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ここ数年、ボランティア活動に参加する人が増えていますが、「ちょっと敷居が高いな……」と感じている人も多いのではないでしょうか。そこで、親野先生がすすめるのは「1分間ボランティア」。1日のうち、少しだけ意識を働かせれば、ボランティアができてしまうというものです。「思いやりの心」も育むこの取り組みは、どんなふうに続けるといいのでしょうか。
●学校で「ちょボラ」発表会
親子でボランティア活動をしていますか。ボランティアというと大げさですが、「だれにもできる、ちょっといいこと」をやろうと、担任時代のわたしは「1分間ボランティア」を呼びかけました。一分でできるかんたんな「一日一善」を実行しようというものです。自分がしたこと、されたこと、あるいは見たことを、毎日帰りの会で発表しあいました。
最初は「消しゴムを拾ってあげた」とか、「教科書を見せてあげた」という報告でしたが、そのうち「泣いている1年生を○○ちゃんは助けてあげていた」「○○くんはだれもいない教室の電気を消していた」「公園のトイレットペーパーをストックから交換した」などレベルが上がって、子どもの意識が変わっていきました。
「ちょこっとボランティア」を短くして「ちょボラ」という言い方もあるようです。手軽でやる気を起こすいいネーミングだと思います。
●人の喜びが自分の喜びになる
1分間ボランティアやちょボラは自分のためだけでなく、みんなのために何ができるのかという意識を育てるきっかけになります。最近、大人社会では勝ち組、負け組などという、いやな言葉がはやり、自分さえよければそれでいいという風潮があります。子どもたちにそんな発想を持たせたくありませんね。
人のために役立つことがうれしいという体験を重ねると、だんだんほかの人の喜びが自分の喜びになっていきます。人に知られなくてもいいことをするのはうれしいという気持ちが出てくるものです。休日に親子で町中や海岸の清掃をする、空き缶拾いをする――。30分もやればかなり集まって、達成感が得られるでしょう。
実はわたしも中学生時代、「青少年赤十字」という団体に所属して、ゴミ拾いのボランティアをしていました。自慢ではありませんが、それ以来、道ばたにゴミを捨てたことは一度もありません。小さいときの影響はそれほど大きいのです。
一日一善は楽勉でもあります。親子で気持ちよく、人の役に立ちながら、道徳教育も環境教育もできる。何年生から始めてもかまいません。毎日続けることが大切です。大変であれば、毎月第1週は「1分間ボランティアの週」としたり、月、水、金は「ちょボラデー」など、期間を区切ってやるのもいいかもしれません。ダラダラとやっていると続かなくなりますからね。
●「強制」と「おカネ」は絶対禁止
やるにあたって大切なのは強制しないこと。強制するとボランティアではなく、ただの作業になってしまいます。学校でボランティアを義務づけるという話もありますが、それはボランティアとはいいません。わたしのクラスでは毎日、発表したい子に手を挙げてもらい、日直が指名するようにしていました。全員強制はあまり効果があるとは思えませんでした。
ごほうびにおカネや小遣いをあげるのも厳禁。子どもはおカネのためにやるようになるからです。思いやりの心を持たせるためにも、家庭でも親子で一日一善を始めてみてください。1分間ボランティアやちょボラの取り組みを夕食時の話題にして、親子で共有するといいでしょう。
朝日小学生新聞『ドラゴン桜』流親力講座より(2007年6月23日)
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