テアニン お茶のうまみ成分 |
発見されて今年で60年 |
勉強の合間、温かいお茶を飲んでホッと一息、リラックス……なんて人もいるでしょう。お茶のうまみ成分「テアニン」が発見されて今年で60年になります。おいしさを生かして、他の食品に利用する研究も進められています。
世界で初めて日本人が見つける
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| 新芽をつみ取る時期が近くなると、茶畑を黒い化学繊維などでおおって日光をさえぎります=京都府宇治市の京都府農林水産技術センター茶業研究所 |
お茶のうまみの正体を見ようと、お茶の育て方などを研究する施設、京都府農林水産技術センター茶業研究所(宇治市)を訪ねました。「おいしさの成分です」と主任研究員、原口健司さんが差し出したのは、さらさらした「白い粉」。少しなめてみると、ほんのり甘い味がします。人工的に作り出された「テアニン」です。
世界で初めてお茶のうまみ成分を発見したのは、60年前、茶業研究所の所長だった酒戸弥二郎さん(1906〜76年)です。
20世紀初め、アミノ酸の一種で昆布のだしのおいしさの成分「グルタミン酸」や、かつお節のうまみ「イノシン酸」が発見されました。酒戸さんはお茶のうまみ成分もアミノ酸の中にあると予想。グルタミン酸に構造が似た新しい物質を見つけ出し、1950年に学会の雑誌に発表しました。
日に当たるとしぶみに
おおいをかぶせて調整
日光の当たり方がカギ
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| よしずやわらを使う昔からの方法もあります(京都府農林水産技術センター茶業研究所提供) |
テアニンは根で作られて、葉にたまります。日光が当たると、しぶみの成分である『カテキン類』に変化します。
宇治市などで栽培されている玉露やてん茶(抹茶)という種類のお茶は、4月に新芽が出てからつみ取るまでの間に20日以上、よしず(ヨシの木の茎を使ったすだれ)や黒い化学繊維のおおいなどを茶園にかぶせます。日光が当たらないようにすることで、テアニンがカテキン類に変化するのをおさえ、しぶみの少ない、おいしいお茶ができます。「日光の当たり方がカギです」と原口さん。
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食パンやクッキー、アイスに
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| テアニンが多く含まれるてん茶の茎の粉が材料に使われているパン。入れる量によってこさがちがいます(京都府農林水産技術センター茶業研究所提供) |
てん茶は抹茶の原料となる「葉」とそれ以外の「茎」に分けられ、茎はほとんどがほうじ茶の原料となります。同研究所ではテアニンのおいしさを生かして、他の食品に使えないか探っています。食パンやクッキーの原料の一部にしたり、アイスクリームに混ぜたりする使い方を研究中。京都府八幡市のNPO「京・流れ橋食彩の会」では、茎を細かくくだいた粉を入れたクッキーを作って売っています。
「特産品づくりに取り組む地域のグループや食育の一環として学校給食で使ってもらうなど、有効な活用法を考えていきたい」と同研究所主任の矢野早希子さんは話しています。
【テアニン】
お茶に含まれるアミノ酸(おいしさの成分)の一種。高級なお茶の玉露や抹茶では、含まれるアミノ酸のうちの約4割を占めます。イライラをおさめたり、リラックスしたりする効果も期待されています。
【お茶の生産】
農林水産省の統計によると、2008年度の全国のお茶の栽培面積は4万8000ヘクタール。静岡県が1万9700ヘクタール(約41%)でトップ。以下鹿児島、三重と続き、京都は7位。全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会によると、年間で国内で出回る緑茶はここ数年間、約10万〜12万トン。急須で入れるお茶の消費は減っていますが、ペットボトル用の緑茶は増えています。
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