4月20日ー27日のニュース
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放鳥トキにひな生まれる 自然界で36年ぶり

 

日本での野生復帰へあたたかく見守ろう

 

 今週は、自然界から歴史的なニュースが届いた。
  新潟県佐渡市で放鳥した国の特別天然記念物トキからひなが誕生した。放鳥したトキからひながかえったのは初めてで、自然の中での孵化は1976年以来、36年ぶりだ。
  日本では野生のトキは絶滅したが、中国から贈られたトキの人工繁殖によって、野生復帰させる取り組みが大きく一歩前進した。



  ひなが生まれたペアは3歳のおすと2歳のめす。4月22日、環境省が撮影したビデオカメラの映像に1羽のひなが映っていた。体長約20aで、生後1週間程度とみられる。当初はこの1羽だけかとみられていたが、少なくとも計3羽いることが23日に確認された。
  このペアは3月16日に佐渡市内に巣をつくったことが確認され、同17日に卵を産んでいた。
  誕生したひなは40〜45日後に親鳥とほぼ同じ1800c前後の大きさに成長してから巣立ちするとされる。
  佐渡島には今、放鳥されたトキが40羽以上暮らし、15組がペアをつくっている。卵を産む繁殖期は6月まで続き、今後もひなが誕生する可能性がある。



  トキは翼を広げると幅140aほどに達する大きな鳥で、くちばしの先や脚が赤く、全身は繁殖期以外はほぼ白く、繁殖期は頭、翼、背は灰色になる。翼の裏などは朱鷺色と呼ばれるピンク色だ。
  学名は「ニッポニア・ニッポン」。江戸時代末期に日本を訪れたドイツ人医師で博物学者のシーボルトが世界に紹介した。当時は全国の田畑などで見られたが、乱獲や自然環境の悪化などで数が減り、佐渡島などでしか見られなくなった。
  太平洋戦争後、トキを守ろうという動きが本格化し、1952年に国の特別天然記念物、60年に国際保護鳥に指定された。絶滅を防ぐため、81年に野生の5羽を捕獲。子どもを生ませて数を増やそうとしたがうまくいかず、2003年に日本最後の野生トキ「キン」が死んだ。
  一方で、99年に中国から贈られたトキによる人工繁殖が成功。4月20日現在、167羽が飼われている。野生に戻すための放鳥は08年に始まり、22日までに78羽が放鳥されている。

 

日本、ミャンマーへの円借款再開を表明 21日

 野田佳彦首相は来日したミャンマーのテインセイン大統領と東京都内で会談し、25年ぶりに円借款の供与を再開する方針を伝えた。過去の円借款による債権約5千億円のうち約3千億円を2段階で放棄することも確認。ミャンマーの民主化と国づくりを支援する。
  ミャンマー国家元首の日本公式訪問は28年ぶり。
【円借款】政府の途上国援助(ODA)の1つで、発展途上国の経済援助のために日本政府が政府間の合意に基づいて行う円建ての低金利融資。地域別ではアジア諸国向けが全体の約8割を占める。

シリアPKO、本隊第1陣を月内に派遣―国連 23日
 国連は、シリアのアサド政権軍と反体制派の停戦監視のため、平和維持活動(PKO)の本隊第1陣の30人を今月末までに派遣すると発表した。安全保障理事会が21日にPKO部隊の本隊派遣の決議案を採択したことを受けたものだ。
  本隊は武器を持たない軍事要員最大300人で構成し、当面は90日間の予定でシリア国内に配置される。国連は25日、日本政府にも参加を要請した。
【国連平和維持活動(PKO=Peacekeeping Operations)】国連が紛争地域の平和の維持や回復を図るため、紛争当事国の間に立って行う活動のこと。紛争の仲介だけでなく、選挙の監視や難民の帰還支援、復興支援などその活動内容は年々多様化している。
  日本は1992年に成立した「国連平和維持活動協力法」に基づき、紛争当事者間の停戦合意や紛争当事者の受け入れ同意、中立的立場の厳守、要員の生命防護のための必要最低限の武器使用など「5原則」を満たす活動に参加できる。これまでにカンボジア、東ティモール、南スーダンなどに派遣している。

 

カリフォルニア州でBSE確認―米で4頭目 24日
 米カリフォルニア州で乳牛1頭の牛海綿状脳症(BSE)の感染が確認されたと、米農務省が発表した。米国での発見は2006年以来で、4頭目。感染牛は牛加工工場で見つかった。感染牛は処分され、食用として流通することはないという。
【牛海綿状脳症(BSE)】プリオンというたんぱく質の異常が原因で牛の脳がスポンジ状になる病気。感染ルートは主に、BSEが発症した家畜からつくられた飼料(えさ)の肉骨粉。
  日本では2001年に初めて発生し、人への感染を防ぐため厚生労働省などは特定危険部位を取り除く対策と全頭検査を実施している。

 

 

小沢元代表に無罪判決―陸山会事件で東京地裁 26日
 民主党の小沢一郎元代表(69)が自分の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、国にうその報告をしたとして政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制起訴された裁判で、東京地裁は無罪判決を言い渡した。今回の判決は政局にも影響しそうだ。
  判決は、元秘書らによるうその記載があったと認めたが、小沢氏との共謀は認められないと判断した。2009年に導入された強制起訴の制度に基づいて起訴された被告の判決は2例目で、いずれも無罪となった。

 

20日▲IMF強化に4300億j超出資―G20財務相・中央銀行総裁会議

21日▲日本、ミャンマーへの円借款再開表明―東京で首脳会談
     ▲シリア停戦監視でPKO本隊の派遣採択―国連安保理
22日▲佐渡の放鳥トキにひな誕生―自然界では36年ぶり
     ▲仏大統領選、オランド氏首位―サルコジ氏と5月6日決選投票へ
23▲佐渡の放鳥トキのひな計3羽に―新たに2羽確認=環境省発表
     ▲登校の列に車、2人死亡―無免許18歳運転=京都・亀岡
     ▲シリアPKO、月内に本隊派遣―国連、日本にも派遣要請
     ▲オランダのルッテ首相が辞任―緊縮策で政権行き詰まり

24日▲カリフォルニア州で6年ぶりにBSE感染牛確認―米で4頭目

25日▲6月は広範囲で暑くなりそう 7月は平年並み―気象庁3カ月予報
26日▲小沢一郎民主党元代表に無罪判決―陸山会土地取引事件=東京地裁
     ▲天皇、皇后両陛下「葬儀簡素化を」―宮内庁、火葬・合葬を検討
27日▲国会議員の歳費削減法が成立―2年間で540万円

 

 

 

 
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