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瀬川茂子記者、佐々木英輔記者(朝日新聞科学グループ)
9月1日は防災の日なんだって。
今年は3月に能登半島地震、7月にも新潟県中越沖地震があったけど、84年前の9月1日は、関東大震災が起きて約10万人が亡くなったんだ。
被害を少しでも減らすために、毎年この日、あちこちで防災訓練をするのよ。
いつ地震が起きるという予知はできないの?
「直前に」は難しく、備えを重視する方向へ
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| 阪神大震災でくずれ落ちた高速道路。東海地方以外でも大きな地震が起きる可能性があることが、広く意識されました=1995年1月、兵庫県神戸市で |
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プレートの境目がいくつもある日本列島の周りは大地震が起きやすい(イラスト・小島文代)
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――まず、地震が起きる仕組みをおさらいしよう。
地球の表面はいくつもの岩の板(プレート)でおおわれていて、ゆっくり動いて押し合っているんだよ。その力にたえられずに岩板が突然こわれるのが地震なんだ。
ケン 大きな地震がせまっているってよく聞くけど?
――大きな地震が起きやすいのがどのへんかっていう見当はつくんだ。たとえば、海側のプレートが陸側のプレートの下にしずみこんでいる日本列島の太平洋側は、大地震が起きやすい。東海、東南海、南海地震は100〜150年間隔で起きているよ。
ポン ふーん。
――でも、プレートは地下深くでこわれるから直前のようすを直接見られないし、前ぶれは地上になかなか現れない。だから「あと何日ぐらいで起きるか」を見分ける「直前の予知」はものすごく難しいんだ。
ジャン でも、東海地震は予知できるって聞いたわ。
――残念ながら、運がよければ予知できるかもしれないという程度で、今は不可能という人も多い。
昔起きた東南海地震を調べたら、直前に地面の動きが変化したことが分かった。そこで、東海地震がすぐにでも起きるかもしれないといわれるようになった30年くらい前には、「この前ぶれをつかめば予知できるぞ」と、国も研究者も張り切ったんだ。そして、観測網を作り上げた。でも、研究すればするほど、難しいことがはっきりしたんだ。
ケン もし大地震が予知できたら、どうするの。
――法律できちんと決められているよ。首相が警戒宣言を出すんだ。電車は止まり、大きなお店は閉まる……。でも、直前の予知ができないとなれば、いくらその後のことを細かく決めていても仕方がないよね。それに手順が決まっているのは東海地震だけなんだよ。
ポン えーっ。
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10月から「緊急地震速報」
数秒前の行動を考えよう
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――以前は防災の日の国の訓練も、東海地震を考えたものだけだった。ほかの地震は、予知をしようという体制もなかったんだ。多くの人が、危ないのは東海地震だけだと思いこんでいた。そこに起きたのが1995年の阪神大震災。6400人も亡くなったんだよ。
ジャン かわいそうだね。
――直前の予知は難しいし、危ないのは東海地震だけじゃないこともわかった。それで、国の研究計画は九九年から、地震予知ではなく、地震の起こり方などをつかむ地道な方向に重点を大きく変えたんだ。
ポン うーん、ちょっと残念。
――その代わり、長い目でみて危ないところを調べる研究がさかんになったよ。日本には過去に地震が起きた跡である活断層があちこちにあって、何千年かに1回、地震を起こす。それらも調べるようになった。東南海や南海地震に強い地域づくりを進めるための法律もできたよ。
日本にいる限り、地震がまったく起こらないというところはない。日ごろの備えが大事だよ。建物をがんじょうにしておくことが大切だという考え方も広まった。みんなも、本棚を固定して、高いところに物を置かないくせをつけよう。
ケン 最近よく聞く緊急地震速報は予知とはちがうの?
――よく知っているね。あれは、起きた地震をいち早く知らせる仕組みだよ。ゆれが伝わるには時間がかかるから、震源の近くでゆれを観測したら、遠くのまだゆれていないところに知らせるんだ。
震源から遠ければ、ゆれるまでに数秒から数10秒かかる。机の下にかくれたり、電車のスピードを落としたりはできる。10月からテレビで流れるから、どうすればいいか話し合っておくといいね。
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【きょうのポイント】
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▽日本列島の太平洋側は、プレートがしずみこむ場所で大地震が起きやすい。東海、東南海、南海地震は100〜150年間隔で起きるといわれる。
▽東海地震を「直前に予知」する研究は30年前に始まった。しかし、予知は難しいうえ、想定外の阪神地域で大地震が起きたことから、研究の重点は地震の起こり方などをつかむ方向へ変化。
▽緊急地震速報は、すでに起きた地震をまだゆれていないところへいち早く知らせる仕組み。ゆれが伝わるまでの数秒間で、被害を減らす準備が期待される
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(2007年9月1日)
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