こどもアサヒ

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 東京大学で科学を学んでいる大学院生と、一緒に科学を楽しむウェブサイトです。個性あふれる大学院生が、中学生におすすめの科学書や、自分たちの研究について紹介しています。

 さあ、一緒に科学の世界を楽しんでみませんか? 

 サイト制作に参加している大学院生は、作家・瀬名秀明さんの教え子たちです。朝日中学生ウイークリー(朝日学生新聞社発行)に瀬名さんが毎月1回連載している、おすすめ科学書の書評と連動しています。

東大研究室から」を朝日中学生ウイークリーで連載中
(2009年4月〜)

大学院生の案内で、朝中読者が東大の研究室を訪問しました。
2007年8月26日号から
2008年4月13日号から
2009年4月19日号から

What's New !
中学生におすすめ」「科学者のタマゴのつぶやき」を更新しました (09.06.30)
 
東大研究室から
大学院での研究のこと、中学生時代に興味を持っていたことなどを語ります。

東京大学大学院総合文化研究室博士課程・堀部直人

専門書読み解き いざ最先端の論文に挑む
(朝日中学生ウイークリー 2009年6月28日号から)
イラスト・阿部真理子
(東京大学大学院工学系研究科 博士課程)

 これまでにこのコーナーでは、研究の背景や実験の様子を紹介してきました。研究というのはまだわかっていないことを調べるのであって、勉強とは違います。とはいえ、なにがわかっていないかを知るためには、すでにわかっていることをしっかりと勉強する必要があります。実験方法やデータ解析の方法を勉強することも欠かすことはできません。今回は大学院生の勉強について紹介しましょう。

 中学生の皆さんにとっての勉強とは、教室で静かに座って授業を聴くこと、そしてその予習・復習でしょう。しかも授業には、学習指導要領に従ってつくられた教科書が使われます。高校生もこれと同じです。つまり、決められた内容を聴き、理解することが高校生までの勉強です。
 大学に入ると少し、変化があります。授業に出て先生の話を聴く、という点は変わりませんが、学習指導要領にのっとった教科書というものはなくなります。そのかわり、専門書と呼ばれる本の中から先生の好みの本が教科書として選ばれます。教科書を指定せず、秘伝の講義ノートで授業を展開する先生もいます。そんなとき学生は、板書をもとに参考となりそうな専門書を図書館で探し回ることになります。

 なにを学ばせたいかという先生のチョイス、なにを学ぶかという学生のチョイス、この2つの自由なチョイスのもとで専門書を読み解いていくのが大学での勉強です。自分の好きなことについて深く知り、理解するのが大学生の勉強、ともいえるでしょう。

 研究のための勉強が必要となる大学院になると、専門書ではもはや間に合いません。なぜなら、専門書というのは最先端の研究が行われた何年か後になって、その研究をまとめて書き上げられるからです。専門書が出る頃には、その研究分野はもうほとんど研究し尽くされてしまっているのです。専門書がまだない分野や、専門書に載っていない部分こそ研究の対象となります。
 ところで、専門書にも載っていない情報をいったいどこから仕入れていると思いますか? 実は、最先端の研究のことは「雑誌」から知ることができるのです。雑誌といってもコンビニにおいてあるような漫画雑誌ではもちろんなくて、論文誌とよばれる特殊な雑誌です。論文というのは、実験方法と結果、さらに結果の意味するところがまとめられた数ページ程度の短い報告書です。この論文をいくつも載せているのが論文誌です。

 論文同士で意見が対立することもよくあり、実験事実をもとに激しい議論が展開されます。大学院での勉強の第一歩は、論文を読んで最先端の実験結果を知ることです。そのうえで、どこで意見が対立しているのかの整理、実験方法の評価、よりよい実験方法の考案、といった「知る」を超えた領域に踏み込んでいかなければなりません。実験結果を尊重しながらも書いてあることをうのみにせず、批判的に検討を行う、これが大学院での勉強の難しさであり、醍醐味でもあるのです。

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