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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 江崎士郎さん

 

自転車の変速機の働き
 変速機がついた自転車に乗ると、坂道を楽に上れますね。変速機のギアの働きを考えてみましょう。

 

 ギアを変えると?

 ペダルをゆっくりと10回回して、タイヤが何回回るかを調べましょう。タイヤの回転数を10で割ると、ペダル1回転でタイヤが何回回ったかが分かります。

 自転車はペダルを回すとチェーンが動き、後ろのタイヤのギアを回します。ペダル側とタイヤ側のギアの歯の数が同じときは、ペダル1回転でタイヤも1回転します。ペダル側のギアが大きく(歯の数が増える)、後ろのギアが小さい(歯の数が少ない)ほど、1回転で進む距離は長くなりますが、ペダルは重くなります。逆に、ペダル側のギアが小さく、後ろのギアが大きいほど、1回転で進む距離は短くなりますが、ペダルは軽くなります。

 自転車に乗って、実際にギアを変えて走ってみましょう。速く進むときのギアは、坂道を上るときにペダルが重くつかれてしまいます。でも、ペダルを回す回数は少なくてすみます。それに対して、ゆっくり進むときのギアはペダルは軽くつかれないで上れますが、ペダルを回す回数は多くなります。

 

 力では得しても……

 回転数のちがいで使う力の強さが変わってくることが、自転車のギアの働きでわかったと思います。

 身の回りで、こうして力の節約をしている道具を探してみましょう。たとえば、ドアのノブ、ねじを回すドライバー(ねじ回し)、ボルトを回すスパナ、自動車のハンドル、機器についているダイヤルなどですね。
 どれも、回す半径を長くすることにより、力をあまり使わなくてすむものです。

 半径が短いと手を動かす長さは短くなりますが、大きな力が必要になります。半径が長いと回すために力はそれほど必要ではありませんが、手を動かす長さが長くなるので、手を動かす長さで損をします。

 これは自転車にもあてはまります。
 自転車の場合、どのギアでタイヤを回転させても、ペダルを回す力で得した分、ペダルを回す回数で損したり、力で損した分をペダルを回す回数で得したりしています。
 結局、自転車を動かすために必要なエネルギーという点では同じくらいになるのです。

イラスト=ビューンワークス・藤田裕美

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