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●卒業式におくられた川柳に感動
終了式の日、わたしはよく教え子たちに言葉をおくりました。一年の終わりを気持ちよくしめくくるために、原稿を書いて読み上げるのです。その文章をプリントにして、子どもたちにも配りました。そうすると雰囲気が変わって印象に残るようです。
高学年にはよく宮沢賢治の「雨ニモマケズ」をおくりました。これは本当にいい作品ですね。自然体で人のためにつくすことの尊さを切々とうたっています。
わたしが子どものころ、小学六年生の卒業式をむかえた日に、担任の先生がみんなへ川柳を一句おくってくれました。どんな川柳だったか忘れてしまったのですが、川柳とはどんなものかを説明してくれました。
それが心の中に残っていて、川柳や俳句に興味を持つようになり、大学時代から自分で俳句を作るようになったのです。今でも俳句は好きですよ。すべてのきっかけは卒業式のおくる言葉だったのです。
●励ましや勇気づけを詩にたくす
親が子どもに有名な作品をおくるというのは、子どもに知的な文化のかおりをおくることでもあるのです。
お父さんお母さんもぜひ、子どもに言葉をおくってみてください。詩人、俳人の作品だけでなく、ご自分で考えた言葉でもいいと思います。もしくは、作品を引用して親の考えを付け加えてあげれば、心のこもったものになるでしょう。面と向かっていいにくいことも、紙に書いてわたすだけで、子どもの心に残ると思います。
それでは、いくつかおすすめの作品を挙げてみましょう。
高学年には、先の「雨ニモマケズ」や、高村光太郎の「道程」「牛」などがいいですね。「牛」という作品は着実に前へ進む牛の力強さをうたっています。その一部を引用するだけでもその力強さが十分つたわります。
低学年には、宮入黎子の「から」や武鹿悦子の「たけのこ ぐん」がぴったりですね。「から」はザリガニがからをぬぐたびに大きくなるという詩です。「たけのこ ぐん」は文字通り、竹の子がぐんぐん大きくなっていくことをうたっています。
いずれも成長への喜びやはげまし、勇気づけを詩にたくして伝えているのです。
●友だちにも言葉をおくろう
おくる言葉を選ぶときには、『子どもといっしょに読みたい詩100』(たんぽぽ出版)や、学年別にまとめた『新・詩のランドセル』(らくだ出版)シリーズなど、市販の本がいくつもありますので参考にしてはどうでしょうか。
また、おくる言葉をきっかけに、春休みに宮沢賢治や高村光太郎の詩集をプレゼントするのもいいでしょう。そこから詩への興味が広がるかもしれません。そして、友だちにも詩や言葉をおくれるようになるまで発展させられればいいですね。
こういうプレゼントを自然にできるようになれば、将来の人間関係作りにもきっと生きるでしょう。誰かとお別れするとき、言葉をおくるというのは、文化的でいいですね。もらう方も印象に残るものです。
詩や俳句は言葉の力を持っています。人の心に強くうったえるから長く読まれているのですね。そんなことを親から子へ伝えて、体感させるのは大切なことだと思います。
朝日小学生新聞『ドラゴン桜』流親力講座より(2007年3月17日)
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