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親野先生は、お父さんお母さんから、よくこんな教育相談を受けたといいます。「うちの子は、単元テストはできるのに、実力テストが苦手。実力を身につけるいい勉強法はありますか」。この対策として先生は親の手作りテストと本物体験をあげます。
●単元テストと実力テストの落差が大きい
小学校のテストはおよそ3種類あります。
1つ目は、問題の内容を事前に教えてなるべく100点を取らせる「予告テスト」。このテストの目的は、内容を定着させることと、子どもに「やればできる」という自信をつけさせることです。
2つ目は、わり算や分数など一つの単元が終わったあとに、その定着状況を確認する「単元テスト」。
3つ目は、学期末や学年末にそれまで習ったいろいろな単元から出題する「実力テスト」です。
まじめでコツコツ勉強するタイプの子ほど、単元テストは満点近いのに、実力テストは二十点、三十点と、ギャップがあるようです。原因として、習ったことが本当に分かっていないため、応用がきかないことがあげられます。
たとえば、わり算の単元テストでは、わり算のことが聞かれるだろうという頭があるでしょう。立てる式にわり算をあてはめれば答えが出るケースも多いかと思います。
実力テストになると文章題などが出て、それを解くのにかけ算を使うのか、わり算を使うのか、考えなければなりません。わり算やかけ算の本当の使い方が分かっていないとこまってしまうのです。
●弱点をおりこんで問題を作る
同じ問題を機械的にくり返すのは、エスカレーターに乗っているようなもの。子どもに自分で「階段」を上らせるのが、実力をつける勉強法です。
その方法として一番いいのは、わり算の単元テストであれば、文章題に、かけ算とわり算の要素をまぜることです。「これはかけ算か、これはわり算か」と考えることが大切なのですから。ところが、そのようなテストは、不思議なことにほとんどありません。
だから、実力テストに弱いという悩みがあるなら、親がいろいろな問題をまぜたテストを作ってやるといいと思います。わり算の勉強をしているときに、かけ算やわり算がまざった問題をやらせると本当の実力がつくのです。これをくり返していけば、実力テストでもいい点が取れるはずです。
理科や社会では、以前述べた「本物体験」もあわせて行えば、実力育成の効果が上がります。3年生で習う昆虫では、「完全変態」と「不完全変態」を学びます。これを実際に観察していた子は、たとえ2年後に突然テストされても答えることができるのです。
●本物体験で真の実力を身につける
単元テストでは習ったばかりのことを確認するので答えられるけれど、習ってから半年くらいたち、記憶がうすれたころにやる実力テストでは分からなくなる、ということも考えられます。ここでも、体験にもとづき子どもに強い印象をあたえる、本物体験が効果を発揮します。
国語に関して実力を身につけるには、ふだんの言語体験を豊かにするといいですね。なんといっても、読書と親子の楽しい会話は基本中の基本。親子日記も作文力や思考力をつけるのにきわめて有効です。
高校や大学の入試ともなると出題範囲は広くなります。本物体験で今から知識のクイをいっぱい立てておくと、あとで役立つでしょう。世の中に出てからも、ジワジワと本当の実力となって、表れてくるはずです。
教科書と問題集の知識は十分でも、そこにのっていない知識や教養がぬけ落ちていると、独自の世界観や人間性が育たず、オリジナリティーの足りない人間になってしまいます。ぜひ長い目で子どもに実力を身につけさせてあげてください。
朝日小学生新聞『ドラゴン桜』流親力講座より(2007年5月12日)
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