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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 高梨賢英さん 

 

甘酒をつくろう
 カビの仲間の働きを利用してお米であまい飲み物の「甘酒」をつくってみませんか。名前にお酒の文字がありますが、アルコールは入っていません。

 

 乾燥コウジを観察しよう

 カビというと、パンやおもちにつく青カビ、赤カビ、黒カビなどから悪者というイメージが強いですが、みそ、しょうゆ、酒造りに使われる「コウジ」もカビの一種です。微生物の働きには、食品の味を悪くするもののほかに、食品づくりに使われてよい味を出すものもあります。よい味を出す働きを「発酵」とよびます。

 市販の乾燥コウジを観察してみましょう。かたくてかわいたご飯のようです。40度のお湯につけて20〜30分おきましょう。水分を吸うと液が少しにごります。

 この液をご飯にかけてアルミホイルのふたをして暖かい場所に置きます。2〜3日たつと、ご飯の表面が白い毛のようなものでおおわれます=写真。これがコウジカビです。表面に白く見えるポツポツはコウジカビの胞子で、植物の種と同じ働きをします。

 乾燥していたときには働かなかった胞子はご飯につくと、そこで増えて再び胞子をつくります。胞子は軽いので風などに乗ってあちらこちらに運ばれ、栄養のあるところに落ちて条件(温度37〜38度、湿度や空気も必要です)がそろうと活動を始めます。

 

 

 甘酒をつくるには

 まず、水加減をふだんより多めにして、やわらかいご飯(おかゆ程度)をたきます。たき上がったら、70度くらいにさめるのを待ちます。

 乾燥コウジを40度のお湯に20〜30分つけます。これを生コウジとよびます。70度に冷えたご飯に生コウジをよく混ぜます。分量はご飯3に対して、生コウジ1の割合です。あまいほうが好きな人は、生コウジの量を多くします。

 生コウジを混ぜたご飯を50度から60度で保温します。容器を毛布でくるむか、それで足りなければ携帯カイロを毛布の中に入れます。

 こうするとコウジの中の酵素が働いて、4〜5時間ほどでご飯があまく変わっていきます。そうしたら、水を加えてふっとうさせるとできあがりです。飲むときは好みによって、おろしショウガを入れてもいいでしょう。

 コウジはお米のでんぷんを分解して糖分に変える働きをしますが、ご飯のすべてを糖分に変えるわけではありません。甘酒にうがい薬を入れてみましょう。紫色が出たら、ご飯の中にでんぷんが残っている証拠です。うがい薬には、でんぷんに入れると紫色になる性質があったことを思い出しましたか。

イラスト=ビューンワークス・藤田裕美

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