5月25日―6月1日のニュース

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スパイ活動か!? 

 

外交官や研究者の身分で国内に数千人?

 

 在日中国大使館(東京都港区)の1等書記官(45)が、外交官の身分を隠して不正に外国人登録証を更新したとして、警視庁公安部は5月31日、外国人登録法違反(虚偽申請)と公正証書原本不実記載・同行使の疑いでこの書記官を書類送検した。警視庁は外務省を通じて中国大使館に出頭させるよう要請していたが、書記官は同23日に帰国していた。書記官は中国の情報機関に所属しているとみられ、スパイ活動をしていた可能性もあるとみられている。
  今年は日本と中国が1972年に国交関係を樹立してから40周年。北京で5月13日にあった日中首脳会談でも尖閣諸島の領有権問題をめぐって両首脳が応酬するなどしており、今回の事件も日中関係に微妙な影を落としそうだ。



  書記官は、外交官の身分を偽って銀行口座も開設。口座には、都内の会社から顧問料名目で月10万円などが振り込まれていたという。公安部は、外交官の個人的商業活動を禁じたウィーン条約に触れる可能性もあるとみている。
  中国外務省の当局者は5月30日の定例会見で「(書記官が)スパイ活動をしていたという報道にはまったく根拠がない」とスパイ疑惑を否定。「長い間日本研究に携わってきた学者で、中国社会科学院から大使館に経済担当として一時的に出向した」と説明し、「任期満了で帰国した」としていた。



  一見平和そうな日本で本当にスパイが暗躍しているのだろうか。
  警察当局によると、各国の情報機関の機関員は外交官や研究者など様々な身分で相手国に入り、政府や防衛、科学技術などの情報を集めている。なかでも機密性の高い情報を違法な方法で収集することが「スパイ活動」と定義されるが、一線を越えたかどうかをつかむのは難しい。
  専門家は「各大使館に政府の情報機関や軍に所属する数人のケースオフィサー(スパイ)がいて、その下に日本などでスカウトされたエージェントと呼ばれる情報提供者がいると仮定すると、国内には数千人のスパイがいることになる」と指摘する。
  日本でスパイが狙っているのは、自衛隊の装備や民間企業のハイテク機器に関する情報のほか、同盟国であるアメリカの軍隊に関する情報などとされる。今回のスパイ疑惑については「中国はアメリカの軍事情報をほしがっており、同盟国の中でも情報の機密保持があまい日本から収集しようとしていたのではないか」とみる。
  スパイの特徴は「社交的で話が上手。お酒に強く、相手を酔わせて秘密を聞き出すのが得意。そのため、語学に堪能で話の引き出しが多い」という。
  では、どうやったらスパイを見破れるのだろう?
  「実際はまったく普通の人が多い。目つきも鋭くなく、どちらかといえば、さえない感じ。そもそもスパイは目立ってはまずいのです」


 

放鳥トキのひなが巣立ち―自然界では38年ぶり 25日

 環境省は25日、新潟県佐渡島で放鳥した国の特別天然記念物トキのひなのうち、1羽が巣立ったと発表した。トキが自然界で巣立ったのは国内では1974年以来、38年ぶり。幼鳥が生き延び、自ら繁殖するようになれば、トキの野生復帰の道筋がつく。
  同省はまた、26日に同じ巣から2羽目のひなが、27日には残る1羽が巣立ったと発表した。30日早朝には、巣立った3羽のうちの1羽が巣がある林から飛び立った=写真、同省提供=のを同省職員らが確認した。

 

日本人初、8千b峰14座制覇―竹内洋岳さん 26日
 世界で14座ある8千b峰の全山登頂をめざしていた登山家、竹内洋岳さん(41が、最後に残った世界第7位の高峰、ダウラギリ1峰(8167b、ネパール)の山頂に立った。
  14座制覇はイタリア人登山家のラインホルト・メスナーさんが1986年に初めて成功し、過去30人近い登山家が達成しているが、日本人では竹内さんが初めて。
  日本人で竹内さんに続くのは9座で4人。うち3人は10座を目前に遭難死している。
  竹内さんは95年のマカルー(8463b)遠征隊で初の8千b峰に登頂。17年かけて快挙を達成した。

 

「2030年に原発35%」案除外―経産省審議会 28日
 2030年に国内電力のうち原子力発電の割合をどれくらいにするかについて、経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会は、0〜35%の五つの選択肢のうち35%案を外し、4つの選択肢にすることを最終決定した。
  同委員会はこれを関係閣僚でつくるエネルギー・環境会議に報告。この会議が今夏までに選択肢からどれを選ぶかを決め、政府の新エネルギー基本計画に盛り込む。
  2010年度の26%より増える35%案は、脱原発を訴える委員らから反対意見が相次いだため、最終的に選択肢から外された。

大飯原発再稼働、首相決断へ 30日
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり、野田佳彦首相は関係閣僚会合で「(再稼働は)私の責任で判断する」と述べ、福井県の同意を前提に再稼働を決断する意向を表明した。
  野田政権は関西電力管内で15%の節電要請が始まる7月2日より前の再稼働をめざしているが、再稼働に踏み切れば、世論の反発を招くのは必至だ。

 

25日▲放鳥トキのひな1羽が巣立ち―自然界では38年ぶり=新潟・佐渡

25〜26日▲シリア中部で政府軍などが砲撃、子どもら108人死亡
26日▲日本人初、8000b峰14座制覇―竹内洋岳さん、17年かけて快挙
26〜27▲「東北六魂祭」、東日本大震災からの復興と犠牲者の鎮魂を祈る

27日▲シリア非難の報道声明を採択―政府軍の砲撃認定=国連安保理
    ▲ダルビッシュ有、日米通算100勝―今季7勝目、日本ハム時代に93勝

28日▲横浜FC三浦知良、Jリーグ最年長得点記録更新―45歳3カ月1日

29日▲2030年の国内電力、原発依存度35%案を除外―経産省審議会
    ▲2011年の交通事故死亡者4612人、11年連続で減―交通安全白書
    ▲松井秀喜外野手、メジャー昇格いきなり2点本塁打―米大リーグ
    ▲ミャンマー民主化運動指導者スーチーさん、24年ぶり外国訪問

30日▲大飯原発再稼働「私の責任で判断」―野田首相、福井県の同意条件
    ▲100歳日本最年長の映画監督新藤兼人さん死去―「原爆の子」など
    ▲巨人・杉内俊哉投手がノーヒット・ノーラン―プロ野球75人目

31日▲中国書記官を書類送検―外国人登録証を不正取得の疑い=警視庁
    ▲ボルト9秒76、今季世界最高でV―ダイヤモンドリーグ男子100b

01日▲ユーロ一時、11年半ぶり96円台―欧州債務危機など懸念=東京市場

 

 

 

 
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