朝日小学生新聞
2006年9月8日
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  流氷と地球温暖化

早めの発見で衝突の回避を

米カリフォルニア州ゴールドストーン太陽系探査レーダーが、5つの角度から捕らえた小惑星の画像。遠くて小さいので、これが限界〓1月24日(NASA提供)

 1月29日午後5時半ごろ、地球から月の1.4倍(約53万8千キロ)離れたところを、直径250メートルほどのいびつな小惑星が通過しました。

 名前は「2007TU24」。昨年11月にアメリカ・アリゾナ大学月惑星研究所が発見、追跡中でした。

 今回はニアミスですみましたが、万一地球に衝突すれば、海なら巨大津波、陸なら日本列島の大半が消えてなくなるような被害をもたらすところでした。

 今から6500万年前、恐竜を一気に絶滅に追いやったのは、直径10キロほどの小惑星の衝突だったという説は、皆さんも聞いたことがあると思います。

 小惑星の故郷は火星と木星の間にある小惑星帯。ここには何十億もの小惑星があると推定されています。そこからはじき出されたものが、ときどき地球の軌道に紛れ込んでくるのです。

 恐竜を絶滅させたような大きなものはさすがに少なく、1億年に1回程度ですが、大都会を消滅させる「直径100メートル台のものなら数百〜数千年に1度」(『巨大隕石が地球に衝突する日』)」といわれています。

 こんな天災から地球を守ろうというのが国際スペースガード財団(本部・ローマ)。日本にも日本スペースガード協会があります。

 1年前に亡くなられた磯部e三・初代会長は「危なそうなものをできるだけ早く見つけたい。早ければ早いほど、衝突を避ける手が打ちやすい」と生前、力をこめて話していたのを思い出します。今回は発見から最接近までわずか2か月半。これでは回避は難しい。

 昔、中国の杞の国の人が「天が崩れるのではないか」と心配した。以来、無用の心配を「杞憂」といいますが、天が落ちてくるのは杞憂ではないのです。

朝日学生新聞社副社長・内山 幸男
朝日小学生新聞 2008年1月27日付
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