朝日小学生新聞 毎日発行 月ぎめ1,720円 ブランケット版(8ページ) 朝日小学生新聞

朝小使って新聞を勉強してるよ

 

 新聞を使った授業で社会の出来事への興味を広げたり、文章の書き方を学んだりしている小学校があります。「朝日小学生新聞」を使って授業をした2つの小学校を紹介します。

 

祥南小5年2組(愛知県安城市)

 

アクリルボードに書いたり消したりをくり返しながら、記事に合う見出しを考えました=愛知県安城市の祥南小で

 

授業で使った5月23日1面の拡大記事=愛知県安城市の祥南小で

 

 

 

 班に分かれて見出し作り
「次の壁新聞の参考にしたい」

 

 愛知県安城市祥南小5年2組の黒板に張られたのは、東京スカイツリーの開業を伝える朝小5月23日1面の記事。しかし、一番上にあるはずの大見出しは空白です。

 

 「ここに入る見出しは何かな。なぜそう思うかも考えてみよう。書いた記者さんが一番伝えたかったことを想像してみてね」。担任の宮本美佐先生が子どもたちに問いかけました。

 

 6月から始めた、新聞を使った授業の1コマです。子どもたちは「オープン」「高さ」「絶景」「雨」など、記事から読みとったテーマごとに八つの班に分かれて話し合いました。アクリルボードにペンで言葉を足したりけずったりして、「大行列!! 8000人集合」など案をまとめました。

 

 実際の記事についた大見出しは「待ってたこの日」。それを見て子どもたちから「スカイツリーにのぼった人の気持ちを伝えたかったんだろう」と声があがりました。

 

 「じゃあ、この話はなくていい?」。そう言うと宮本先生は、誕生日に両親からチケット付きの旅行をプレゼントされて訪れた小学生のコメントをはずしてしまいました。

 

 そこで何人かがひらめきました。「コメントは必要だよ。『待ってた』のは、事前に予約したお客さんだけでなく、誕生日を楽しみにしていた小学生や早朝から周辺に集まった人みんなじゃないかな」。それを聞くと宮本先生は、記事を元に戻しました。

 

 見出しにこめられた意味を知った川端くんは「スカイツリーという言葉が入ると思ったので意外だった。今度、壁新聞を作るときは、本文と関係することを見出しに書きたい」と話していました。

 


 

京都教育大付属桃山小(京都市伏見区)

 

中学生と好きな記事探し
「小1に伝えるのはたいへん」

 

 京都教育大付属桃山小(京都市伏見区)は、隣接する付属桃山中学と協力して新聞を活用する授業に取り組んでいます。

 

 取材に訪れた日は、「朝日小学生新聞」を題材にして中学2年生が小学1年生に新聞の読み方を教える授業をしました。

 

 1年生がお兄さん、お姉さんの助けを借りて好きな記事を選び、選んだ理由や感想を書きます。
この日の新聞には、プロサッカーの本田圭佑選手が小学生向けのサッカー教室を開いた記事、アメリカの山で日本人が雪崩に巻きこまれ行方不明になったニュースなどが載っています。吉本くん(1年)は、アメリカの山のニュースを選びました。「山が好きだから選びました。山は楽しいことだけではないことがわかりました」

 

 中学生は小学生が理解しやすいように、地図帳や辞書を活用します。神奈川県平塚市の話題が出ていれば、「神奈川県って京都から近いと思う? 遠いと思う?」と小学生に考えてもらい、地図帳を開いて「ここだよ」と場所を指さします。

 

 金子くん(中2)は「小学1年生に伝えるためには自分が記事を理解しなければならないことがわかりました」。

 

 小学校の竹内優有先生は「子どもたちは中学生と学ぶことでいろいろな分野の記事に興味をもち、調べようという意欲も引き出せたと思います」と話していました。

 

2012年7月6日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。

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