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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 前川哲也さん 

 

クスノキを丸ごと観察
 クスノキは日本では関東から西の地域に主に生息する、葉や枝に独特の香りを持つ木です。木を見つけたら、観察してみましょう。

 

 葉をよく見てみよう

 街路樹や公園などに、クスノキがよく植えられています。また、お寺や神社などの境内にもクスノキの大木がよく見られます。樹皮は暗い灰褐色で、短冊のようにたてにさけめが入っているのも、見つける手がかりになります。

 クスノキを見つけたら、葉を1枚もんで、においをかいでみましょう。防虫剤の香りがします。ショウノウという成分の香りで、実際に防虫効果があります。

 葉は、長さ5〜10センチほどの大きさの先のとがった卵のような形でつやがあります。葉の裏は表にくらべて白っぽくなっています。

 葉脈がつけ根近くから、3本に分かれています。その分かれ目をよく見ると、1ミリほどのこぶのようなものが見つかります。これは、フシダニというダニがたくさんいる「ダニ部屋」なのです。植物に寄生するダニで、このこぶからはほとんど出ないで生きています。

 

 

 1年間を通して見ると…

 クスノキは1年中緑の葉をしげらせている木ですが、1年を通してみると、季節ごとに花がさいたり実がなったり、いろいろな変化があります。


 5月から6月にかけて、クスノキはクリーム色の花をさかせます。直径は5ミリほどの小さな花なので、あまり目立ちませんが、それでも6枚の花被片とよばれる花びらと、がくにあたる部分と、12本のおしべ、そして1本のめしべがそろっています。

 10月ごろになると、直径1センチくらいの表面に光沢がある、黒っぽい実が熟します。野鳥は食べますが、ヒトは食べません。

 そして、次の年の4月中旬から5月上旬にかけて新しい葉がのび出すと、古い葉は約1年間の寿命を終え、葉を落とします。この時期には真っ赤に紅葉する葉も見られます。古い葉が落ちて、クスノキは新しい緑の葉におおわれるのです。

 身近にクスノキがあったら、1年を通して変化を観察してみると楽しいですね。

イラスト=コジマケン
朝日小学生新聞 2008年5月28日付

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