モチモチ感はでんぷんの差
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もちつきは、今でも子どもをわくわくさせます=横浜市内の団地で、中川憲造さん撮影 |
元日にはお雑煮を食べました。焼きもちも好きですが、同じ重さのおにぎりと比べたらカロリーが3割も多いので、体重が気になるわたしは気軽には食べられません。皆さんの中にもそんな人が多いのではないでしょうか。
おもちのうまみは、あのモチモチ感。粘りは、米の中のでんぷんの差でのせいです。
でんぷんはブドウ糖がつながってできたものですが、米のでんぷんには2種類あって、ひとつは「アミロペクチン」といってブドウ糖の鎖が枝分かれしているもの、もうひとつは枝分かれなしの「アミロース」です。
アミロペクチンが多いと粘り気が強くなります。もち米はほぼこのでんぷんだけでできています。
一方、アミロースが多くなると、あっさりしたごはんになります。熱帯で作られているぱさぱさしたお米(インディカ米)はアミロースが25パーセント以上で、カレーなどに合います。
日本のごはん用のうるち米は15〜20パーセント。人気のコシヒカリは15、6パーセントなので、粘りが強く、おにぎりにしてもおいしいといわれています。
かつてコシヒカリと人気を競ったササニシキはこれより少しアミロースが多かった。あっさりした味で、たくさん食べてもあきがこないのが特徴でしたが、ごはんをたくさん食べる人が減って人気が下がってしまいました。
最近は、コシヒカリよりもっともち米に近い「ミルキークイーン」という米も出てきました。国が開発した「うるち米ともち米の中間の米」で、おにぎりに最適だとしてじりじり人気があがっています。
おもちはあまり食べなくても、ふだん食べる米がおもちに近づいている――やっぱり日本人はおもちが好きなんだな。
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