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本田靖明記者(朝日新聞産業・金融グループ)
おばあちゃんがよく行く三越デパートが、伊勢丹っていう別のデパートといっしょになるんだって。
えっ、大丸と松坂屋っていうデパートもいっしょになるって聞いたよ。
どちらも本当だよ。「いっしょにお客さんを増やしましょう」って考えるデパートが増えているんだ。
どうして? みんなライバルだったんでしょ?
じゃあ、何でデパート同士がいっしょになろうとするのか考えてみよう。
お客さんを取り戻し、売り上げを伸ばすためだよ
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互いの得意分野で協力し合う
買収を防ぐための手段にも
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| 三越の日本橋本店〓右〓と伊勢丹の新宿本店〓左。来年4月から協力していくことを決めました |
――デパートの魅力は衣料品から雑貨、アクセサリーまでブランド品がそろっていることだよね。その分、値段も高い。だから、景気が良かった15年ぐらい前まではお客さんも増えたけど、その後の不景気でしだいに減ってしまったんだ。
ポン みんな買い物しなくなったの?
――いや、代わりにお客さんを集めたのが、大型のショッピングセンターやパソコンのインターネットを使った通信販売だ。デパートはうばわれたお客さんを取りもどすことができずに、成績が下がり続けている。これが、デパート同士がいっしょになるきっかけだよ。
ジャン いっしょになって成績を上げようということ?
――その通り! デパートはお客さんを取りもどし、もうけを出す方法を必死に考えた。それに成功したのが伊勢丹と大丸だ。伊勢丹は流行の商品をどこよりも早く仕入れることに力を入れ、特に衣料品はとても人気がある。大丸は従業員の仕事を見直し、お金のむだづかいをやめることで、もうけを出す仕組みをつくったんだ。
なかなか成績を上げられずにいた三越は伊勢丹と、松坂屋は大丸といっしょになることで、売れる商品を仕入れる方法や、もうけの出る商売の仕方を自分たちもとり入れたいと考えたんだ。
ケン 関西では阪急デパートと阪神デパートがいっしょになるんでしょ。
――これはちょっと難しいんだけど、阪神デパートを営んでいる鉄道会社が、デパートや鉄道とは関係ない別の会社に買われてしまいそうになったんだ。そこで阪急デパートを営む鉄道会社が、阪神を助けるためにいっしょになったんだ。
デパートは人が集まる場所に立っているから、土地の値段も高い。それを手に入れるために、会社を乗っ取ろうとする人が現れるのではないか、と不安に思っているデパートの社長もいるんだ。
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親しみある名前はそのまま
買う楽しみ増えるよう期待
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ポン いっしょになるとお店の数が増えるよね。
――お店の数が増えれば、それだけ売り上げが増えるでしょ。だから衣料品や雑貨などをつくっている会社は、大きくなったデパートに優先して人気の商品を納めたいと思うよね。それでさらに売り上げが増えて、もうけが出れば、そのお金で新しいお店を出したり、お店の装飾をすてきにしたりできるよ。
ケン デパートの名前は変わるの?
――あえて変えないんだ。デパートの歴史をさかのぼると、元祖は江戸時代や明治時代の呉服屋さんがほとんどだ。それだけ歴史が古く、その名前で親しまれてきたので、今さら変えたらお客さんの愛着がうすれてしまうかもしれないよね。
ジャン いっしょにはならないけど、協力しているデパート同士もあるの?
――大手のデパートが地方のデパートの商品の仕入れや販売活動に協力している。高島屋は仙台市のさくら野デパートを、三越は福島県郡山市のうすいデパートを、それぞれ支援しているよ。
ケン ところで、ぼくらが得することはあるの?
――それぞれのデパートで提供していた特典つきの買い物用カードが、どちらのデパートでも使えるようになる。それに、単独では仕入れることができなかった商品が、相手の力を借りて品ぞろえできるようにもなるだろう。わたしたちの買い物の楽しみをぐっと増やす効果を期待したいね。
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【きょうのポイント】
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▽三越と伊勢丹、大丸と松坂屋など、ライバル同士だったデパートがいっしょになる例が増えている。阪急と阪神もいっしょに。
▽高級品をあつかうデパートは、不景気で売り上げが下がった。いっしょになるのは、大型のショッピングセンターや通信販売にうばわれたお客さんを取りもどすのが目的。
▽いっしょになると、人気の商品が優先的に仕入れられたり、おたがいのいい仕組みがとり入れられたりする。しかし、なじみのあるデパート名はそのままにする
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(2007年9月14日)
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