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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 工藤和志さん 

 

パイナップルの見えない力
 パイナップルが入っている酢豚を食べたことはありませんか。くだもののパイナップルがなぜ、いためものに入っているのでしょうか

 

 たんぱく質をとかす

 わたしたちの体をつくるために必要な栄養成分にたんぱく質があります。食品からたんぱく質をもらって、体をつくっているのです。食品の中でも肉類はたんぱく質が多くふくまれているものの代表です。実は、パイナップルの果汁には、酵素とよばれる物質がふくまれています。パイナップルの酵素は、肉類にふくまれているたんぱく質を分解するはたらきを持っています。

 とくに、パイナップルにふくまれる酵素はたんぱく質を分解するはたらきが強いため、わたしたちの胃や腸のはたらきを助けてくれるので、肉類のたんぱく質をしっかりと吸収することができます。肉料理といっしょにパイナップルを食べると消化吸収を助けてくれるのです。

 この酵素のはたらきを、身近なものを使って調べましょう。ゼリーなどをつくるときに使うゼラチンは、動物性のたんぱく質でつくられています。このゼラチンをパイナップルの果汁が分解するようすを実験で見てみましょう。

 

 酵素は熱に弱い?

 ステップ1の実験でわかるように、パイナップルの酵素は、肉類のたんぱく質でつくられているゼラチンを分解します。ゼラチンを使ってパイナップルゼリーをつくろうとするとかたまらないのは、この酵素がゼラチンを分解するからです。


 パイナップルにふくまれているこの酵素はブロメリンといいます。ブロメリンは、パイナップルの果汁や葉からつくられる酵素のひとつです。パイナップルを食べると、舌がピリピリしたなんて経験はありませんか。実はそれも、ブロメリンの持つたんぱく質を分解する力が強すぎるのが原因です。

 でも、そんな酵素も温度によっては、はたらくことができなくなります。もし、パイナップルゼリーをつくりたいなら、缶づめのものか、60度以上で加熱したパイナップルを使うとうまくいきます。缶づめは60度以上で加熱してあるため、熱に弱いブロメリンは、はたらくことができないのです。

 納豆や青パパイアなども、板状ゼラチンの上において実験してみるとおもしろいですよ。

イラスト=ビューンワークス・藤田裕美

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