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| 北京五輪の聖火リレーのじゃまをしようとして飛び出した男性(左)を取りおさえる警官ら。中央奥は、厳しい表情で聖火リレーを続ける走者=四月六日、イギリス・ロンドン中心部で |
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――まずチベット自治区から説明しよう。中国の西の方にあって人口は277万人。そのうち九割をチベット族の人たちがしめている。中国に多い漢族とは別の、昔からこの地域に住んでいる人たちだよ。
ジャン じゃあなんで中国の一部に?
――今の中国(中華人民共和国)は1949年にできたんだけれど、中国はチベットを「自分の領土」と主張した。そして51年にチベットの中心都市ラサに軍隊を送りこんだ。それから、この地域を「自治区」という形で自分の国の一部にしようとしたんだ。
ケン すんなりといったの?
――いいや。チベット人の不満が高まり、59年には大きな抗議運動が起きた。それを中国政府は軍の力でおさえこんだんだ。チベットの最高指導者ダライ・ラマ14世もインドににげた。自治区として中国にとりこまれたのはそれから六年後だ。
ポン ダライ・ラマってどんな人なの?
――チベットの人たちはチベット仏教を深く信じている。ダライ・ラマはその最もえらい人で、仏様の生まれ変わりとされている。チベットでは昔から仏教の指導者が政治のリーダーでもある。だから、今もチベットの人たちはダライ・ラマ14世をしたっているよ。
ケン ダライ・ラマ14世は中国にどんなことを言ってきたの?
――最初は独立を求めていたけど、途中からは外交(ほかの国々との付き合い)や、防衛(国を守る仕事)を除いた自治の実現を求めてきた。でもそのために暴力は使わなかった。それが評価されて89年にノーベル平和賞をもらったよ。
ジャン でも自治区なんだから、自分たちで管理できていたんじゃないの?
――自治区といっても実際には、中国政府が上から統制しているんだよ。
ケン 今回はお坊さんや市民が抗議したんでしょ?何が不満なのかな。
――中国政府は近年、チベットの開発を進めて、漢族がどんどん移り住んで経済もにぎるようになってきた。チベットの人たちは自主性や独自の文化がますますおびやかされていると感じているようだ。
ジャン ダライ・ラマ14世は騒乱にはかかわっているの?
――中国政府はそう言って非難しているけど、ダライ・ラマ側はちがうと言い、チベットの人たちに改めて暴力を使わないよう呼びかけている。でも、騒乱は四川省などチベット族が多く住む地域にも飛び火している。
ケン ほかの国はどう見ているの?
――ヨーロッパやアメリカを中心に、力でおさえこむ中国のやり方には批判的だ。ポーランドやチェコ、イギリスは、首相や大統領が北京五輪の開会式に参加しないと言っている。日本はチベット問題と五輪参加とは結びつけない考えだ。
国際社会は中国政府とダライ・ラマ14世の話し合いを求めているんだけれど、中国のかたい態度もあって見通しは厳しそうだ。このままだと、五輪にも影響が出かねないな。
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