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朝日小学生新聞で連載

日本化学会化学教育協議会 前川哲也さん 

 

 リンゴを切って、しばらくほうっておくと、切った面がかっ色になるのを見たことがありますか。今回はこの色の変化を調べ、それをふせぐ方法を考えましょう

 

 空気中の酸素が作用する

 リンゴを1個用意して、包丁で切ります。切った直後から30分ごとに切り口の色の変化を観察してみましょう。写真にとってみてもいいです。

 色が十分に変化したら切ったリンゴをさらに半分に切って、その切り口を見てみましょう。変色していませんね。変色したのは切った表面だけです。
 また、切ったリンゴではなくすりおろしたリンゴでも、同じように色が変化してしまいます。これはどうして起こるのでしょうか。

 リンゴにはポリフェノールという物質と、そのポリフェノールを空気中の酸素とむすびつけるポリフェノールオキシダーゼとよばれる物質がふくまれています。この二種類の物質は、ふだんはそれぞれべつの場所にあるので影響がありません。ところが、リンゴの皮をむいたり切ったりすると、これらの物質がふれあってしまいます。すると、ポリフェノールオキシダーゼはポリフェノールと空気中の酸素をむすびつけてかっ色の色素をつくるので、リンゴの色がかわってしまいます。

 リンゴの中でも千秋という品種は色がかわりにくいので、今回の実験には使わないほうがよいでしょう。

 

 元の色にもどす手もある

 リンゴの変色をふせぐために、食塩水につけることはよく知られています。
 コップ1杯の水に食塩を小さじ1杯入れた食塩水に切ったリンゴをひたし、べつに食塩水につけないリンゴも用意して色の変化をくらべてみましょう。食塩水にひたしたリンゴは色の変化がほとんど見られません。
 食塩水にひたすことでリンゴの表面を空気中の酸素とふれあわせなくするほか、ポリフェノールと酸素をむすびつけようとするポリフェノールオキシダーゼの働きを食塩がじゃまするためです。

 食塩のかわりに果汁100パーセントのオレンジジュースにひたしても、色の変化をふせぐ効果があります。これはオレンジジュースにふくまれるビタミンCがポリフェノールのかわりに酸素とむすびつくので、かっ色の色素ができないためです。
 すでにかっ色になってしまったリンゴも、オレンジジュースにひたすと元の色にもどります。オレンジジュースにふくまれるビタミンCが、かっ色の色素から酸素をうばって元のポリフェノールにもどしてくれるからです。

まんが・西村まさのり

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