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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 宮本一弘さん

 

中性洗剤で化学しよう
 台所にある中性洗剤を使って、つまようじを動かす「化学遊び」や、世界に一つしかない作品づくりをしてみましょう!

なぜ、進む? つまようじの船

 トレーに水を入れ、つまようじのお尻に中性洗剤をつけて水面に静かに浮かべると、つまようじが動き始めます。つまようじの動きを観察すると、中性洗剤をつけたのとは反対の方向に動いているのが分かります。見た目では分かりませんが、つまようじを水に浮かべると中性洗剤が水にとけ出していき、水面にパーッと広がります。

 つまようじはこの力を利用して動いているので、中性洗剤をつけたのとは反対方向に動くのです。中性洗剤は、水面に広がって水面にうすい膜をつくる性質があります。しばらく動いた後、つまようじは止まってしまいます。これは中性洗剤が水面いっぱいに広がり、これ以上水面に広がれなくなったからです。

 つまようじが止まったら、トレーを2〜3回水でよく洗ってから、新しい水を入れてください。また、つまようじが動くようになります。この実験では、きれいに洗ったトレーを使って実験をするのがコツです。汚れがあると中性洗剤が水面に広がりにくくなり、つまようじが動かないことがあります。

 

墨流しでもようづくり

 墨汁をつけた割りばしの先を水に静かに置くようにつけると、水面に墨汁が浮きます。水面に浮かんだ墨汁の中央に、つまようじの先につけた水で約100倍にうすめた中性洗剤を軽くつけると、墨汁がドーナツ状に広がります。これはステップ1で説明したように中性洗剤の膜が水面に広がったからです。水面に広がった墨汁の色はうすいので、白いトレーに水を入れておくと見やすいです。

 こうして墨汁と中性洗剤を交互に水面につけると、墨汁が広がったところが黒く、中性洗剤が広がったところが無色になった何重もの墨汁の黒い輪ができます。次に、別の割りばしで水面を静かにかき混ぜると、墨のきれいな流線もようができます。

 水面に静かに紙をかぶせると、紙に墨汁のもようを写し取ることができます。この技法を「墨流し」といい、無形文化財に指定されています。紙に墨流しのもようを写し取り、さらに文字や絵をかいてみると世界に一つしかない作品ができますよ。この実験も、トレーをよく洗ってからやりましょう。

イラスト=高田ゲンキ


朝日小学生新聞 2009年11月4
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