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五郎丸健一記者(朝日新聞経済政策グループ)
最近、ガソリン税という言葉をニュースでよく聞くんだけど。
期限切れがどうこう、とかいってたね。
政治家ら多くの人たちが、この税金のことで大さわぎしている。みんなの暮らしにかかわる大切な話だから、ちょっと勉強してみようか。
期限が切れる「税率」でもめる道路建設用の税金
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ガソリンの値段の3分の1
本来の税金の倍のまま30年
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| ガソリン価格はこのところ、1リットルあたり150円台。約3分の1を税金が占めています=福岡県内で、2007年12月 |
――ガソリン税というのは、文字通りガソリンにかかる税金。本当は「揮発油税」と「地方道路税」という2種類の税金のことなんだ。1リットル当たりおよそ54円かかっている。ガソリンの値段は、だいたい150円台だから、3分の1が税金ということになるね。
ジャン ふつうの税金とちょっとちがうと聞いたけど。
――ガソリン税は、道路をつくるためだけに使うことが法律で決められている。50年ほど前にできたルールで「道路特定財源」という。当時は、日本のあちこちをりっぱな道路で結ぶことが大事だと考えられ、「便利になった道路を利用するドライバーに、整備にかかるお金を負担してもらおう」ということになったんだ。
ケン なるほど。それにしても、ずいぶん高いんだね。
――実は一リットル当たり54円の税金のうち25円は、もともと法律で取り決めた金額に上乗せしている分だ。上乗せには期限が決められているから、「暫定(一時的な)税率」と呼ばれている。
ポン 「一時的」というけど、いつから続いているの?
――税金の上乗せが始まったのは、1970年代だ。中東で「石油ショック」が起きて、石油が値上がりしたころだよ。道路予算を増やすことや、ガソリンなどの資源を節約することが理由だった。その後も、この暫定税率の引き上げと延長がくり返され、79年からいまの額が続いている。
ジャン それがどうして、さわぎになってるのかな。
――暫定税率の期限が3月末にくるので、その後も続けるかどうかで、与党(政権をとっている党=自民党と公明党)と野党(政権をとっていない党=民主党など)が国会で対立しているんだ。必要な法律を延長しないと、年間2兆6千億円もの税金が入らなくなってしまうから、影響は大きいよ。
ポン そうなると、道路がつくれなくなるの?
――いまの計画通りにつくることは難しくなる。だから「地方にはまだまだ道路が必要だ」と考える与党は、10年間の延長を主張している。一方、野党は「もう道路はたくさんできたので、特別あつかいはやめるべきだ。むしろ、ガソリンを値下げした方がいい」と、延長に反対だ。衆議院は与党、参議院は野党の人数が多いので、国会はなかなか結論が出せないでいる。
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仕組みの利点や欠点・環境
しっかり話し合って結論を
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ケン そういえば、お父さんが「最近はガソリン代が高いので、税金が安くなるとうれしい」っていってたよ。
――確かにドライバーにとっては、負担は軽い方がありがたいよね。でも、これはかんたんには結論を出せない問題なんだ。
ポン どういうこと?
――いきなり暫定税率がなくなると、国や市町村があてにしていていた税金が入らなくなるので、福祉や教育など、道路以外の予算もけずらないと、行政の仕事がうまく回らなくなるおそれがある。一方で、たくさんのお金が自動的に道路整備に回るいまの仕組みには、車があまり通らない道路がどんどんつくられ、税金のむだづかいになりやすいという問題点がある。
ジャン 環境の問題も気になるわ。
――そう、ガソリンが安くなると、自転車や歩きで行けるような用事でも車が使われ、ますます地球温暖化につながってしまう、という面があることもわすれてはいけない。政治家たちには、こういった点もよく考え、しっかり話し合ってどうするかを決めてほしいよね。
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【きょうのポイント】
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▽ガソリンにかかる税金をガソリン税という。この税金は、道路をつくるためだけに使われる「道路特定財源」である。
▽ガソリン税の約半分は、一時的に上乗せしている「暫定税率」分。1970年代の石油ショックをきっかけにとり入れられて、いままで延長を続けている。
▽暫定税率を続けるかどうか、いま与党と野党で対立している。まだ新しい道路が必要という与党、もう十分という野党で意見がなかなかまとまらない。 |
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朝日新聞社が2月2日と3日、全国の有権者(20歳以上)に電話で行った世論調査では、道路整備のための税率の上乗せを「続けるべきだ」は27%で、「やめるべきだ」が60%をしめました。税率の上乗せを10年間延長する法案の内容については、与党と野党が「妥協(ゆずりあい、歩みよること)すべき」と考える人が55%と、「妥協すべきでない」の33%を上回りました。
一方で、ガソリン税などを道路整備以外の目的にも使える一般財源にするという意見については54%が賛成でした。 |
(2008年2月7日)
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