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●今年は猛暑になる?●

大久保 泰記者(朝日新聞社会グループ)
 
ポン

 今年の夏は暑くなるって言ってたけれど、本当?。

ジャン

 「ラニーニャ」という現象が発生しているからなんでしょ?

大久保 記者

 よく知っているね。これまで夏にラニーニャが発生したときは、暑くなるケースが多いんだ。

ケン

 冬には「エルニーニョ現象」というのがあったよね。何か関係があるの?

ラニーニャ現象の影響で太平洋高気圧強まる

赤道付近の海水温が低く
地球規模で気象に異常が

 


 

 ――よく覚えていたね。今年2月のこの欄の「今年はなぜ暖冬?」の記事で、エルニーニョ現象を取り上げた。去年の暮れから今年にかけて暖冬になった原因の1つではないかと話したよね。
 エルニーニョはスペイン語で「神の子」「男の子」の意味。ラニーニャは「女の子」を意味するんだ。

 ケン 南アメリカのペルー沖の海水温がいつもとちがう……だったかな。

 ――そう、いつもの年より高くなるのがエルニーニョ現象だね。ラニーニャ現象はその反対だと思えばいいんだ。ペルー沖から太平洋の真ん中の赤道付近までの海水温が、いつもの年より低くなる。
 なぜかというと、赤道付近を流れる東風が強くなるため、ペルー沖の温かい海水がどんどん東風に押されて、太平洋の西側に流れるからだ。

 ポン どうして日本に関係するの?

 ――太平洋の西の端にあたるインドネシア付近の海域に、いつもの年よりも温かい海水が集まり、雨雲がたくさん生まれる。
 インドネシア付近で上空までいった空気は、今度は日本の南の太平洋周辺でおりてくる。これが夏の太平洋高気圧を強くし、暑い日が多くなる。地球規模で大気の流れが変わる。

 ジャン 日本以外ではどうなるの?

 ――夏に発生するとアメリカ東部で高温になり、インドでは逆に低温になる傾向がある。1999年の夏は、アメリカ東部が熱波におそわれ、干ばつの被害や森林火災がたびたび発生したよ。

 ケン ラニーニャ現象は、どのくらいの間隔で起きるの?

 ――観測にあたっている気象庁によると、この60年間で12回起きている。平均すれば5年に1回で、2〜7年ごとに起きている。エルニーニョ現象と交互に起きるんだ。
 最近では2年前の冬。日本海側で豪雪となり、雪おろしの事故などで130人以上の人が亡くなったのを覚えているかな。ラニーニャ現象が、日本に寒気を入りやすくしたといわれたよ。

 ケン でも、今はダムの水が少ないっていうニュースを聞くよ。

 ――今年は、暖冬の影響で雪が少なかったから、雪解け水が少なかった。そのうえ、春先から少雨が続き、今は関東や四国でダムの水がいつもの年より少なくなっているんだ。

 ポン これから降るのかな。

 ――過去にラニーニャ現象が発生した年は、梅雨時の降水量はどちらかというと多めだから、まとまって強い雨が降る可能性もあるね。
 ただ、梅雨明けが早い地域が多い傾向もある。梅雨前線は、暖かい南の空気と北の冷たい空気がぶつかり合ったところにできる。だから、南の高気圧が強まれば、一気に前線を北に押し上げて梅雨明けになる。

 ジャン 難しいのね。

 ――これからの季節は、豪雨に注意しながら、地域によっては水不足も心配しないといけないかもしれない。今から節水に気をつけたいね。暑い日は、熱中症にも注意して、十分水分をとることも大切になりそうだね。

夏の日本では99年以来
梅雨明け早い地域多そう

 

 ジャン 夏では?

 ――1999年の夏以来になる。このとき、北日本は記録的な猛暑になった。東日本も暑く、熱中症でたおれる人が相次いだ。西日本では梅雨明け後も雨が多かった。

 ポン 雨も増えるの?

 ――太平洋高気圧が強いと、南からの湿った空気が日本に流れこみやすいんだ。そのせいで雨も増える。気象庁が、これまでラニーニャ現象が起こった夏の天気を調べたら、いつもの年より暑くなる日が多いだけでなく、雨も増える傾向がみられたよ。

【きょうのポイント】
 ▽ラニーニャ現象は、南アメリカのペルー沖の海水温が、いつもより低くなる現象。地球規模で大気の流れを変え、気象に影響をおよぼす。
 ▽今年はラニーニャが発生したため、日本の南の太平洋高気圧が強くなり、猛暑になる可能性が高い。梅雨明けは早いところが多くなりそう。
 ▽ラニーニャの年は、梅雨の間の雨量が増える傾向もある。しかし、今年は暖冬で雪解け水が少なかったために渇水ぎみ。豪雨、水不足、猛暑に注意が必要。

(2007年6月23日)


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