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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 木村由美子さん

 

宇宙でキュウリの種を育てるとA
 先週は、キュウリの種から子葉が出てくるときに、「ペグ」というとんがりができることを観察しました。
このペグ、地球の重力と関係があるのです。

 

 

キュウリのペグができる場所

 先週、キュウリの子葉が種の皮からぬけ出すときに、ペグで皮をおさえることを観察しました。今回はペグがどんな場所にできるかを調べてみましょう。
 まずは種を植える寒天づくりです。前回のように、なべに粉寒天1グラムと250ミリリットルの水を入れ、ふっとうさせてとかし、深めの耐熱容器に深さが3〜4センチになるように流し入れて冷まします。次に、種の平らな面の片側に油性ペンで印をつけてから、その印が上になるように寒天に置きましょう。
 2〜3日後にはペグが観察できますが、どの場所にできているかじっくり観察してみましょう。よく見ると、種を置いたときに上だった油性ペンの目印をつけた側の茎ではなく、下側の茎にペグができて、種の皮をひっかけています。
 子葉は上へ上へとのびていくので、種の下側にペグがあるほうが、子葉はぬけ出しやすいのです。子葉が開いた後は土に植えかえて育ててみましょう。

 

無重量ではペグはどこにできる?

 キュウリのペグは茎の下側にだけできますが、なぜ下側にだけできるのでしょうか。
 ペグができるのは、茎の中にふくまれる「オーキシン」という物質が関係することが分かっています。茎の中でオーキシンがある量以上になるとペグができるのです。このオーキシンは地球の重力によって茎の下側に集まります。すると茎の上側はオーキシンが少なくなるのでペグができず、茎の下側にだけペグができたのです。
 では、宇宙にキュウリの種を持っていって育てたら、ペグはどうなるのでしょうか。
 1998年にスペースシャトル「ディスカバリー号」でキュウリの種を宇宙へ持っていき、ペグがどうなるのか確かめた実験があります。宇宙では茎の両側にペグができました。重力がないためにオーキシンが茎の中でかたよらないので、両側にできたのです。
 地球上でも種を立てて植えると、オーキシンがかたよらないのでペグが両側にできることがあります。試してみましょう。

▽火や刃物を使うので、大人といっしょにやりましょう。

(協力・東北大学大学院生命科学研究科宇宙環境適応生態分野 高橋研究室)

イラスト=高田ゲンキ


朝日小学生新聞 2009年8月5
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