こどもアサヒ

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もの食う人びと
辺見庸/著、角川文庫
 おすすめする人 東大院生 あっきー

私たちの「飽食」を省みる
 食べ終わったあと、お茶わんに残る幾粒かのお米――この1粒にどれほどの重みがあるのでしょうか。

 著者は、貧困や紛争などであえぐ地域をその足でめぐり、そこで人は何をどう食べているかを鮮明に描き出します。私たちは毎日の食事で「何を食べるか」悩んでいるのに、必死に1日を生きる彼らは「どうしたら食べられるか」悩んでいる。貧困で苦しむバングラデシュには、富裕層の残飯を商品に「残飯市場」ができあがっている……なんだか、お米1粒の重みをずっしりと実感してきませんか?

 食べ物に不自由しない日々の生活を「飽食」と表現します。いまの日本は世界でも有数の飽食国家ですが、あまりに当たり前にものを食べている日々は、ともすると、字面どおり「食べるのに飽きている」となりかねません。「もの食う人びと」の一員として、食べるという行為を省みてはいかがでしょうか。





食料の世界地図
E.ミルストーン、T.ラング/著、丸善
 おすすめする人 東大院生 うっちい

 地図帳を見ながら、行ったことのない世界の国々に思いをはせるのは楽しいことだ。でもそうやって空想してみた世界は、なんだか静かで動きがない。世界が今どんな風に動いているのか、私たちの日常とどうつながっているのか、それを教えてくれるデータが普通の地図には少ないからだ。

 でも、この地図帳は違う。食をめぐる42の項目でまとめられた地図は、世界の「今」を映し出している。たとえば栄養不足が起こっている国もあれば、栄養過剰で体を壊す人が増えている国もある。そんな風に、食料をめぐる話題は読んでいて深刻な気持ちになってしまうものが多いが、教科書の先にあるリアルな世界を、この地図で知ってほしい。

(朝日中学生ウイークリー 2006年11月12日号より)




いのちの食べかた
森達也/著、理論社・よりみちパン!セ

 おすすめする人 東大院生 とってぃ

 たとえば、ぼくらのおじいさんのおじいさんは、動物の肉をどのくらい食べていただろう。いまはそのころとは違う。日本中に冷凍庫があって、肉を毎日簡単に大量に食べることができる。

 この本は、動物の肉がぼくらの口に入るまでのことについて、目をそむけずに直視する。当然ながら、動物のいのちを絶っているわけだし、そして、ぼくらの代わりに動物を殺す人たちがいる。

 「僕らの日常は、誰かを傷つけたり、誰かに傷つけられたりすることのくりかえしだ」と森さんは言う。人や社会や世界、知れば知るほどつらい部分を気づかされる。けれども、ぼくらはそのつらさを引き受けて生きていくんだと思う。そのためにも、もう少し知りたい。

(朝日中学生ウイークリー 2006年12月10日号より)

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