こどもアサヒ

めざせ五輪選手 親元離れ奮闘中

 未来のオリンピック選手を育てようと、日本オリンピック委員会(JOC)が四月にスタートさせた「JOCエリートアカデミー」。一期生には、レスリングと卓球で小学生1人、中学生10人の計11人が選ばれ、東京都北区にあるナショナルトレーニングセンター(以下センター)に住みこんで練習にはげんでいます。ただ1人の小学生、古市雅子さん(6年)は、ホームシックとも闘いながらレスリングにチャレンジしています。

JOCアカデミーの一期生
小6の古市雅子さん(レスリング)

コーチの指導を受けながら、マットの上で練習にはげむ古市さん

 古市さんは3月下旬、熊本県から1人でセンター内の宿舎に引っこしてきました。ともにレスリングで汗を流す中1の花田彩乃さんと同じ部屋です。学校は北区立梅木小に転校しました。「始業式の日は友だちができるか不安だったし、1人きりなのでホームシックにかかって泣いてしまいました」。古市さんは少しはずかしそうに話します。

 1か月半近くたった今は、「クラスの全員と友だちになったし、相談ごとは寮母さんやコーチが聞いてくれるので元気が出ます。それでもさみしいときは携帯電話のメールで熊本の友だちやお母さんと連絡をとっています」。

 古市さんは朝6時に起きます。6時半から30分程度、ランニングやマット運動、筋力を補強するトレーニングなどをこなし、宿舎の食堂で栄養士さんがカロリーなどを計算した朝食を食べ、学校へ。午後4時ごろセンターにもどると、3、4時間の練習が待っています。宿舎で夕食をとって、学校の宿題をすると、すぐに消灯時間の10時になります。

2008年1月にオープンしたナショナルトレーニングセンター(上)とレスリング練習場(下)

 土曜日は昼まで練習があり、午後は試合観戦や、今後はスポーツにかんする授業も予定されています。日曜日は休みですが、試合に出る日もあります。

 レスリングでエリートアカデミーに選ばれた男子1人、女子4人のうち、3人は全国大会などで優秀な成績を残している経験者。古市さんと花田さんはレスリングをやっていませんでした。

一流選手との練習がいい刺激に
 古市さんは5歳から柔道を続けてきました。お父さん、中2のお兄さん、小5の弟も柔道をしています。運動能力と精神力を見こんだ道場の先生のすすめでアカデミーの門をたたきました。

 ゴールデンウイーク、経験者の3人は家に帰りましたが、古市さんは花田さんらと合宿に参加しました。経験者の中学生に追いつくためですが、古市さんの両親からもコーチらに「しばらくは帰さないでくれ」と話があったそうです。

 古市さんらの専属コーチで女子レスリングの元世界チャンピオンの吉村祥子さん(39歳)は「上達するにはよいパートナーが必要。ここでは一流選手を相手に練習できるので、いい刺激を受けながら選手として、人として成長してもらいたい」。

 「人気まんがを集めて読んだり、休みの日に別のスポーツで遊んだりもしたい」と思うときもある古市さんですが、今の目標は7月に開かれる小学生の全国大会でよい成績を残すこと。「レスリングは柔道と似た部分が多く、タックルが決まると気持ちいい。先輩がやさしいので緊張はないけど、早くみんなに追いつかなくちゃと思います」


朝日小学生新聞 5月14日付

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