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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 荘司隆一さん

 

かわかない工夫(グリセリンの秘密)

 透明なせっけんや化粧品などにグリセリンという成分が入っています。
グリセリンはアルコールの一種ですが、水に加えると水を蒸発しにくくする性質があるので、水分を保つために入れてあります。
グリセリンを使って実験をしてみましょう。

 

 

 

 

水の蒸発の速さ比べ

 プリンカップに水50ミリリットルを取り、水面の高さにカップに線を引きます。これを約1週間の間、こぼしたりしないようにそのままにしておきます。1週間後に水面の高さをみると、低くなっていることが分かります。これは水が自然に蒸発したためです。気温の高い夏のほうが水が蒸発する速さは速くなりますが、同じ温度では湿り気が少ないほうが蒸発は速くなります。

 こんどは水にグリセリンを加えて、同じことをしてみましょう。プリンカップに水を25ミリリットル、グリセリンを25ミリリットル取って、よく混ぜます。水面の高さにカップに線を引いたら、1週間そのままにしておき、水面の高さを見ると、水だけのときに比べて、減り方が少ないことが分かります。水だけのものと、水とグリセリンを混ぜたものを同時に実験して比べると、ちがいがはっきりしますね。また、水とグリセリンの割合をいろいろと変えて実験してみてもよいでしょう。

 ※グリセリンは、なめたり飲んだりしないようにしてください。

 

 

 

 

寒天の性質に変化が

 プラスチック製のコップ(約200ミリリットル)を用意してください。コップの中に半分くらいまでグリセリンを取っておきます。

 なべに約150ミリリットルの水を取り、加熱しふっとうさせます。寒天の粉末2グラム(小さじ1)を少しずつ、かき混ぜながら加えていきます。すべて加えたら、さらに1分ほど加熱して火を止め、冷まします。2〜3分後、まだ、寒天がかたまっていないうちに、このねばり気のある液をグリセリンを取ったコップにそそぎます。なべから直接コップに移すよりは、小さな器に移してからそそぐほうが、やりやすいでしょう。そそいだら、すばやくよくかき混ぜてください。

 さて、冷えてかたまった寒天を見てください。ふつうのかたまった寒天より透明であることが分かります。このグリセリン入りの寒天を、数週間、そのままにしておいてみましょう。ふつうの寒天はかわいたりカビがはえたりしてしまいますが、この寒天はあまりかわかず、カビも生えにくくなります。もちろん食べてはいけません。

 

イラスト=高田ゲンキ


朝日小学生新聞 2009年10月21
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