に
「情報活用して早めに避難を」

気象庁の資料をもとに作製 イラスト・たなかさゆり

 せまい範囲に短時間で強い雨がふるゲリラ豪雨。去年、被害が相次いだことから、気象庁は7月1日から、全国20か所の気象レーダーの観測の間隔をこれまでの10分から5分に短くし、早く情報を得て、対策に生かそうとしています。ゲリラ豪雨の特徴や、被害に遭わないための注意点などについて、気象庁予報部の鈴木和史さんに聞きました。

気象庁予報部 鈴木和史さんに聞く

 Q(質問) なぜ、ゲリラ豪雨は起こるのですか。
 A(答え) 大きな要因は、積乱雲の発達です。雲は、空気が上昇気流で押し上げられて発生しますが、上昇気流が強まり雲が成長を続けると、積乱雲になり雨を降らせます。大気の状態が不安定なとき積乱雲は発達し、より強い雨を降らせます(大気が不安定とは、地面の近くへ暖かくしめった空気が流れこんできたり、上空へ冷たい空気が流れこんだりすること)。
 ゲリラ豪雨は、単独の積乱雲が発達することによって起きるもので一時的に雨が強まり、限られたせまい地域に、強い雨が降ります。

  雨が降っている範囲や時間を教えてください。
  一つひとつの積乱雲の高さは10数キロ、水平方向の広がりは数キロから10数キロ。この範囲で、雨が降ります〓イラスト下。また、一つの積乱雲が発生してから、雨を降らせ消滅するまでは数10分ほどです。

積乱雲の特徴ともたらす現象

  雨の量は?
  そのときによってちがいますが、1時間に数10ミリの雨を降らせることが多いです。気象庁では、50ミリ以上80ミリ未満の雨を「非常に激しい雨」、80ミリ以上を「猛烈な雨」と呼んでいます。

  ゲリラ豪雨は、どのくらい発生していますか。
  1時間に50ミリ以上の雨が降ったのは、1976年〜76年は年平均で160回、87年〜97年は177回、98〜2008年は239回で、増えています。

  全国20か所の気象レーダーの観測の間隔を5分間にしたのですね。
  ゲリラ豪雨を引き起こす積乱雲の発達を少しでも早くとらえることが大事です。気象庁は、雨の状況をウェブサイト(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)で伝え、情報を活用してほしいと考えています。早めに避難を呼びかけるなどの行動につながることを期待しています。

  ゲリラ豪雨でどんな事故や災害が起きる可能性がありますか?
  川の急な増水で中州に取り残される、地下街に雨水が流れこむなどです。

  被害に遭わないための注意点は?
  ふだんから天気予報を確認してください。「大気の状態が不安定」などと言っているときは要注意。川の水量が増えてきたときや、「真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる」〓イラスト上〓ときなどは避難してください。



2008年7月18日、都賀川の川開き式の様子=神戸土木事務所提供
 

その10日後、ゲリラ豪雨などが原因で増水した都賀川=神戸市河川モニタリングカメラから

去年の夏の「都賀川水難事故」
30〜50年に一度の降水量

 2008年7月28日、ゲリラ豪雨が主な原因で起きた兵庫県神戸市の「都賀川水難事故」では、子どもも巻きこまれました。

 午後2時40分ころに急に降り始めた大雨は、10分間で最大に降った量が24ミリで、短時間に降る雨の量としては「30〜50年に一度」のゲリラ豪雨でした。アスファルトなどで都市化された場所に降った雨は、同42分ころに都賀川に一気に集まりました。 同44分までに水位は1メートル上昇。急におそってきた濁流から逃げ遅れ、小学生ら5人が亡くなりました。

 都賀川での事故を調べた神戸大学工学研究科の宮本仁志准教授は「大雨が降った場合、近くの川がどんなふうになるかを知っておくことも大切です」。


※ゲリラ豪雨は、気象庁の予報用語ではありません。 気象庁で「局地的大雨」と説明しているものを、 新聞やテレビではゲリラ豪雨と表記しています。 この記事では、ゲリラ豪雨と表記します。 


朝日小学生新聞 2009年7月2
日付


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