こどもアサヒホーム > わくわく理科タイム > わくわく理科タイムバックナンバー
朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 渡辺たかこさん

 

立体を感じてみましょう

 ものが立体的に見えるのはどうしてでしょうか。
身近なもので実験してみましょう。

 

 

 

 

右目と左目が見ているもの

 まず、両目で離れたところ(3〜5メートル)にあるポスターを見ます。次に同じ場所から右目を閉じて同じポスターを見てみます。今度は左目だけ閉じてポスターを見てみましょう。右目だけあるいは左目だけで見たときでは、ポスターの位置が少しずれて見えますね。位置がずれて見えるのは、右目と左目がちがう角度からポスターを見ているからです。

 では、左手の人さし指を横にして左目の前に出し、両目で遠くを見たまま人さし指を前後させてみましょう。本当の指の右側に少し大きな指も見えてきます。右手の人さし指も横にして右目の前に出し、同じように指を前後させてみましょう。本当の指の左側にも少し大きな指が見えてきましたね。

 今度は両目の前に両方の人さし指を同時に出して遠くを見たまま前後させてみましょう。両方の人さし指の間に、指先がくっついたかたまりが浮き上がって見えますよ。これは左目と右目で見たものが頭の中で立体になった結果できたものです。

 

 

 

立体的に見えるのは?

 立体的に見えることを写真で調べてみましょう。立体にしてみたいもの(A)を中心に写真を撮ります(写真1)。次に、カメラを右へ6センチ水平に動かしてAを撮ります(写真2)。この写真を左右に並べ、【図1】の道具を作ると見やすくなりますよ。ほぼ全体が立体的に見えます。

 では、カメラをかたむけて撮るとどうなるでしょうか。Aが写真の右はしに写るようにカメラをかたむけて撮ります(写真3)。次にカメラを6センチ水平に動かして左はしにAが写るようにかたむけて撮ります(写真4)。この写真を左右に並べて見ると、写真のAのところだけが立体になります。

 このことを動物の目の位置に置き換えてみます。[1]のように目が正面にある動物はほぼ全体が立体的に見えて獲物までの距離が分かり、狩りをしやすいのです。[2]のように目が横にある動物は立体的に見えるのは一部だけで広い範囲が見え、敵を見つけて逃げやすいのです。動物の目の位置は、生きるために役立っているのですね。

イラスト=高田ゲンキ


朝日小学生新聞 2009年11月25
日付


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します