楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

理科のまとめに個人新聞

 

 

 

 理科の学習のまとめとして、個人新聞作りを取り入れている小学校があります。大阪市旭区の大宮小の4〜6年生は、学んだ中で印象に残ったことやほかの人に伝えたいことを文章やイラストなどでまとめています。子どもたちは「読む人のことを考えて、自分なりに工夫して表現できるのが楽しい」といいます。

 


新聞の枠だけが入ったワークシートを使って、一人ひとりが読み手のことを考えて新聞を作っていきます

 

 

 

 

クイズで絵で、知らせ合う


 10日、「植物のはたらきとしくみ」を学習した6年生76人が、新聞作りにチャレンジしました。光合成のしくみや水の通り道などについて学んだことを一人ずつ、わかりやすく新聞にまとめます。
  「新聞を構成する大事なもののひとつが見出しです。みんなに興味を持ってもらえるような見出しを5・7・5のリズムで考えてみましょう」。理科担当の樗木厚先生は、こう呼びかけました。
 短い言葉で知らない人に新聞の内容を伝えるのは難しいことです。10分ほど考えると「植物が 空気をきれいに しちゃいます」「植物は 日光浴びて 光合成」などと、わかりやすい見出しが生まれました。
 

 絵でまとめるのが好きな子のためにイラストのスペースを広くしたもの、文章を書くのが得意な子向けに、文章のスペースだけにしたものなど、4種類のワークシート(新聞の枠だけ書いた用紙)の中から、自分に合ったものを選んで、新聞を作っていきます。
 大谷くんは葉の根元の軸の部分を切ったときに、その断面がカエルのように見えるおもしろさをクイズにしました。
 「単に『軸の断面がカエルのように見えます』という紹介だけではおもしろくありません。みんなで興味を持って考えてもらえるように、クイズにしました」
荒木日菜代さんは「四コマまんがを入れるなどして、自分も楽しみながら、読む人のことも考えるのがおもしろい」といいます。

 子どもたちの心強い教材となっているのが、樗木先生が製作した、新聞の作り方や読み方をわかりやすく紹介したまんが「毎日ヨムちゃん」です。
 「文章を書くのが苦手ならイラストや4コマまんがをかいてもいい」「楽しんで作れば必ずよい新聞ができる」など、ポイントがわかりやすく描かれています。
樗木先生自身が新聞を読むのが好きだったことから、15年ほど前から、社会や国語の中で新聞づくりを取り入れてきました。その効果について、「新聞にすると自分の理解できていない部分がはっきりとみえてきます。また友だちの作品について話し合うことで、より理解を深められます」といいます。
 今後も必要に応じて新聞作りの授業をします。「与えられた問いかけに答えるだけよりも、自ら意見を発信する授業のほうが、子どもたちが生き生きと活動できます。新聞には社会や理科などさまざまな教科にかかわりのある記事がのっているので、家庭でも読む習慣を身につけてほしい」

2011年6月14日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
ページの先頭へ