油井さん宇宙へ


JAXA提供

23日出発 ISSに5か月

宇宙飛行士の油井亀美也さん(45歳)が23日、ロシアの宇宙船ソユーズに乗って、宇宙に向けて旅立ちます。日本人宇宙飛行士は10人目。約5か月間にわたって滞在し、国際宇宙ステーション(ISS)で、さまざまな実験に挑む予定です。


油井さんが滞在する国際宇宙ステーション(ISS)©JAXA/NASA

さまざまな実験に挑む

油井さんは日本時間の23日午前6時2分、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から、アメリカとロシアの宇宙飛行士とともに、宇宙に向けて出発します。地球に帰るのは12月22日の予定です。
当初は5月27日に打ち上げの予定でした。しかし、ロシアが打ち上げた無人補給船が制御できなくなる事故が起きたため、安全確認などのために延期されていました。
油井さんにとっては、今回が初めての宇宙飛行。ソユーズ宇宙船の操縦士の補佐役という重要な役を務めます。
ISSでの滞在中は長期滞在による心臓への影響を調べる研究などの実験を行うほか、日本の実験棟「きぼう」の運用や修理をします。日本の無人補給船「こうのとり」をロボットアームでつかまえるのも任務です。
アマチュア無線を使って、日本の子どもたちと宇宙から交信するイベントも予定されています。


ソユーズのシミュレーション訓練を行う油井さん=2014年10月©JAXA/GCTC

きっかけは星空観察

星空の美しさで知られる長野県川上村出身。望遠鏡で星空を観察したのをきっかけに宇宙に興味を持ち始め、宇宙飛行士にあこがれるようになったそうです。しかし家計の事情から一度は夢をあきらめ、航空自衛官となりました。
航空自衛隊ではテストパイロットを務めました。新しい飛行機を、安全かどうかを実際に飛んで確かめる仕事です。
宇宙飛行士に認定された後は、アメリカやロシアで宇宙空間や地球に帰ってくる時のことを想定したさまざまな訓練に取り組んできました。
訓練や日々の生活のようすはツイッターなどで積極的に情報発信しており、親しみやすい人柄で人気を集めています。

宇宙人見たら教えて

打ち上げを前に、地元でも期待が高まっています。
母校、川上村の川上第二小6年の林栞名さんは「油井さんが同じ学校の出身だなんてすごいと思う。他の学校の子にもじまんしたい」とほこらしげ。ISSに長期滞在する油井さんに「宇宙に行ってさびしくなったら、川上第二小の校歌を思い出してほしい」とエールを送っています。
川上第二小の子どもたちは今年1月に村で開いた壮行会に参加しました。6年の原風蔵くんは「壮行会で、油井さんは『宇宙人はいる』と言っていた。もし宇宙に行って宇宙人を見かけたら、ぼくにも教えてほしいです」と話し、ミッションの成功を祈っていました。

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