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辻 外記子記者(朝日新聞医療グループ)
薬害C型肝炎の問題が、解決に向け、大きく前進したとニュースでやっていたけど。
薬が原因で肝炎になった人が、国などの責任を追及して裁判を起こしたりしていた問題だね。
どうして、こんな問題が?
患者さんたちは、肝炎のウイルスが入った薬を使うことを、国が止めなかったから被害が広がったとうったえている。裁判所でも、国の責任がどこまであるかの判断がちがっていて、なかなか解決策が見つからなかったんだ。
C型肝炎ってどんな病気なの?
薬で病気に感染 国が責任を認め、法律制定
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ウイルスで汚れた血でつくる
薬の使用を禁止しなかった国
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福田首相(右端)と会って話す、薬害C型肝炎の裁判の全国原告団の代表ら=2008年1月15日、首相官邸で
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――肝炎は、肝臓がはれる病気のこと。ウイルスの感染が原因であることが多い。ウイルスにはいくつかタイプがあり、C型肝炎ウイルスに感染するとC型肝炎。熱が出たり関節が痛くなったりするけど、最初のころの症状は軽いことが多く、病気に気づかないこともある。20〜30年たってがんになる人もいるんだよ。
ジャン なぜ「薬害」と言われるの?
――赤ちゃんを産むときや手術のとき、血を止めるために使われた「フィブリノゲン」などの薬が原因になったからだ。この薬の原料にした血液が肝炎ウイルスによごされていた。薬を作った製薬会社や禁止せず放っておいた国が悪いと、患者たちが五か所の裁判所で裁判を起こした。
ケン 病院の治療で病気になったってことかな?
――その可能性が大きい。フィブリノゲンは1980年代を中心に、約28万人に使われ、うち一万人ほどが肝炎ウイルスに感染したと言われている。ただ、当時はこの薬を使わないと、死んでしまう患者さんもいた。いつから使わないように国が指示すべきだったか、裁判所ごとに考えがちがってしまったんだ。
ジャン 裁判では解決できなかったのね。
――ところが、2007年の秋、大きな動きがあった。薬害C型肝炎の患者さんの名前などが分かるかもしれない資料が、一度は「ない」とされたのに、厚生労働省で見つかったんだ。早く本人に知らせてあげるべきなのに、「命にかかわる情報をかくしていたのか」と患者側はおこった。国会でも大きくとり上げられ、「なるべく早く裁判の結論も出そう」という流れができた。
ポン うまくいったの?
――すぐにはなかなかね。大阪高等裁判所が、07年12月半ばに和解(おたがいが納得して裁判をとり下げること)の大まかな案を出した。一定の期間に出された薬については、国の責任を認めるというものだった。でも、原告側(うったえた側)は「期間を区切るのはおかしい。同じように苦しんでいるのだから、みな救ってほしい」と受け入れなかった。
国はその後、対象を広げた案も出したが、原告はこれも受け入れなかった。とうとう福田康夫首相は、薬害C型肝炎の被害者をみんな同じように補償する「一律救済法」をつくると決め、この1月に成立したんだ。
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原告の求め通り「一律救済」
今後は対象外患者の対策を
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ジャン どんな中身なの?
――被害を広げてしまった国の責任を認め、「被害者に心からおわびすべきだ」と書いてある。薬がいつ使われたかに関係なく、国と製薬会社が補償金を支はらう。病気によって1人2000万〜4000万円、病気の症状が出ていない人には1200万円。原告側が求めた通りの内容になった。約200人の原告と、カルテ(治療の記録)などが残っている800人ほどが対象となるようだ。
ケン もっと大勢いるんじゃないの?
――フィブリノゲンが原因で肝炎になった人は1万人以上とされるけど、証明するのが難しい。薬を使った病院がすでになくなっていたり、カルテの保存期間は5年間だったから、カルテが残っていないことも多い。
ポン これからどうなるの。
――ウイルス性肝炎の感染者は、C型とB型合わせ、約350万人。その多くが、輸血や注射器の使い回しなど、治療上の問題が原因とされる。でも、今回の法律で対象になったのは2種類の薬だけ。血液を原料にしたそれ以外の薬による感染や、生まれつき血が固まりにくい血友病の患者、感染の経路が分からない場合などは救われない。こうした人たちへの対策が課題になりそうだよ。
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【きょうのポイント】
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▽ウイルスがまじった血液で作られた薬のためC型肝炎になった問題を「薬害C型肝炎」という。国や製薬会社の責任を問い、患者らが裁判を起こしていた。
▽国は責任を認めて2008年1月、「一律救済法」を成立させた。薬が原因であると証明できる患者をみな同じように補償する法律。
▽輸血や注射器、別の薬など、ほかの医療上の問題で肝炎に感染した人もいる。こうした人への対策が課題。 |
(2008年1月19日)
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