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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 安川礼子さん 

 

おせち料理に細胞発見
  お正月のおせち料理を科学する目で見ると、実は楽しい発見があります。顕微鏡を使わなくても「細胞」が見えるものがあります。

 

 細胞とは何だろう

 すべての生き物は細胞が集まってできています。細胞は生き物が生命をもって活動する最小の単位です。その大きさは平均して100分の1ミリ。ほとんどの細胞は光学顕微鏡で見ることができます。

 さて、生物にはたったひとつの細胞だけで生きているものや、たくさんの細胞が集まって生きているものがいます。細菌や微生物の多くは、ひとつの細胞だけで生きています。

 わたしたち、ヒトは多くの細胞が集まってそれぞれグループをつくり、グループごとにちがった役割を受け持って、ひとりのヒトの生命をたもっています。たとえば、消化担当の胃の細胞のグループや、脳からの命令をつたえる神経細胞のグループといったように。

 ヒトの細胞といっても、腰から足首にかけてつながる座骨神経の細胞は、ヒトの細胞の中ではもっとも長く約1メートルあります。また、とても細い毛細血管の中を移動する赤血球はおよそ80分の1ミリと、形や大きさはさまざまです。

 100分の1ミリという細胞の平均的な大きさから計算すると、ひとりのヒトの細胞の数は体重に兆をつけた数になるそうです。たとえば体重が60キロなら、細胞の数は約60兆個となります。

 

 ミカンや魚の卵も細胞

 細胞の多くは顕微鏡を使わないと見えませんが、中には肉眼で見ることができる特別に大きな細胞もあります。

 ミカンの果汁がつまった房の中の細長いつぶは、じつは細胞です。グレープフルーツのように果実が大きなものだと観察しやすいでしょう。

 おせち料理の中にも細胞を見つけることができます。おせち料理の数の子をよく観察すると、小さなつぶが集まったものだということに気づくはずです。数の子はニシンという魚のたまごで、この小さなつぶのひとつひとつが細胞なのです。サケのたまごのイクラも、丸いつぶ1個がひとつの細胞です。ニワトリの場合は卵黄が1個の細胞です。

 たった1個だった細胞は1個から2個へ、2個から4個へとどんどんふえて、1匹のニシンや1羽のニワトリをつくるためにそれぞれの役割を分担する細胞のグループになっていくのです。

イラスト=ビューンワークス・藤田裕美

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