|
ケン まず、地震のしくみをおさらいしたい。
――ゆでタマゴを思いうかべて。その殻にはたくさんのひび割れがあって、ゆっくり動きながら、押し合いへし合いしているの。
ポン ゆでタマゴの殻は動かないよ!
ケン たとえ話だよ。
――そう。ゆでタマゴは地球。割れた殻は、地球をおおっている、ぶあつい岩の板よ。厚さは百キロ前後もあるんだ。
ジャン プレートっていうのね。四川大地震(5月12日)の勉強で覚えたよ。
――日本周辺の地下には四枚のプレートがあって、押しくらまんじゅうをしている。太平洋プレート、北米プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートと名前があるのよ。
ケン 東北地方では?
――東からゆっくり押してくる太平洋プレートが、海底で陸側の北米プレートの下にもぐりこんでいる。
ポン ゆっくりって?
――年に約10センチ。人のつめがのびる速度にたとえられる。陸側はいつも強い力で押され、先っちょが太平洋プレートに引きずりこまれている。
ケン えっ、だんだん陸地がしずんじゃう!?
――それはない。陸側のプレートのへりは、ときどき上にはねて、もとにもどる。50〜100年に1度くらいは、大きくはねるよ。
ジャン 「プレート境界型」の地震ね。岩手・宮城内陸地震も同じ?
――ちがう。もう1つの地震の種類を覚えている?
ケン 「内陸型」だね?
――そう。東北地方の陸地の中のひび割れ、つまり断層がずれ動いた。いつも太平洋プレートに押されて、東西から押し縮めるような力が加わり、ひずみがたまっていたのね。四川大地震も、この「内陸型」よ。
ポン 二つの地震は関係があるの。
――となり合う地震でないので、関係はない。
ケン 岩手・宮城内陸地震では、何が起きたの。
――岩手県南部から宮城県北部にかけて走る断層が、長さ約40キロにわたって、ずれ動いたらしい。断層の西側の地盤が東側に向かって、ななめ上方向に数メートルはね上がったの。
ポン 四川の地震とどっちが大きいの?
――四川大地震はマグニチュード(M)8。岩手・宮城内陸地震は、阪神大震災(1995年)とほぼ同じM7・2。数字が1ちがうとエネルギーは?
ケン たしか、30倍ちがうんだね?
――正解。四川の約30分の1ね。でも、宮城県栗原市の荒砥沢ダムのそばでは、長さ1キロ、幅700メートルにわたって山がくずれた。山肌が、もとの位置より最大で150メートルもすべり落ちたそうよ。地震ではね上がった地盤の上に、奥羽山脈がのっていたこと、火山の灰が積もった弱い地盤だったことも、山くずれを大きくしたの。
ジャン まだ、約300人が避難しているんでしょ。
――東北地方は6月19日に梅雨入りした。雨がふると、さらに土砂がくずれたり、土砂にせき止められた川があふれたりと、二次災害が起きやすくなる。余震も、1か月くらいは注意しないといけないわ。
ポン ぼくたちの町はだいじょうぶかな?
――4枚のプレートがひしめき合う日本は、「地震の巣」。世界の地震(M5以上)の10個に1個は日本で起きているの。体に感じないけれど地震計には記録される震度0もふくめると、日本では5分に1回の割合で起きているのよ。
ケン そんなに!
――家具の固定や防災用品の準備、家族の話し合いなど、備えを忘れないでね。
|