こどもアサヒ

感染した家族が自宅療養
新型インフル うつらない うつさない

 新型の豚インフルエンザにかかってしまったら、重症の人以外は入院せず、薬をもらって家で寝て治すよう病院で指示されるケースが増えそうです。政府が方針を改めたためです。家族が家族を看病するわけですから、家庭の中で「うつらない」「うつさない」よう気をつけたいですね。看病する側もされる側もマスクをする、こまめな換気を心がけるといった注意が大切だと、東京都健康安全研究センターの研究員で医師の増田和貴さんは言います。

患者のくしゃみやせきがウイルス飛ばす
マスクを着けて部屋は区切って換気

患者の触れた所でウイルス生きてるかも
手洗いとアルコール消毒をこまめに

イラスト・牧野タカシ

 インフルエンザのウイルスが人から人へうつる経路は、主に二つあります。

 一つ目は、感染した人のくしゃみやせきなどを吸い込むことでうつる「飛沫感染」です。この危険を減らすために、マスクを準備してください。

 看病する人は、必ずマスクをします。患者さんも、看病を受けるときだけでもマスクをするのが望ましいのですが、あまりに息苦しいようなら無理はしないで。

 マスクはいろいろな種類がありますが、織り目のない「不織布」という布でできたマスクをすれば、感染をある程度防ぐことができます。

 インフルエンザのウイルス自体は、1万分の1_程度といわれ、電子顕微鏡でないと見えないほど小さなもの。どんなマスクの目も通り抜けてしまいますが、実際にはつばやたんなどに包まれた状態で飛んでいるので、不織布製のマスクの目を通りにくいのです。マスクは使い捨てにして、常に清潔なものを着けましょう。

 感染した人は、できるだけ個室で休んでもらいます。看病をするときは、部屋の窓を開けて空気の入れ換えをします。個室がない場合は、他の人と最低でも1〜2b距離をとり、一時間に数回程度は換気をしましょう。カーテンで区切るなどの工夫も、ある程度は効果が期待できます。

 もう一つ注意が必要なのが「接触感染」。感染した人がウイルスのついた手でテーブルなどを触ると、ウイルスはそこで数時間程度、生きていると言われています。家族がウイルスのついた場所を触り、目や鼻をこすったり、口に入れたりすると感染してしまいます。

 

イラスト・佐々木美佳

 看病したあとは必ず水とせっけんで手を洗うか、市販のアルコール消毒液で消毒してください。電気のスイッチやドアノブなど、よく触る場所も、アルコール消毒しておく必要があります。また、今回の新型インフルでは便などの排泄物から感染する可能性も考えた方がよいといわれているので、トイレの便座も消毒しましょう。

 厚生労働省では、感染した人が使った食器や衣類は、普通の洗剤によって消毒できるとしています。

 病院で処方された薬をきちんと飲んで、しっかり休みましょう。病院で出された薬を飲み終えても熱が下がらなかったり、せきがおさまらなかったりした時は、もう一度病院で診てもらいます。その時も必ず発熱相談センターか、一度かかった病院に電話して、マスクをしてから出かけてください。また呼吸がしにくかったり、38度以上の高い熱が続くようであれば、すぐに相談しましょう。

 症状がおさまっても、病院で「治った」と言われるまで様子を見ましょう。

 文部科学省によると、今回の新型インフルの場合、学校に来てよいかどうかは、学校保健安全法という法律で、病院で「完全に治りました」と言われるまでは学校を休むことと決められています。

 学校によっては登校にはお医者さんの証明書を求めることもあるので、一人で判断せず必ずお医者さんや学校に相談してから登校しましょう。

【政府の新型インフル新方針】
患者の増え方で地域ごとに判断
 新型インフルについて、学校ごとに休校できるようにするなど、新しい方針を政府が22日に発表しました。今回の新型インフルは軽症で治る人が多いため、ゆるやかな対応に改めました。
 @患者の発生が少ない地域A患者の数が急にふえている地域――で対応を分けます。@Aのどちらにあたるかは、厚生労働省と相談して都道府県などが判断します。
 @の地域では、市区町村の一部、場合によっては都道府県の全部で休校します。患者は、重症か軽症かに関係なく、すべて入院してもらいます。
 Aの段階になった地域では、患者が多く発生した学校だけで休校か、学級閉鎖をします。季節性のインフルエンザのときと同じです。すでに感染が広がってしまった地域では、いっせいに休校しても効果はうすいとされるからです。発熱外来ではない一般病院での診察も認め、重症の人以外は薬を服用しながら家で療養してもらいます。ただし、今回の新型インフルは糖尿病やぜんそくなどの持病(基礎疾患)のある人が重症化しやすいとされているので、こうした人が優先して入院・治療を受けられるようにします。

 

 


朝日中学生ウイークリー5月31日号


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