楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

弁論に生かす新聞記事

 

 

 

 東京都大田区の文教大学付属小学校で、30年以上続く伝統の弁論大会が行われました。多くの子どもたちに語りかける弁士(演説や講演などをする人)のなかには、新聞記事をヒントに言葉を選び、弁論に生かした子もいました。


弁論のときは、目線を原稿に落とさないことが重要です=どちらも東京都大田区の文教大付属小で

 

 

 

 

情報確かめ見つける言葉


 今月初め、文教大付属小の講堂に3年生以上の136人が集まりました。壇上には4年生から6年生まで5人ずつ、15人の姿。各クラスから選ばれ、緊張した顔で出番を待つ「弁士」たちです。
司会の合図に大きな声で応えた弁士は、マイクの前に立ち、力いっぱい語り始めます。客観的なデータや自分の体験をまじえながら、少しずつ話を組み立てていきます。とちゅうで呼びかけをいれたり、声に強弱をつけたりして、聞く人を話に引きこむ工夫も欠かしません。
 弁論に耳をかたむける先生と児童の手には、審査用紙があります。話の内容だけでなく、話しているときの目線や声の大きさなども評価の対象です。
 

 弁論のテーマは子どもたちの自由。ただ、今年は15人のうち14人が、支援物資や原子力発電所の事故など、東日本大震災に関するニュースを選びました。
 弁士が披露する話のタネは、お母さんに聞いた話や本、インターネットを見て知ったことなどさまざま。なかには新聞記事からヒントを得た子もいました。
  「人と人との絆」について話した田中くん(4年)は、アメリカ軍が被災地にたくさんの救援物資を届けた「トモダチ作戦」をテレビで見て感動し、家の新聞でくわしい状況を確かめてみたといいます。目にとまったのは、被災者の「サンキュー」に兵士が「ウィー・ラブ・ジャパン」と返したエピソード。国を越えて人と人がつながりあえる具体例として、弁論で紹介しました。
 「被災地のために、笑って生活したい」という一言に力をこめたのは八幡くん(5年)。被災地のようすを伝える新聞記事をくり返し読むうち、子どもの笑顔が多くの被災者に勇気を与えていると知り、その一言が浮かんだといいます。
  「弁論ではさまざまなデータを使いながら、自分の考えを論理的に話さなければなりません。そのために、話題が豊富で、話が筋道を立てて書かれている新聞にふれておくことは役に立ちます」。講師として10年間弁論大会を見続けている文教大学専任講師の早川明夫さんはこう話します。
 最優秀賞に選ばれたのは、震災で感じた「人の強さ」について話した海老名さん(6年)。海老名さんと優秀賞の2人は、文教大学付属中学の弁論大会で、中学生を前に話します。

 

 

 

聞く子たちも一生懸命メモをとります

 

 

 

 

2011年6月28日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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