地元の朝小リポーターが取材
香川県は「うどん県」に改名しました――。去年の秋から香川県がまじめにこんなことを言っています。県名をかえたの?と思いきや、実は名物のうどんを生かした県のユニークな宣伝です。宛先に「うどん県」と書いた年賀状が全国から県庁に届くなど、知名度が上がっています。宣伝のねらいやうどんが有名な理由を、地元に住む朝小リポーターの平石もえさん(同県高松市・四年)と取材しました。
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昼に並んでいる店の多くがうどん屋です=高松市で
「うどん県副知事」で俳優の要さん宛てに県庁に届いた年賀状
朝小リポーターの平石さん(右)が「うどん県」について、県の職員の小坂さん(中央)と黒田さん(左)に取材しました。後ろに見えるのは「うどん県」の宣伝のポスターです=香川県高松市の県庁で |
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うどん屋店主の合田さんが「一番のこだわり」という、うどんをゆでるようすを見せてもらいました=高松市のうどん屋「番丁」で
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フェリー切符も
香川県に初めて行く人は、「うどん」の多さにおどろくかもしれません。空の玄関口、高松空港にはうどんのだしが出る蛇口があり、電車で高松市に着くとすぐにうどん屋が目に入ります。兵庫県と香川県を結ぶフェリー会社は「うどん県」の発表後、「うどん県行き切符」を販売しました。
うどんは香川県で特に親しまれている食べ物で、平石さんも週に三回ほど食べます。年末に年越しうどんを食べるほどですが、「何でこれほど有名なのかな」と平石さん。理由をさぐりに香川県庁を訪ねました。
対応してくれたのは「うどん県」の宣伝を担当する観光振興課の小坂吉邦さんと香川のうどんにくわしい農業生産流通課の黒田栄治さんです。
まず「うどん県」としてPRする理由を聞きました。小坂さんは「香川のうどんは『さぬき(香川県の昔の名)うどん』といわれとても有名です。しかし、香川が四国のどこにあるのかも知らない人がいます。うどんだけでなく、県の場所や観光地、食べ物なども知ってほしいと考えました」。
去年十月に「うどん県」の改名を発表したところ、インターネットなどで評判に。公開した「うどん県」のウェブサイトのアクセス数は76万件を超え、新聞などでも報道されました。「うどん県副知事」をつとめる県出身の俳優、要潤さん宛ての年賀状を募集したところ、約二千七百枚も県庁に届きました。反響があったことについて小坂さんは「ギャグですがまじめにやることで、くすっと笑える内容になったのが良かったのでは」と話します。
平石さんは「なぜ香川と言えばうどんなのでしょうか」とたずねました。黒田さんはあるデータをしめしました。2009年のうどんの都道府県別生産量です。一位は香川県で約6万トン、2位の埼玉県の約2万5000トンの倍以上です。県の十年ほど前のアンケートでは、県民は3日に2回はうどんを食べているという報告もあります。
香川にうどんが根付いたのは「身近においしいうどんをつくるための良い材料がそろっていたからでは」と黒田さん。昔から香川ではうどんの原料になる良質の小麦が収穫され、瀬戸内海ではうどん打ちに使う塩づくりがさかんでした。また、だしを取るのに欠かせない煮干しが多く生産されています。
「香川のうどんの特徴はなんですか」。黒田さんは「だしもおいしいですが、やはり他の地域のうどんにはない強いこしではないでしょうか」と答えます。口に入れたときはやわらかいですが、かみ切るには少し力がいるのがこしと言われています。生地をつくるときに足で踏んできたえたり、生地を袋に入れて寝かしたりすることでこしが生まれるといいます。
おいしさ決める「ゆで時間」
県庁の取材後、一日250人が食べに来るといううどん屋「番丁」(高松市)を訪ねました。香川ではめんを自分でゆがくなどするセルフ店が多いですが、ここは注文すると席まで運んでくれる一般的なお店です。
「心がけていること」を店主の合田禎宏さんに聞くと、「つねにおいしいうどんをつくること。もっともこだわっているのはうどんをゆでる時間です」と教えてくれました。「大切にしているめんのかたさ、ツヤ、風味などがゆで時間で大きくかわってしまうためです」
取材を終えて、平石さんは番丁でわかめうどんを食べました。いつもと味が少しちがったようです。「うどんのことを学び、よりおいしく感じました。読者のみなさんには、ぜひ『うどん県』でうどん屋さんめぐりをしてほしいです。観光地や芸術など他にも香川にはたくさんいいところがあることも知ってほしいです」
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