サイエンス・ポット

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「サイエンス・ポット」連載の大学院生が中学生を案内
東大理系研究室に興味津々

 

 朝日中学生ウイークリーで「サイエンス・ポット」を連載中の東京大学大学院生の案内で、抽選で選ばれた読者の中学生12人が東大理学系の研究室を見学しました。どんな研究をしているの? 科学の面白さって何? 参加した中学生は大学院生に説明してもらいながら、実験や観察も楽しみました。


動物発生学研究室

卵の中で細胞分裂が進む前に、遺伝子に手を加えます。顕微鏡の画像を確認しながらレバーを操作し、極細のガラスの針で卵の細胞の部分に薬を入れます

ヒトに似てるメダカの遺伝子解明へ

 

 動物コースの6人は、動物発生学研究室へ。「メダカとゼブラフィッシュ(熱帯魚の一種)、その卵を使って、発生の研究をしています」と大学院生の加村啓一郎さんが案内します。

 地下に、研究に使うメダカを繁殖させる部屋がありました。室温は常に自然界のメダカの交配期(4〜9月)と同じ27〜28度。明かりは朝8時半〜夜10時半だけつけて昼夜のリズムを保ちます。「冬も産卵期とかん違いして、毎日卵を産みます。僕らは1年中研究してるから、1年中卵がほしいんです」と加村さん。

 2階の研究室では大学院生の松尾萌さん、皇晶さんと観察・実験をしました。卵にさわって「けっこう硬い」と実感したり、顕微鏡で卵の中のメダカの成長ぶりを見たり。突然変異体の交配で生まれた透明なメダカにはびっくり。「普通のメダカとの違いは、透明かどうかだけですか?」「そうです。色素をつくるための遺伝子がなくなっているから、体の表面の白、黒、黄、虹色の4つの色素がないの」

金魚のように真っ赤なメダカ(京都大学・木下政人博士提供〓右)。「赤い色素をつくる遺伝子を入れたものです。卵もピンクで、生まれるころには真っ赤だよ」。透明なメダカ(左)や、神経だけを蛍光グリーンにして観察しやすくしたメダカもいます

 

 メダカとヒトの遺伝子はよく似ているといわれているそうです。遺伝子のはたらきなどをつきとめることは、生物の基礎研究になるだけでなく、人間の病気治療に応用できる可能性もあると期待されています。

 

 

地殻化学実験施設
噴き出した岩石から地球内部を探る

ダイヤモンドを使って地球内部の高圧な環境を作り出す装置

 地球コースの6人は、地殻化学実験施設を訪れました。この施設は地球の内部や火山、地震などの謎を化学的に解明しています。地球内部を研究している小竹翔子さんと荒川雅さんが案内してくれました。

割れやすい方向がある方解石を割ってみました

 地球の内部は、地殻・マントル・核で構成されます。中心までの距離は6370キロ。中心は364万気圧、温度も約7000度。地中深く掘るのは技術的に難しく、たくさんの費用もかかるため、マグマと一緒に地表に運ばれてきた地球内部の岩石を採取し、顕微鏡で観察するなど様々な手法で分析しています。

 ダイヤモンドも研究に活用されているそうです。「ダイヤの中に地球内部の物質が取り込まれていることがよくあります。宝石としては価値が低くなってしまうのですが、私たちの研究には非常に役立つんです」と小竹さん。6人は、天然ダイヤに閉じ込められた物質を顕微鏡で観察してみました。中学生もダイヤモンドには興味津々。「ダイヤモンドって燃やすと消えるの?」などの質問が出ます。ダイヤが燃えることのほか、ある方向に割れやすい性質も教わりました。

天然ダイヤモンドの中に取り込まれた地球内部の物質

 また、同じように割れやすい性質を持つ方解石を実際に割ってみたり、宇宙から飛んできた隕石を手に取って見たりしました。岩石を使って研究している荒川さんは「地球は足元のすぐ近くにあるのに、分かっていないことが多い。岩石を割って地球内部が分かる鉱物があると、宝物を見つけたみたいにうれしくなります。顕微鏡で見ると、まるで万華鏡のようにきれいで感動しますよ」と話していました。

 研究室見学の後には、「サイエンス・ポット」を執筆している他の専攻の大学院生も加わり、研究することの面白さや苦労話などを話してくれました。

 

 

 

 

 

メダカやダイヤモンド、自分でも観察できるかな? コツを教えてもらいました。
加村啓一郎さん
メダカはペットショップなどで買えます。小学五年生の教科書にオスとメスの見分け方など観察のポイントが載っていると思うので、参考にしてみてください。卵を顕微鏡で観察すると、細かい毛が生えているのがわかります。なぜ毛がはえているのか、考えてみてくださいね。

小竹翔子さん
本物のダイヤモンドを見る機会はなかなかないと思いますが、お母さんのアクセサリーのなかにあるかも。手芸店などでは、キラキラして「ダイヤモンドっぽい」飾りが売っているので、触った時の温度や光の反射の仕方など本物と比べてみると面白いかもしれません。

 


朝日中学生ウイークリー2007年8月26日号

 

 

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